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3章
10年
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リメイク版も神だった。思わずため息が出てしまう。読破したとの余韻、それを流し込むようにお茶を飲み、もう一つ幸せなため息を吐く。至福の時間だ。
次は何を読もうかなー! この幸せな空間から出たくない。
「モモさん、もう10年経過してしまいましたが、学校は行かなくて大丈夫ですか?」
「モモお姉さん?」
え? 10年? そんな、そこまでの量の本を読んでないはずだし、私はもしかして読むスピードがめちゃくちゃ遅い?
いえいえ、冗談か何かですよ。でもシオールさんの横に立つ女の子は? あの時の赤ちゃん? ってことはやっぱり10年経過している!
ニコニコしていたシオールが木の立て札のような物を手持ちで取り出す、『ドッキリ! 大成功!』。
「シオールさん!」
「モモさんがいつまでも出てこないから、脅かそうと思いまして。この子はショーンの妹のルーシです」
「モモ様、可愛いリアクションでした! あわあわしてたところがポイント高いですよ!」
よかった。本当に本を読んでいただけで10年経過していたら、怖くてお父さんの顔を見にいくこともできない。
「でもモモ様、過去に聖女ノワール様の逸話では2年くらい篭って出てこなかった話もあったので、エルフの方は時間感覚も違うって聞きますし、本当に注意した方がいいですよ! エルフジョークが大成功って感じ! それにしてもモモ様は可愛すぎる。モモ様で四コマとか作ったらダメかな?」
「申し訳ありません、ルーシは漫画家なもので、少し興奮していて。ダメですよ、モモさんの存在は限られた人しか知らないんですから」
「ええええ、だってぇ。モモ様、ダメですか?」
自分が漫画になる? ちょっと惹かれてしまうところはある。それにルーシさんは漫画家様? 凄い、握手してもらいたい。個人的に買いてもらうならあり? いえいえ、絵を描いて食べてる人なのですから出版できないとお金にならないはずだし。
「私の存在が知られれば騒ぎになるということならやっぱり、お断りしたいです」
「そですよねぇ。だったら個人的に少しつづ作成していくというのは?」
「ルーシさんが良いのであれば構わないですが、どんな物を作成予定なんですか?」
「私は四コマ作家なので、四コマ版、『あの伝説のエルフ、モモちゃんの軌跡!』っていうタイトルの自伝風四コマで行きたいと考えています」
「自伝ですか? それにあの伝説って、私は何もしてないですけど」
「これから伝説になるんじゃないですかー! モモ様が世間に知れ渡ったタイミングで発行にゴーサインを出していただく方向でよいですか?」
熱量が凄い。見てみたい気持ちもあるし、私の存在が知れ渡る? そんな大仰なことはするつもりもないし、基準がわからないけど、まぁいいか。
「自伝となればモモ様からのお話はもちろん、お父様である森の賢者様からもお話を聞きたいのですが!」
「父からですか? 父が良いというのであれば私は構わないですが、私から父には話ておくので然るべきタイミングで火の鶏が来ると思いますので、そこでやり取りはお願いします」
「やったー! シオー姉! 言ってみるもんでしょ!」
「本来であれば不敬で処罰の対象になりますからね、ルーシ」
2人は本当の姉妹みたいに仲がいいんだ。少しお姉ちゃんのことを思い出してしまう。
「それで実際は何日経過しているんですか?」
「はい、3日です」
み、3日。やばいです。出ないと、でもまだ本屋さんも回ってないし、あああ、どうしよう!
