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米米米米
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「にゃーん」
「姉さんご機嫌ですね」
お米が好きな姉さんは朝からるんるんである。モモは鎌で刈り取るのが楽しいのか今回も麦同様にやる気満々だ。
俺的には腰も痛くなるし、そこまで好きな作業ではないが、モモだけに任せるなんて選択肢はなしので当然、今回も半々で作業を分担する。
麦で鍛え上げられた、モモの動きは非常に洗礼されており、最近の訓練で体の動きのキレが増しているせいか、刈り取る作業をこなすたびに早くなっている気がする。これならどこの農家の嫁に出しても恥ずかしくない。そう簡単にうちの子は出さんけどな!
「お父さん、終わったので、精米器? にどんどん入れていいですか?」
「ああ、頼むよ。袋をそこにセットしたら中に入っていくからさ」
モモにお願いをした後に、懸命に稲の命を刈り取っていき、モモから遅れること1時間、まだ田んぼ横に設置した精米器がごとごとと動いて、米が袋にどんどん入っている。俺の刈った稲もそのままモモが流れ作業で入れてくれたようだ。
結局のところ、モモには助けられてばかりだな。
「にゃーん」
姉さんの言う通り、頼りすぎるのは良くないが、お互いに補う合うのは悪いことではない。種族としての能力の違いもあると、フォローのお言葉をいただいた。
「よく見るお米になりました、こんな風にお米になるんですね」
「そうなんだよ、本来は育てるのももっと大変なんだけどね。なにわともあれ、美味しいおかずでお米を食べようか」
「はい!」
「にゃーん」
家に戻って、用意していた土鍋と七輪を取り出す。
「お父さん、炊飯器は使わないんですか?」
「せっかくの新米だし、できるだけ美味しく食べたいからね」
「にゃーん」
姉さんの要望で土鍋では事前に何度かお米炊きの練習はしてある。土鍋に米を入れて、水に浸してしばし置く。
その間に七輪用の炭を用意して焚き付けをする。
土鍋や七輪で調理するのは何故あんなに美味しくなるのだろうか。手間がかかるのはもちろんだけど、色々な効果があるのかもしれない。
冷蔵庫から最近購入した、漬物壺で漬けた、きゅうり、大根を出す。最近は食卓が家庭菜園で採れたものだけで完結するようになってきた。
漬物だけではなく、安かったので麦茶も作れるようにした。お茶の樽に大麦を入れれば1時間ほどで麦茶になるので、別の容器に入れて愛飲している。モモも最初こそ、麦の香りに困惑していたが今ではお茶を美味しいと飲んでくれている。
お茶の樽をアンロックしたときにお茶シリーズも解放されたので余裕があればこれも作成していきたいと思っている。
準備をしている間にいい時間になったので土鍋に火をつけて、米を炊いていく。魚も焼かないとな。
「モモー」
「はーい」
大福を縁側でモフっていたモモに声をかける。
「外にある七輪で魚焼くのたのめるかな?」
「はい! 任せてください」
最近はモモも日の扱い含めて料理が上手になってきた。全般的に安心して見てられる。
勉強といい、魔法や戦闘訓練、農業、料理とうちの子は天才なのかもしれない。どこの嫁に出しても恥ずかしくない。そう簡単には出さないけどな!
「にゃーん」
「食べ比べですか? いいですね」
姉さんが食べ比べしたいと言うので炊飯器でも米を炊く。あとは追加で味噌汁だ。
煮干しを入れて出汁を取ってから、取り出して姉さんがそれを処理するので、味噌を溶き、豆腐、わかめを入れる。
味噌といえば大豆を収穫した時に【味噌の樽】もアンロックされたが10万円と手が出てない。【納豆の壺】も価格、理由としては同様だ。
うちの家庭菜園では大豆が無事収穫されているが、ガンジュさん達に渡した種は無事収穫できているだろうか?
音沙汰がないので心配ではある。火の鶏、経由でさくらさんに確認をしてもらうのもありかな。
「にゃーん」
「はいはい、もう少しで炊き上がりますからねー」
焼き魚には欠かせない大根をすりすりと擦りおろす。ご機嫌な夕食になってきたぞ、これでだし巻き卵があれば最高だな。鶏も育てたいなぁ。
米と麦という基盤ができたので、俺達の戦いはこれからだ! なんて打ち切りごっこを心の中でしているうちに土鍋がピュー、ピュー、炊飯器もピピピと鳴り始めている。
まずは土鍋を開けてしゃもじで混ぜ込むと、白く艶々とした米粒といい感じのおこげが姿を表す。
「にゃーん」
「姉さん、待ってくださいって。おこげですよね、いいとこは姉さんに出しますから」
モモが既に焼いた魚をスタンバイしてくれている。追加で漬物と味噌汁も並べていき、2種類の茶碗を皆んなにそれぞれ配膳していく。
「にゃーん」
並べ終わると姉さんが速攻でいただきますの号令をかける。
まずは普通にご飯だけを食べて、姉さんが幸せそうな顔をしている。見ているだけで美味そうだ。
俺もまずは土鍋から--うんまい! 甘味? 食感も違うな。炊飯器の方もいいな。
土鍋の方がムラはあるけど香りもいいし、おこげもいい感じだ。炊飯器の方が安定してる感があるな。
「モモ、お米はどうだ。 ジャムよりもいいだろ」
「美味しいです! ジャムはまた別です」
少しからかったら、ほっぺを膨らませていじけられてしまった。可愛いので頭を撫でておいた。
「わん!」
「にゃーん」
「大福も美味いか。そうですね、日本で食ってた米より美味いかもですね。土地の力なのかもですけど、この世界にこれだけで来てよかったかもと思ちゃいますね」
米をセットにした定食の買取価格も上がるといいなー。
「姉さんご機嫌ですね」
お米が好きな姉さんは朝からるんるんである。モモは鎌で刈り取るのが楽しいのか今回も麦同様にやる気満々だ。
俺的には腰も痛くなるし、そこまで好きな作業ではないが、モモだけに任せるなんて選択肢はなしので当然、今回も半々で作業を分担する。
麦で鍛え上げられた、モモの動きは非常に洗礼されており、最近の訓練で体の動きのキレが増しているせいか、刈り取る作業をこなすたびに早くなっている気がする。これならどこの農家の嫁に出しても恥ずかしくない。そう簡単にうちの子は出さんけどな!
