百合に挟まれて死ぬ悪役王子に転生した百合男子、百合ップルを見守ります!

椎名 富比路

文字の大きさ
上 下
33 / 36
第五章 転校生は魔王! 百合おじ最後の戦い

第33話 ドキドキな文化祭に、珍客

しおりを挟む
 文化祭の季節が、やってきた。

 魔法科学校の文化祭といっても、基本的にやることは地球のものと変わらない。
 露店を開いたり、占いをしたり、メイドカフェがあったりである。

「普通にメイドがいる世界で、メイドカフェなんて流行るのかよ」という、野暮なツッコミはナシだ。普段は貴族ぶっている生徒がメイドをするのが、またいいのである。

 それに百合! 百合! 百合の嵐!

 メイドカフェで普段は主従関係なんてない貴族同士が、まさか従順なメイドに!
 このシチュエーションに抗える貴族など、皆無! 脳を刺激されない貴族なんて、いない!

「あら~」

 オレは、快楽物質を発動させて、トリップしていた。

「ユリウス王子。悪いんだが、交代してくれ」

「うむ」

 看板役のオレは、他の生徒と交代して接客に回る。


 ウチのクラスがやるのは、『聖女リフレ』だ。みんな、聖女・聖人のような衣装を身にまとっている。
 正確には、女子は「耳かき」、男子からのサービスは、「足つぼマッサージ」だ。

「ああ! 両方! されて! あたし! 頭が! おかしく! なるぅ!」

 カーテンの向こうから、ヤン王女の嬌声が聞こえてきた。
 
 久々に学校に来たヤン王女が、幸せ空間の中にいる。ティナに耳かきを、トマ王子から足つぼを受けて、悶絶しているのだ。カーテンで仕切られているので、公衆の面前でアヘ顔をさらすには至っていない。しかし、声は丸聞こえ。
 
 どっちも堪能しようとする、ヤバめなやつがいるとは。効率重視なのか、それともただの変態なのか。
 
 しかし、いいな。痛みと快感を同時に味わうってのは。それが百合というなら、なおさら!

「ユリウスくん。僕さぁ、気づいちゃったんだよね」

 ガセート先輩が、すっごい悪い顔になっていた。

 オレもなんだが。
 
「ああ。これなら……」


 合法的に、百合に挟んでもらえる!


「まさか、ヤンディーネンくんに教わるなんて、思っても見なかったよ」

「うちの妻は、贅沢なんです。なにもかも、いいものは味わい尽くしていきたいそうで」

 ヤン王女の夫であるアッシェが、ヤンを評価した。「そこがいいのだ」と。

 ちなみに、アッシェもオレも、足つぼ担当だ。
 ガセート先輩の足つぼを抑えている。

「生徒会たるもの、往来で女性の世話になる姿を見せては婚約などの関係で後々面倒になると思ったから、君たちにお願いしたわけだけど……」

「残念だったな。まあ、オレたちがお願いしても、絶対にしてはくれないだろう」

「だろうね。ああ、もう結構だ。ありがとう」

 ガセート先輩が、カーテンを出た。

「次の方、どうぞ」

 オレは、次の客を呼び込む。
 
「お願いします」

「しま~す」
 

 現れたのは、二人組の女性だ。

 褐色ダークエルフと、色白のギャルか。珍しい組み合わせだな。どっちもギャルとは。

 それにしても、この二人。どこかで見たことがあるんだよなあ。
  
「いらっしゃ……!?」
 
 客の顔を見た途端、アッシェが青ざめた。 

「みんな離れろ!」

 焦ったように、アッシェが人払いを行う。


 

 思い出した! このギャル風の二人組の正体を! 


 コイツら、裏ボスだ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...