まぁ、予定はあくまでも予定だし、自分ルールからは外れるけどピーちゃんに大きくなってもらって飛んで、少しズルをしよう。
「モモ様がまたあわあわしてて、可愛い。きっと予定とは日程がずれちゃったんですね」
「も、問題ないです! 今日は予定通りに本屋さんを回りたいと思います」
「私はこれから仕事もあるので、ルーシに案内をお願いしています。楽しんできてくださいね。それと出る前にお風呂とご飯なども済ませてくださいね」
確かに髪が少しギトギトしているかも。お父さんにはとても話すことができない。
「モモ様、お背中流しますよ!」
「ズルいですよ、ルーシ!」
「早く仕事行かないと遅刻するよ」
ぐぬぬと、しオールさんはお仕事に行ってしまった。娘さんは預けるところがあるらしく、一緒に連れて行っていくようだ。少し触れ合いたかったな、もちもちのほっぺにおてて。
「お風呂はこっちです!」
「1人で入れるのに」
ルーシさんとお風呂に入った後、急いで朝食を食べて外に出る用意をする。もちろん、幻術はかけ直す。
「本当に普通の人族に見えます」
「そんなことよりも、本屋さんに急ぎますよ!」
「モモ様、やる気ですね」
「モモでいいですので早く行きましょう! 売り切れてしまいます!」
「今日は新刊の発売日でもないし、そう簡単には売り切れないですよー、モモっち!」
モモっち! なんだか新鮮な呼び方です。これがあだ名っていうやつですね。少し感動です。
ルーシさんに案内された本屋さんはシオールさんの家ほどではなかったけど、希望した本を購入することができた。その後も4軒ほど回って購入をした。
ジャンル別に本屋さんの取り扱いもあるらしく、購入しにきた人が選びやすい環境を整えているらしい。
それと、本の価格については思った以上に安くて、値段にも感動してしまった。
「こんなに安い値段で神作品が購入できてよいのでしょうか」
「これも国の努力ってやつですよ。売れて冊数に応じて報奨金も出ますし、紙の値段や印刷技術の発展の賜物ってやつですね。これまで食糧難で本を描くとかどころではなかったんですけど。これもモモ様達のおかげですね」
私ではない、全部お父さんのおかげだ。
そんなことを話したらお父さんは自分のおかげではなくて、種を持ち帰って上手く育てて、頑張ってくれた人達のおかげだと言うに違いない。
「私のおかげなんかではないです。父の功績ですよ、まぁ父は否定するでしょうけどね」
「賢者様の……詳しく聞きたいです!」
「いいです、今日のお礼を含めて、父の自慢をさせていただきます」
次は何を読もうかなー! この幸せな空間から出たくない。
「モモさん、もう10年経過してしまいましたが、学校は行かなくて大丈夫ですか?」
「モモお姉さん?」
え? 10年? そんな、そこまでの量の本を読んでないはずだし、私はもしかして読むスピードがめちゃくちゃ遅い?
いえいえ、冗談か何かですよ。でもシオールさんの横に立つ女の子は? あの時の赤ちゃん? ってことはやっぱり10年経過している!
ニコニコしていたシオールが木の立て札のような物を手持ちで取り出す、『ドッキリ! 大成功!』。
「シオールさん!」
「モモさんがいつまでも出てこないから、脅かそうと思いまして。この子はショーンの妹のルーシです」
「モモ様、可愛いリアクションでした! あわあわしてたところがポイント高いですよ!」
よかった。本当に本を読んでいただけで10年経過していたら、怖くてお父さんの顔を見にいくこともできない。
「でもモモ様、過去に聖女ノワール様の逸話では2年くらい篭って出てこなかった話もあったので、エルフの方は時間感覚も違うって聞きますし、本当に注意した方がいいですよ! エルフジョークが大成功って感じ! それにしてもモモ様は可愛すぎる。モモ様で四コマとか作ったらダメかな?」
「申し訳ありません、ルーシは漫画家なもので、少し興奮していて。ダメですよ、モモさんの存在は限られた人しか知らないんですから」
「ええええ、だってぇ。モモ様、ダメですか?」
自分が漫画になる? ちょっと惹かれてしまうところはある。それにルーシさんは漫画家様? 凄い、握手してもらいたい。個人的に買いてもらうならあり? いえいえ、絵を描いて食べてる人なのですから出版できないとお金にならないはずだし。
