13 / 36
第二章 百合王子の正体がバレそうになってドキドキ!
第13話 百合おじさん・ユリウス、強さの秘密
しおりを挟むこの日のゼクロス達は、2番目のエリアのディルドラ王国にあるレストという町の北で「アーマーオーク」を討伐するクエストをしていた。
PTは、パラディンのゼクロス、ソルジャーのクレイド、ガードナイトのライナス、そして新たに入ったビショップのリオールであった。
前衛3人、支援一人のこの布陣は、リオールが提案したもので、戦士3人でのスキルを用いた白兵と、回復系魔法の覚えが早いビショップのリオールの回復魔法「ハイヒール」でのHP回復により、アーマーオークは相手にもならず、曇天模様の岩場のMAPで、無難にクエストは進んでいた。
「この調子なら、楽にいけそうだな」とゼクロスは余裕をかましていたが、油断大敵とはいったもので、またも場違いな強力そうなモンスターと遭遇した。
翼の生えた巨大な黒いリザードマンが、PTの前に立ちはだかったのだ。
この巨大な黒いリザードマンは、意外に俊敏でもあり、曲刀を以って、前衛のゼクロスに斬りつける。
「ぐはっ!」
ゼクロスは、HPの6割を超える大ダメージを受けて、慌てて「パリィ」で防御態勢に入る。
「危ないわ、持ちこたえて!」
リオールが素早く「ハイヒール」でゼクロスのHPの4割弱を回復させる。
「このっ!」
クレイドが白兵にはいり、この黒いリザードマンに、新しく覚えた打撃スキル「デストロイクラッシュ」を使い、ヘビーメイスで殴りつける。ギロリとクレイドを睨んでターゲットする黒いリザードマン。
「おっと、やらせないよ!」
そこにライナスが、ターゲットを取る「ヘイト」上昇系スキル「ドレッドノート・アタック」をブロードソードで仕掛けて、この突きスキルで、黒いリザードマンのターゲットを自分に向ける。
この「ドレッドノート・アタック」は、相手とのLV差が高いほど、高いヘイト値が取れるので、ライナスはこれを連打して、ターゲットを自分に固定しにかかる。
もちろん、黒いリザードマンの攻撃が向かうわけだが、この時、ライナスはプレートメイルにガントレット、レッグガードにオープンヘルム、さらにはラージシールドまで持った重装備であったので、2割強のHPダメージでこの曲刀による攻撃をしのぐ。
(これは見たところデーモン系だな。なら、あれでいけるはずだ)
そう思い、ゼクロスは、クラススイッチして「パラディン」から「ホーリーナイト」になると、魔族やアンデッド系に絶大なダメージを与えるスキル「聖光剣」での斬撃を、この黒いリザードマンに浴びせた。黒いリザードマンは、予想通り魔族の類であったようで、そのHPバーが3割程削れる。
「前衛は大丈夫だな。よし、僕は支援に回る!」
クレイドはこれを見て、自分も後ろに引きながらクラススイッチして「ウィザード」になると「ステータス・ブレイク」の魔法でこの黒いリザードマンの防御力を大幅に下げた。
ターゲットを取り続けるライナスのHPは、リオールが回復魔法「ハイヒール」で治している。
「弱体化させるから、止めは頼むぞ、ゼクロス!」
クレイドは「ステータス・ブレイク」の魔法でさらに黒いリザードマンの素早さも大幅に下げる。
「これで決まりだ!!」
そして、ゼクロスが、その支援を受けて、スキル「聖光剣」での2撃目、3撃目を入れると、黒いリザードマンはHPが0になって「グェェェェェ」と断末魔を上げて、黒くなって、かき消えた。
「LVUP!」PT全員のLVが上がる。
「結構きつい相手だったな。リオールの提案したこの編成でなかったら、もっと危なかったかもしれない。助かったよ」
手で軽く自分の頭をかきつつ、ゼクロスがリオールに礼を言う。司祭服姿のリオールは口元に笑みを浮かべて、曰く。
「私の編成もそうですが、PTのみんなの連携がうまくいった上での勝利ですよ?相手モンスターとの相性もありますから、色々メンバーを入れ替えて、有効だと思える編成で討伐クエストを受けるともっといいですね」とのこと。
ゼクロス達は、この後ポーション類でHPとSP、MPを回復させて、「アーマーオーク討伐」の続きをこなすと、翼のペンダントで、ギルド拠点に戻り、ギルドクエストカウンターに報告した。
するとギルドLVが10になり、拠点が小屋から家屋にレベルアップした。
「よし、大分見栄えもよくなってきたな」とゼクロスは満足そうに言い、ギルド拠点のワープポイントから、セルフィの街の中央公園に戻り、エリシャの隠れ家的な店に帰還した。
このとき、店では、ちょっとしたハプニングが起こっていた……。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。


巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる