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3章
ビクド
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お父さんは勇者様と仲良くやっているだろうか。
休暇の時間が限られているとのことで、薬の完成を見届けて先に出発されてしまった。
本人的にはもう少し残ってもと言う話もあったが薬も完成し、効果も問題なく確認できたことから、ルイさんがこれ以上の迷惑をかけられないと、後押しをされていた。
それと同じく、学校への到着が遅れてしまってはと、私も同じように急かされ旅路へと戻ることになった。
ピーちゃんにお願いして、手紙のやり取りをしていたが病についても無事に沈静化されたことは確認できた。死者は何名か出てしまったようだが最小限に抑えられたと感謝の言葉が記されていた。
実際には勇者様がいなければ薬の作り方もわからなかったし、改めて自分の力不足を痛感した。
ルイさん達と別れたから2週間、遅れた時間を取り戻すために王坂の首都に寄ることはできなかったが、聖国に入って更に5日、目当ての首都が見えてきた。
自分がどのような存在か理解はしているつもりなので、幻術で耳などは隠し、人族と変わらないような姿に変えている。
自分がエルフということが分かれば問題が起きることは重々承知だったけど、それ以上に好奇心が勝ってしまった。 だって、聖国の書物は面白いのだ。
さくらさんからいただいたお古の漫画と言われる書物、エリゼさんと繰り返し読んだりしたけど、とても面白い書物だった。
学校に通うために食パンを齧って、ぶつかった相手が運命の相手や、呪いにかかって王子様のキスで目覚めるなど、少しドキドキしてしまうような内容もあった。
お父さんからお小遣いももらっているので、これを有効活用して新しい書物をゲットするのだ。
このために宿場町などに立ち寄らず節約だってしたんだもん。
「通ってよし」
「ありがとうございます」
ショーンさんから事前にいただいていた通行手形のおかげてすんなりと街に入ることができた。
煌びやかで、石造などの彫刻も多く、華やかな街並みだ。これが首都ビクド、ワクワクしてしまう。
まずは宿を確保して本屋さんを回ろう。いえ、ショーンさんへの挨拶が先でしょうか?
「ショーンきゅんの家になんの用なの?」
「いえ、以前にお世話になったことがあったので、挨拶にと思いまして」
「貴女、会員登録はしていて?」
「会員ですか?」
「一般の方なのね、でもショーンきゅんは立場上、簡単にはお会いできなから、名簿に名前を書いて審査と順番待ちが必要なの」
「どのくらい時間がかかるのでしょうか?」
「今で1ヶ月待ちね」
ショーンきゅんとはどんな愛称なんだろうか。ともかく忙しそうなので改めて手紙だけ出しておこう。
「ソーズ殿にお会いしたい? まずは俺を倒してからにしてもらうか!」
「クックク、この武神会では筋肉こそ正義よ! 小娘、お前の煌めきを見せてみろ」
あれがお父さんの言う変態さんの集まりなんだろうか、急に服を脱げだなんて!
思わず殴り飛ばしてしまった。
2人共に立場上簡単には会えないか。まぁ会えたらいいかなくらいだったし、手紙で立ち寄った感想とまた来ますねと記載しておこう。
どの宿にしようか、滞在するのも2日だけだし安宿でその分は本に回せばコレクションが増やせるかな。
お父さんだったら女の子の一人旅なんだから安全を重視しなさいとか言いそうだけど、お父さんの目もないし、油断さえしなければ負けることもそうそうない。
「その宿は女性が1人で泊まるには向かないですよ」
乳母車を押した、胸の大きな女性。この人は見えているのか?
