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第五章 敵の総大将が動き出しました!
第71話 悪党の暗躍は許しませんよーっ!
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「これで、片付けばいいのですが」
リッコは十字架を元の位置に戻した。
辺りの騒ぎが収束している。
ビフロンスが倒されたことで、武器やアイテム類の呪いは解消されたらしい。
「ひとまず、これで安心なんでしょうか……?」
リッコは、路地裏で倒れている人物を発見した。
「この人は……あなたは!」
倒れていたのは、ジョーイとパーティを組んでいた剣士だった。
「ああ、キミはアイリス・フォートか」
意識はあるようだが、虫の息だ。このままだと、本当に死んでしまう。
「とにかく治療しましょう!」
回復魔法を唱えつつ、ジョーイの元へ急ぐ。
イグルの俊足のおかげで、リッコはジョーイのいる場所まで一瞬で戻ってこられた。
「何があったんですか、リッコさん?」
返答がない。唇を動かそうとしているのだが、声が出ないようだ。
「説明は後です。ジョーイさん手伝ってください」
二人はありったけの魔力を、剣士の回復に注ぎ込む。
どうか無事で、と祈る思いで、リッコは回復魔法を放つ。
「僧侶さんの方々、他に動ける方がいたら、こちらの手助けにご協力ください!」
ジョーイの呼びかけに応えるかの如く、ほかの回復職も駆けつけてくれた。
リーダー剣士に、血の気が戻ってくる。
リッコの額に汗が滲んできたころ、ようやく剣士が目を開けてくれた。
「君たちが、助けてくれたのか。感謝する」
身体を起こして、剣士はリッコたちや周囲に礼をいう。
「いいえ。何がおっしゃりたかった様子でしたので」
「そうなんだ。実は、さる人物に怪しい動きがあってね、彼と対立する勢力から依頼を受けたんだ。彼の不正を暴こうとしたら、襲撃を受けて。オレは助かったが、他のメンバーは散り散りになってしまった。無事だといいんだが」
剣士が言う黒幕の正体を聞かされ、冒険者たちが驚きの声を上げる。
「ジョーイ、キミをパーティから外してよかったよ。キミまで巻き込むところだった」
「もう巻き込まれています。許せませんね、そいつは」
リッコたちも、彼らの救出に向かいたい。
「わたしも行きましょう」
「それなんですが、実は」
ジョーイから、ソランジュの危機を聞かされた。
ならば、ソランジュの加勢にも向かわねば。
「我々が探してやるよ!」「許せねえなそいつは!」
剣士の告発により、冒険者たちが殺気立つ。
「ありがとうございます。お役に立てず、すいません」
「いいってことよ。てめえら、行くぞ!」
剣士は、仲間がどこに連れ去られたか、心当たりがあるという。
冒険者の面々は、剣士に連れられて仲間の救出へ向かった。
なんとしてでも、悪は引っ張り出す。
リッコは十字架を元の位置に戻した。
辺りの騒ぎが収束している。
ビフロンスが倒されたことで、武器やアイテム類の呪いは解消されたらしい。
「ひとまず、これで安心なんでしょうか……?」
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「この人は……あなたは!」
倒れていたのは、ジョーイとパーティを組んでいた剣士だった。
「ああ、キミはアイリス・フォートか」
意識はあるようだが、虫の息だ。このままだと、本当に死んでしまう。
「とにかく治療しましょう!」
回復魔法を唱えつつ、ジョーイの元へ急ぐ。
イグルの俊足のおかげで、リッコはジョーイのいる場所まで一瞬で戻ってこられた。
「何があったんですか、リッコさん?」
返答がない。唇を動かそうとしているのだが、声が出ないようだ。
「説明は後です。ジョーイさん手伝ってください」
二人はありったけの魔力を、剣士の回復に注ぎ込む。
どうか無事で、と祈る思いで、リッコは回復魔法を放つ。
「僧侶さんの方々、他に動ける方がいたら、こちらの手助けにご協力ください!」
ジョーイの呼びかけに応えるかの如く、ほかの回復職も駆けつけてくれた。
リーダー剣士に、血の気が戻ってくる。
リッコの額に汗が滲んできたころ、ようやく剣士が目を開けてくれた。
「君たちが、助けてくれたのか。感謝する」
身体を起こして、剣士はリッコたちや周囲に礼をいう。
「いいえ。何がおっしゃりたかった様子でしたので」
「そうなんだ。実は、さる人物に怪しい動きがあってね、彼と対立する勢力から依頼を受けたんだ。彼の不正を暴こうとしたら、襲撃を受けて。オレは助かったが、他のメンバーは散り散りになってしまった。無事だといいんだが」
剣士が言う黒幕の正体を聞かされ、冒険者たちが驚きの声を上げる。
「ジョーイ、キミをパーティから外してよかったよ。キミまで巻き込むところだった」
「もう巻き込まれています。許せませんね、そいつは」
リッコたちも、彼らの救出に向かいたい。
「わたしも行きましょう」
「それなんですが、実は」
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ならば、ソランジュの加勢にも向かわねば。
「我々が探してやるよ!」「許せねえなそいつは!」
剣士の告発により、冒険者たちが殺気立つ。
「ありがとうございます。お役に立てず、すいません」
「いいってことよ。てめえら、行くぞ!」
剣士は、仲間がどこに連れ去られたか、心当たりがあるという。
冒険者の面々は、剣士に連れられて仲間の救出へ向かった。
なんとしてでも、悪は引っ張り出す。
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