「お父さん、終わったので、精米器? にどんどん入れていいですか?」
「ああ、頼むよ。袋をそこにセットしたら中に入っていくからさ」
モモにお願いをした後に、懸命に稲の命を刈り取っていき、モモから遅れること1時間、まだ田んぼ横に設置した精米器がごとごとと動いて、米が袋にどんどん入っている。俺の刈った稲もそのままモモが流れ作業で入れてくれたようだ。
結局のところ、モモには助けられてばかりだな。
「にゃーん」
姉さんの言う通り、頼りすぎるのは良くないが、お互いに補う合うのは悪いことではない。種族としての能力の違いもあると、フォローのお言葉をいただいた。
「よく見るお米になりました、こんな風にお米になるんですね」
「そうなんだよ、本来は育てるのももっと大変なんだけどね。なにわともあれ、美味しいおかずでお米を食べようか」
「はい!」
「にゃーん」
家に戻って、用意していた土鍋と七輪を取り出す。
「お父さん、炊飯器は使わないんですか?」
「せっかくの新米だし、できるだけ美味しく食べたいからね」
「にゃーん」
姉さんの要望で土鍋では事前に何度かお米炊きの練習はしてある。土鍋に米を入れて、水に浸してしばし置く。
その間に七輪用の炭を用意して焚き付けをする。
土鍋や七輪で調理するのは何故あんなに美味しくなるのだろうか。手間がかかるのはもちろんだけど、色々な効果があるのかもしれない。
冷蔵庫から最近購入した、漬物壺で漬けた、きゅうり、大根を出す。最近は食卓が家庭菜園で採れたものだけで完結するようになってきた。
漬物だけではなく、安かったので麦茶も作れるようにした。お茶の樽に大麦を入れれば1時間ほどで麦茶になるので、別の容器に入れて愛飲している。モモも最初こそ、麦の香りに困惑していたが今ではお茶を美味しいと飲んでくれている。
お茶の樽をアンロックしたときにお茶シリーズも解放されたので余裕があればこれも作成していきたいと思っている。
準備をしている間にいい時間になったので土鍋に火をつけて、米を炊いていく。魚も焼かないとな。
「モモー」
「はーい」
大福を縁側でモフっていたモモに声をかける。
「外にある七輪で魚焼くのたのめるかな?」
「はい! 任せてください」
最近はモモも日の扱い含めて料理が上手になってきた。全般的に安心して見てられる。
勉強といい、魔法や戦闘訓練、農業、料理とうちの子は天才なのかもしれない。どこの嫁に出しても恥ずかしくない。そう簡単には出さないけどな!
「にゃーん」
「食べ比べですか? いいですね」
姉さんが食べ比べしたいと言うので炊飯器でも米を炊く。あとは追加で味噌汁だ。
煮干しを入れて出汁を取ってから、取り出して姉さんがそれを処理するので、味噌を溶き、豆腐、わかめを入れる。
味噌といえば大豆を収穫した時に【味噌の樽】もアンロックされたが10万円と手が出てない。【納豆の壺】も価格、理由としては同様だ。
うちの家庭菜園では大豆が無事収穫されているが、ガンジュさん達に渡した種は無事収穫できているだろうか?
音沙汰がないので心配ではある。火の鶏、経由でさくらさんに確認をしてもらうのもありかな。
「にゃーん」
「はいはい、もう少しで炊き上がりますからねー」
焼き魚には欠かせない大根をすりすりと擦りおろす。ご機嫌な夕食になってきたぞ、これでだし巻き卵があれば最高だな。鶏も育てたいなぁ。
米と麦という基盤ができたので、俺達の戦いはこれからだ! なんて打ち切りごっこを心の中でしているうちに土鍋がピュー、ピュー、炊飯器もピピピと鳴り始めている。
まずは土鍋を開けてしゃもじで混ぜ込むと、白く艶々とした米粒といい感じのおこげが姿を表す。
「にゃーん」
「姉さん、待ってくださいって。おこげですよね、いいとこは姉さんに出しますから」
モモが既に焼いた魚をスタンバイしてくれている。追加で漬物と味噌汁も並べていき、2種類の茶碗を皆んなにそれぞれ配膳していく。
「にゃーん」
並べ終わると姉さんが速攻でいただきますの号令をかける。
まずは普通にご飯だけを食べて、姉さんが幸せそうな顔をしている。見ているだけで美味そうだ。
俺もまずは土鍋から--うんまい! 甘味? 食感も違うな。炊飯器の方もいいな。
土鍋の方がムラはあるけど香りもいいし、おこげもいい感じだ。炊飯器の方が安定してる感があるな。
「モモ、お米はどうだ。 ジャムよりもいいだろ」
「美味しいです! ジャムはまた別です」
少しからかったら、ほっぺを膨らませていじけられてしまった。可愛いので頭を撫でておいた。
「わん!」
「にゃーん」
「大福も美味いか。そうですね、日本で食ってた米より美味いかもですね。土地の力なのかもですけど、この世界にこれだけで来てよかったかもと思ちゃいますね」
米をセットにした定食の買取価格も上がるといいなー。
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