「私の存在が知られれば騒ぎになるということならやっぱり、お断りしたいです」
「そですよねぇ。だったら個人的に少しつづ作成していくというのは?」
「ルーシさんが良いのであれば構わないですが、どんな物を作成予定なんですか?」
「私は四コマ作家なので、四コマ版、『あの伝説のエルフ、モモちゃんの軌跡!』っていうタイトルの自伝風四コマで行きたいと考えています」
「自伝ですか? それにあの伝説って、私は何もしてないですけど」
「これから伝説になるんじゃないですかー! モモ様が世間に知れ渡ったタイミングで発行にゴーサインを出していただく方向でよいですか?」
熱量が凄い。見てみたい気持ちもあるし、私の存在が知れ渡る? そんな大仰なことはするつもりもないし、基準がわからないけど、まぁいいか。
「自伝となればモモ様からのお話はもちろん、お父様である森の賢者様からもお話を聞きたいのですが!」
「父からですか? 父が良いというのであれば私は構わないですが、私から父には話ておくので然るべきタイミングで火の鶏が来ると思いますので、そこでやり取りはお願いします」
「やったー! シオー姉! 言ってみるもんでしょ!」
「本来であれば不敬で処罰の対象になりますからね、ルーシ」
2人は本当の姉妹みたいに仲がいいんだ。少しお姉ちゃんのことを思い出してしまう。
「それで実際は何日経過しているんですか?」
「はい、3日です」
み、3日。やばいです。出ないと、でもまだ本屋さんも回ってないし、あああ、どうしよう!
まぁ、予定はあくまでも予定だし、自分ルールからは外れるけどピーちゃんに大きくなってもらって飛んで、少しズルをしよう。
「モモ様がまたあわあわしてて、可愛い。きっと予定とは日程がずれちゃったんですね」
「も、問題ないです! 今日は予定通りに本屋さんを回りたいと思います」
「私はこれから仕事もあるので、ルーシに案内をお願いしています。楽しんできてくださいね。それと出る前にお風呂とご飯なども済ませてくださいね」
確かに髪が少しギトギトしているかも。お父さんにはとても話すことができない。
「モモ様、お背中流しますよ!」
「ズルいですよ、ルーシ!」
「早く仕事行かないと遅刻するよ」
ぐぬぬと、しオールさんはお仕事に行ってしまった。娘さんは預けるところがあるらしく、一緒に連れて行っていくようだ。少し触れ合いたかったな、もちもちのほっぺにおてて。
「お風呂はこっちです!」
「1人で入れるのに」
ルーシさんとお風呂に入った後、急いで朝食を食べて外に出る用意をする。もちろん、幻術はかけ直す。
「本当に普通の人族に見えます」
「そんなことよりも、本屋さんに急ぎますよ!」
「モモ様、やる気ですね」
「モモでいいですので早く行きましょう! 売り切れてしまいます!」
「今日は新刊の発売日でもないし、そう簡単には売り切れないですよー、モモっち!」
モモっち! なんだか新鮮な呼び方です。これがあだ名っていうやつですね。少し感動です。
ルーシさんに案内された本屋さんはシオールさんの家ほどではなかったけど、希望した本を購入することができた。その後も4軒ほど回って購入をした。
ジャンル別に本屋さんの取り扱いもあるらしく、購入しにきた人が選びやすい環境を整えているらしい。
それと、本の価格については思った以上に安くて、値段にも感動してしまった。
「こんなに安い値段で神作品が購入できてよいのでしょうか」
「これも国の努力ってやつですよ。売れて冊数に応じて報奨金も出ますし、紙の値段や印刷技術の発展の賜物ってやつですね。これまで食糧難で本を描くとかどころではなかったんですけど。これもモモ様達のおかげですね」
私ではない、全部お父さんのおかげだ。
そんなことを話したらお父さんは自分のおかげではなくて、種を持ち帰って上手く育てて、頑張ってくれた人達のおかげだと言うに違いない。
「私のおかげなんかではないです。父の功績ですよ、まぁ父は否定するでしょうけどね」
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