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第三章 お友だちって、いいものですね!

第39話 ジョーイさん、友だちになってください!

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「わたし、武器がなくなっちゃいます」
「ずっとほったらかしにしていただろ? 錆びていないか見てもらう」

「そうですね。武器なんて、素材を剥ぐことにしか使ってきませんでした」

 身体を張って人を守ることに、リッコは躊躇いがない。
 とはいえ、積極的に殺生はしたくなかった。武器を用いず、副業の武術に頼っている。
 
 あれだけ強い敵が現れた以上、今後やっていけるか分からない。
 アップデートの必要性は感じていた。

「お任せあれ」
 店に入ったジョーイは、瞬時に鍛冶モードへ。

「度々アイテムを持ち帰る。いいアイテムに仕上げてもらうぞ」


「今後とも、ご贔屓に」
 一瞬だけ顔をこちらに向けて、ジョーイは挨拶をした。

「あとだな。お友達価格の話だが……」
「やはり気が変わりましたか。はい。報酬はしっかり勉強させてもらいます! 銀貨一枚でも承りますよ」

「いや、そうではなく」


 ソランジュは、リッコをヒジでつつく。



「どうしたリッコ? 絶好のチャンスだぞ」


 そうだ。友だち作りのことを、すっかり忘れていた。


「あ、あの、ジョーイさん!」



「なんでしょう?」
 ジョーイが作業の手を止める。


「えとえと、手を動かしながらで大丈夫ですよ」
「大事なお話のようなので、そんなわけには」
「いえいえいえ、大した用事ではなく」



 額に手を当てながら、ソランジュが「ああもう」と、ため息をつく。



「このリッコ・タテバヤシと、友だちになってくれないか? みんなから怖がられていて、寂しい思いをしているんだ」



 業を煮やしたとばかりに、ソランジュが代わりに用件を話してしまった。

「あわわ、すいませんソランジュさん」
「キミに任せていたら、彼女の手を止めたままにしてしまうよ」

 ソランジュは悪びれる様子もなく、リッコに叱責の言葉を飛ばす。


「なるほど。確かに、『アイリス・フォート』は有名人ですから、近寄りがたいのでしょう」

 返答をしようとしたジョーイに、ソランジュは待ったを掛けた。

「今度こそ、自分から話せ」
「は、はい」と、リッコは前に出る。


「ジョーイさん、わたしと、お友達になってください!」


「いいですよ。あたしでよければ」

 あっさりと、友だちができてしまった。

 それでもリッコは、天にも昇るような気持ちになる。

「ありがとうございます! やったぁ。友だちができましたよソランジュさん!」

「よく頑張ったな、リッコ」

「はい。言ってみてよかったです! ありがとうございます!」

 リッコはジョーイに、両手を差し出す。
「ではジョーイさん、よろしくお願いします!」

「こちらこそ。リッコさん」

 互いに笑顔で、握手をかわした。

「それで、わたしは何をすれば?」
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