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2章
がすこちゃん
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「はい、今日から少しの間だけど一緒に暮らすことになったガスコちゃんだよ。皆んな、仲良くしてね」
「ガスコ、よろしくな! お姉ちゃんと呼んでもいいぞ!」
こう見えてもガスコもとい、サイゼ様は既に成人年齢なのだが、見た目どうりの年齢でいいか。
「ガスコさんってどこかで会ったことありませんか?」
「モモ、他人の空似だよ!」
「うーん、わかった。そうだね、よろしくお願いしますガスコさん。モモです」
ガスコちゃんの目のハイライトは消え、反応はない。
「ガスコちゃんはちょっと心に傷を負ってしまってね」
「にゃーん」
男に捨てられただけだって、姉さん本当のこと話たらダメですよ!
「男ってガスコさん、大人なんですね」
「なんだモモ? 姉さんの言葉は私、わからないんだよ!」
「お姉ちゃんにはまだ早いですよ」
「お姉ちゃんに早いってどういうこと?」
少し不満そうではあるがモモにお姉ちゃんと呼ばれて上機嫌なエリゼちゃんはそれ以上、詮索することはなかった。
ガスコちゃんを気にしながら皆んなで畑仕事に動物の世話を行っていく。2人のお姉ちゃんがちゃんとフォローしてくれているようで安心した。
姉さんも珍しくちゃんと見守ってくれてるし、大きな問題は起きないだろう。
手が増えたことで、俺のすることは減っているので買取用の料理を作ることに専念する。
あの後にリープさんが謝罪とガスコちゃんを預かるお礼として、果樹園関連のアンロックをしてくれた。ただでくれるって話になったが、姉さんが甘やかさないでいいと、結局アンロックまでで購入はしなければいけなくなった。
ただし、通常価格が100万円のところ50万円と安くしてくれている。お茶畑も30万を10万まで下げてくれた。この機会を生かして早めにお金を作って購入したい。
お昼になると3人娘が戻ってきたので、作っておいた昼食を出す。昼からと思うかもしれないが今日はガスコちゃんが大好きなガーリックステーキだ。
「お父さん、ガスコさんのガーリック少し強くない?」
モモが睨んでくる。嫌がらせとか間違いじゃないんだよ? ガスコちゃんはね、俺と同じでニンニクが大好きなだけなんだよ。
「モモ、大丈夫だ。私はニンニクが好きなんだ。ありがとう悠」
「いえいえ、沢山食べてくださいね」
朝イチよりは少し元気になったかな?
神の世界がどうなっているのかわからないけど、都会? よりもこういう何もない環境なら色々なことをリセットできるだろうさ。
昼ごはんを食べ終わって、モモとエリゼちゃんは勉強、ガスコちゃんは俺のやっている料理を見守っている。
「私も料理をしてみたい」
「じゃあ、やってみますか」
「断られると思った」
そんなことはしない、ガスコちゃんにも何か考えか、思うところがあるんだろう。
まとめて皮剥きなどはしていたけど、新しい野菜を出して皮剥きからしてもらう。
ジャガイモ、にんじん、玉ねぎを切って肉も炒める。隠し味にリンゴをすり下ろした物を少々と水、最後には市販のカレー粉を入れていく。この世界でも再現ができるようになったらいいのにな。
「これって買取用じゃないだろ」
「夕飯用です」
「カレーだなんて基礎的な料理。気をつかってさ」
「カレーの気分だったんですよ」
カレーほどワクワクする料理を俺は知らない。お客さんが来た時はやっぱりこれだよね。
「なんかいい匂いがする!」
エリゼちゃんがリビングから顔を覗かせ、その後にモモが顔を出す。
「これはカレーですよ」
「お姉ちゃんは食べたことない物かな?」
「エリゼさんは食べたことないかもですね。絶対に好きになりますよ」
「お姉ちゃんだろ!」
「エリゼさん」
お姉ちゃんだもんと、エリゼちゃんが騒ぎモモが逃げる。たぶん、風呂に行ったんだろう。
「ガスコちゃんもお風呂を一緒にどうぞ」
「大人のレディーは1人で入るものだ」
「たまにはハメを外してもいいんじゃないですか? カレーは俺がみておきますから」
「ふん」
ふんっとか言って、なんだかんだでお風呂に行ってしまった。
彼女の精神面のリセットに、モモ達との生活が一役買ってくれるといいんだど。
「にゃーん」
姉さんもガスコちゃんのことを気にしているのかと思えば、カレーを大盛りで頼むって、相変わらずマイペースですね。
「わん」
姉さんの後ろから顔出す、大福も何か言っているが、たぶん姉さんと同じ内容だろう。
大盛りのご飯を5つに普通盛りを1つ、ガスコちゃんもどんな胃袋しているのかわからないが、昼のステーキも結局、200グラムを4枚食べたからな。異世界人の腹は本当にどうなっているのやら。
付け合わせのスープとサラダもパパっと作らないとな。我ながら手慣れたもんだ。
女の子がもう1人増える食卓というのは更に華やかでかしましい。
男が俺だけというのは少し寂しい。大福は完全にあっち側だし。
「おかわり!」
「エリゼちゃん、3杯目になるけど」
「まだまだいける!」
「太りますよ」
「モモだって3杯目行こうとしてるだろ!」
「私もおかわりだ!」
ガスコちゃんも競争してるんじゃないんだから。
念のために10合の炊飯器を2つ動かしてるのに、空になりそうなんだけど。
食べる量もすごいけど、日々あれだけ食べてよく太らないよな。嬉しい反面、カレーは出しすぎると財政を圧迫しかねない。
「毎日カレーでもいいな!」
エリゼちゃん、そんなことはないよ。
「ガスコ、よろしくな! お姉ちゃんと呼んでもいいぞ!」
こう見えてもガスコもとい、サイゼ様は既に成人年齢なのだが、見た目どうりの年齢でいいか。
「ガスコさんってどこかで会ったことありませんか?」
「モモ、他人の空似だよ!」
「うーん、わかった。そうだね、よろしくお願いしますガスコさん。モモです」
ガスコちゃんの目のハイライトは消え、反応はない。
「ガスコちゃんはちょっと心に傷を負ってしまってね」
「にゃーん」
男に捨てられただけだって、姉さん本当のこと話たらダメですよ!