私の目の前で立ち止まると片膝をついて、挨拶をしてくれた。
「モモ・サイジョウ様、貴女様に拝謁が恐縮です。私はシオール、ソーズの妻と言えばお分かりいただけますでしょうか?」
「ソーズさんの奥さんなんですか」
大仰な挨拶はやめてもらうように両手を取って立ち上がってもらう。
「完璧な幻術だと思ったんですけど、上には上がいますね」
「完璧な幻術ですよ。私の目は少し特殊なんです、神の寵愛を受けた目ですから」
祝福を受けた一族の人ってことなのかな。神様は気まぐれそうだし、気に入った人がいればそんな力を過去に与えているケースもあるのかな。
「そうなんですね、モモと呼んでください。シオールさんとお呼びしても?」
「どうぞ好きに呼んでください。では、私もモモ様と」
敬称はやめてほしいと言われたが、断固拒否されてしまった。最終的には命令と言ったが泣きそうだったので撤回した。
シオールさんが是非にということで、家に泊めてもらうことになった。ソーズさんやショーンさんもお世話になったのだから気にしないでと言われ、宿代も浮くのでお邪魔することにした。
国の最高権力者の夫婦が住むには質素と言ってもいいのではないだろうか、お父さんと住んでいた家と規模的には違いがない。
「我々は神官は国民の寄付で食べさせてもらっている立場ですから、神5になったからと言って贅沢はできません」
「立派な心がけなんですね」
「まぁ全員がそうだって訳でもないのですがね。どうぞ、入ってください」
家の中はお香の良い香りがする。乳母車から可愛らしい赤ちゃんを抱っこして、リビングのベビーベットに寝せ、お茶の用意をしてくるとリビングに行ってしまった。
その間に赤ちゃんを見させてもらう。可愛い。獣人とは違った可愛さが人族の子供にもあるなぁ。
ああ、指を掴んでくれた。ん、手を洗ってなかった! 魔法で浄化だけかけておこう。
「娘の相手をいただいてありがとうございます」
「そんな、私がかまってもらっていただけですよ。可愛いですね」
「ありがとございます」
シオールさんが出してくれたお茶をいただきはするが、うん、微妙。
お父さんのご飯などに慣れてしまうと、舌が肥えてしまってダメだ。
休暇の時間が限られているとのことで、薬の完成を見届けて先に出発されてしまった。
本人的にはもう少し残ってもと言う話もあったが薬も完成し、効果も問題なく確認できたことから、ルイさんがこれ以上の迷惑をかけられないと、後押しをされていた。
それと同じく、学校への到着が遅れてしまってはと、私も同じように急かされ旅路へと戻ることになった。
ピーちゃんにお願いして、手紙のやり取りをしていたが病についても無事に沈静化されたことは確認できた。死者は何名か出てしまったようだが最小限に抑えられたと感謝の言葉が記されていた。
実際には勇者様がいなければ薬の作り方もわからなかったし、改めて自分の力不足を痛感した。
ルイさん達と別れたから2週間、遅れた時間を取り戻すために王坂の首都に寄ることはできなかったが、聖国に入って更に5日、目当ての首都が見えてきた。
自分がどのような存在か理解はしているつもりなので、幻術で耳などは隠し、人族と変わらないような姿に変えている。
自分がエルフということが分かれば問題が起きることは重々承知だったけど、それ以上に好奇心が勝ってしまった。 だって、聖国の書物は面白いのだ。
さくらさんからいただいたお古の漫画と言われる書物、エリゼさんと繰り返し読んだりしたけど、とても面白い書物だった。
学校に通うために食パンを齧って、ぶつかった相手が運命の相手や、呪いにかかって王子様のキスで目覚めるなど、少しドキドキしてしまうような内容もあった。
お父さんからお小遣いももらっているので、これを有効活用して新しい書物をゲットするのだ。
このために宿場町などに立ち寄らず節約だってしたんだもん。
「通ってよし」
「ありがとうございます」
ショーンさんから事前にいただいていた通行手形のおかげてすんなりと街に入ることができた。
煌びやかで、石造などの彫刻も多く、華やかな街並みだ。これが首都ビクド、ワクワクしてしまう。
まずは宿を確保して本屋さんを回ろう。いえ、ショーンさんへの挨拶が先でしょうか?
