フリーター、魔王候補の集まる女子寮の大家になる

椎名 富比路

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第五章 フリーター、大魔王からJKのダンジョンを守る ~親娘対決編~

第32話 図面武闘会 すごろく対決

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 シルヴィアとドゥーさんによる、図面武闘会の日がやってきた。

「お待たせしましたのう」

「おおおおお!」

 大会に向けて、シルヴィアは着物で参戦する。肩を露出して、胸はサラシを巻いていた。いつもの陽気なギャルっぽさを、今回は消している。それくらい、今日の結果にかけているのだろう。

 今日の武闘会は、オレやユーニャさんも参加していいらしい。いいのか?

「逃げんと、ようきてくれたのう」

「そっちがここに、来たんじゃろうが。そりゃあ逃げんわい」

「細かいことはええ。ルールは簡単じゃ。プレイするんは遺跡ダンジョンにマスを作ったスゴロク。ホンマはもっと本格的なんじゃが、簡易版で勘弁しといたる」

 ダンジョンの床には、マス状のパネルを置いてある。

「サイコロは、あんたらはアプリでもええ。せやけどワシらは、これでいこうやないか」

 ドゥーさんが用意したのは、壺振り型のドローンだ。賭博映画で見たことがある。ドローンと言っても、ちっさいガーゴイルが支えていた。安定性は、抜群である。

「望むところじゃ。後で泣くなやジジイ」

「じゃかあっしゃい。ほな、誰からいくか、きめようやないか」

 四人でサイコロを振って、出目の大きい人が先行となった。

「さっそくワシからや。一二の半」

 スゴロクには、六面ダイスを二つ使う。

「おお、スライムを倒して、薬草をゲットじゃ」

 続いて、シルヴィアの番だ。

「四か。ムカデを潰して、銅の剣ゲットじゃ」

 三番手は、ユーニャさんである。

「六だわ! あーん、泥沼にハマって、一〇ゴールド失ったわ」

 その代わり、ドロのニオイで次の戦闘が免除されることになった。

 最後はオレだ。一とは、幸先悪い。

「カズヤさん、薬草取りの女の子を助けて、ポーションゲットじゃ。ついでに女の子のハートもゲットしてもうたな」

 女性のハーバリストが仲間になった。

「おう。そうだな」

 一応、このスゴロクのプレイヤーは、全員男性となっている。

「たらしですわ。カズヤさん」

「うむ。たらしだな」

 アンネローゼとドロリィス、ひどくない?

「よっしゃ。中ボスを撃破して、島を脱出じゃ」

「こっちは、土地の名産がバズって大儲けしたでな」

 おじさんとシルヴィアは、もはや別ゲーを楽しんでいた。かたや正統派ファンタージなのに対し、シルヴィアは土地を買い取って金を稼ぐ。止まったマスの言う通りに動いているはずなのに。

 一方ユーニャさんは、ポンコツながら勇者らしく街の平和を守っている。しかし、順位はドベだ。

 オレはと言うと……。

「カズヤさん、カジノのバニーさんを荒くれから助けて、惚れられてます!」

「やっぱりたらし」

 フィーラとシノブも、やっぱりひどくない?
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