「男ってガスコさん、大人なんですね」
「なんだモモ? 姉さんの言葉は私、わからないんだよ!」
「お姉ちゃんにはまだ早いですよ」
「お姉ちゃんに早いってどういうこと?」
少し不満そうではあるがモモにお姉ちゃんと呼ばれて上機嫌なエリゼちゃんはそれ以上、詮索することはなかった。
ガスコちゃんを気にしながら皆んなで畑仕事に動物の世話を行っていく。2人のお姉ちゃんがちゃんとフォローしてくれているようで安心した。
姉さんも珍しくちゃんと見守ってくれてるし、大きな問題は起きないだろう。
手が増えたことで、俺のすることは減っているので買取用の料理を作ることに専念する。
あの後にリープさんが謝罪とガスコちゃんを預かるお礼として、果樹園関連のアンロックをしてくれた。ただでくれるって話になったが、姉さんが甘やかさないでいいと、結局アンロックまでで購入はしなければいけなくなった。
ただし、通常価格が100万円のところ50万円と安くしてくれている。お茶畑も30万を10万まで下げてくれた。この機会を生かして早めにお金を作って購入したい。
お昼になると3人娘が戻ってきたので、作っておいた昼食を出す。昼からと思うかもしれないが今日はガスコちゃんが大好きなガーリックステーキだ。
「お父さん、ガスコさんのガーリック少し強くない?」
モモが睨んでくる。嫌がらせとか間違いじゃないんだよ? ガスコちゃんはね、俺と同じでニンニクが大好きなだけなんだよ。
「モモ、大丈夫だ。私はニンニクが好きなんだ。ありがとう悠」
「いえいえ、沢山食べてくださいね」
朝イチよりは少し元気になったかな?
神の世界がどうなっているのかわからないけど、都会? よりもこういう何もない環境なら色々なことをリセットできるだろうさ。
昼ごはんを食べ終わって、モモとエリゼちゃんは勉強、ガスコちゃんは俺のやっている料理を見守っている。
「私も料理をしてみたい」
「じゃあ、やってみますか」
「断られると思った」
そんなことはしない、ガスコちゃんにも何か考えか、思うところがあるんだろう。
まとめて皮剥きなどはしていたけど、新しい野菜を出して皮剥きからしてもらう。
ジャガイモ、にんじん、玉ねぎを切って肉も炒める。隠し味にリンゴをすり下ろした物を少々と水、最後には市販のカレー粉を入れていく。この世界でも再現ができるようになったらいいのにな。
「これって買取用じゃないだろ」
「夕飯用です」
「カレーだなんて基礎的な料理。気をつかってさ」
「カレーの気分だったんですよ」
カレーほどワクワクする料理を俺は知らない。お客さんが来た時はやっぱりこれだよね。
「なんかいい匂いがする!」
エリゼちゃんがリビングから顔を覗かせ、その後にモモが顔を出す。
「これはカレーですよ」
「お姉ちゃんは食べたことない物かな?」
「エリゼさんは食べたことないかもですね。絶対に好きになりますよ」
「お姉ちゃんだろ!」
「エリゼさん」
お姉ちゃんだもんと、エリゼちゃんが騒ぎモモが逃げる。たぶん、風呂に行ったんだろう。
「ガスコちゃんもお風呂を一緒にどうぞ」
「大人のレディーは1人で入るものだ」
「たまにはハメを外してもいいんじゃないですか? カレーは俺がみておきますから」
「ふん」
ふんっとか言って、なんだかんだでお風呂に行ってしまった。
彼女の精神面のリセットに、モモ達との生活が一役買ってくれるといいんだど。
「にゃーん」
姉さんもガスコちゃんのことを気にしているのかと思えば、カレーを大盛りで頼むって、相変わらずマイペースですね。
「わん」
姉さんの後ろから顔出す、大福も何か言っているが、たぶん姉さんと同じ内容だろう。
大盛りのご飯を5つに普通盛りを1つ、ガスコちゃんもどんな胃袋しているのかわからないが、昼のステーキも結局、200グラムを4枚食べたからな。異世界人の腹は本当にどうなっているのやら。
付け合わせのスープとサラダもパパっと作らないとな。我ながら手慣れたもんだ。
女の子がもう1人増える食卓というのは更に華やかでかしましい。
男が俺だけというのは少し寂しい。大福は完全にあっち側だし。
「おかわり!」
「エリゼちゃん、3杯目になるけど」
「まだまだいける!」
「太りますよ」
「モモだって3杯目行こうとしてるだろ!」
「私もおかわりだ!」
ガスコちゃんも競争してるんじゃないんだから。
念のために10合の炊飯器を2つ動かしてるのに、空になりそうなんだけど。
食べる量もすごいけど、日々あれだけ食べてよく太らないよな。嬉しい反面、カレーは出しすぎると財政を圧迫しかねない。
「毎日カレーでもいいな!」
エリゼちゃん、そんなことはないよ。
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