「ショーンきゅんの家になんの用なの?」
「いえ、以前にお世話になったことがあったので、挨拶にと思いまして」
「貴女、会員登録はしていて?」
「会員ですか?」
「一般の方なのね、でもショーンきゅんは立場上、簡単にはお会いできなから、名簿に名前を書いて審査と順番待ちが必要なの」
「どのくらい時間がかかるのでしょうか?」
「今で1ヶ月待ちね」
ショーンきゅんとはどんな愛称なんだろうか。ともかく忙しそうなので改めて手紙だけ出しておこう。
「ソーズ殿にお会いしたい? まずは俺を倒してからにしてもらうか!」
「クックク、この武神会では筋肉こそ正義よ! 小娘、お前の煌めきを見せてみろ」
あれがお父さんの言う変態さんの集まりなんだろうか、急に服を脱げだなんて!
思わず殴り飛ばしてしまった。
2人共に立場上簡単には会えないか。まぁ会えたらいいかなくらいだったし、手紙で立ち寄った感想とまた来ますねと記載しておこう。
どの宿にしようか、滞在するのも2日だけだし安宿でその分は本に回せばコレクションが増やせるかな。
お父さんだったら女の子の一人旅なんだから安全を重視しなさいとか言いそうだけど、お父さんの目もないし、油断さえしなければ負けることもそうそうない。
「その宿は女性が1人で泊まるには向かないですよ」
乳母車を押した、胸の大きな女性。この人は見えているのか?
私の目の前で立ち止まると片膝をついて、挨拶をしてくれた。
「モモ・サイジョウ様、貴女様に拝謁が恐縮です。私はシオール、ソーズの妻と言えばお分かりいただけますでしょうか?」
「ソーズさんの奥さんなんですか」
大仰な挨拶はやめてもらうように両手を取って立ち上がってもらう。
「完璧な幻術だと思ったんですけど、上には上がいますね」
「完璧な幻術ですよ。私の目は少し特殊なんです、神の寵愛を受けた目ですから」
祝福を受けた一族の人ってことなのかな。神様は気まぐれそうだし、気に入った人がいればそんな力を過去に与えているケースもあるのかな。
「そうなんですね、モモと呼んでください。シオールさんとお呼びしても?」
「どうぞ好きに呼んでください。では、私もモモ様と」
敬称はやめてほしいと言われたが、断固拒否されてしまった。最終的には命令と言ったが泣きそうだったので撤回した。
シオールさんが是非にということで、家に泊めてもらうことになった。ソーズさんやショーンさんもお世話になったのだから気にしないでと言われ、宿代も浮くのでお邪魔することにした。
国の最高権力者の夫婦が住むには質素と言ってもいいのではないだろうか、お父さんと住んでいた家と規模的には違いがない。
「我々は神官は国民の寄付で食べさせてもらっている立場ですから、神5になったからと言って贅沢はできません」
「立派な心がけなんですね」
「まぁ全員がそうだって訳でもないのですがね。どうぞ、入ってください」
家の中はお香の良い香りがする。乳母車から可愛らしい赤ちゃんを抱っこして、リビングのベビーベットに寝せ、お茶の用意をしてくるとリビングに行ってしまった。
その間に赤ちゃんを見させてもらう。可愛い。獣人とは違った可愛さが人族の子供にもあるなぁ。
ああ、指を掴んでくれた。ん、手を洗ってなかった! 魔法で浄化だけかけておこう。
「娘の相手をいただいてありがとうございます」
「そんな、私がかまってもらっていただけですよ。可愛いですね」
「ありがとございます」
シオールさんが出してくれたお茶をいただきはするが、うん、微妙。
お父さんのご飯などに慣れてしまうと、舌が肥えてしまってダメだ。
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