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第一章
作戦会議
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話が終わると、団長とイチキは宿に戻っていった。
二人が帰った後マーヤさんは
「ちょっと待ってろ」
と言って受付奥に引っ込んで、プリンを二つ持って帰ってきた。
「一緒に食べよう」
「え、いいの?」
「ああ」
久しぶりにマーヤさんの好きなプリンを食べた。
しかも本人の許可を得て。
このプリンはちょっと遠出しないと買えないからなかなか食べさせてくれないのだ。
昔は勝手に盗み食いしてたけど。
「こういうことに取り組んでいる時のお前は本当に立派なんだけどな」
マーヤさんが残念そうに言った。
「なんでそんな顔するのさ」
「人を幸せにすることだけをやるわけにはいかないのか?」
俺は頷いた。
「俺は人の笑顔を見るの大好きだし、感謝されるのも大好きだよ。でも俺は普通の人間だ。聖人なんかじゃない。だから人の不幸を見て幸せを感じることもできる。人の不幸は蜜の味ってね。人を幸せにする行為と不幸にする行為、どちらか一方に偏ると俺は不安になるんだ。自分の心に正直でいられてるのかって。俺は自分の幸せをなにより大事に考えてる。自分に正直に生きたいって思ってる。だから善行だろうが悪行だろうが、俺がやりたいことをやるんだ」
「……その考えは、きっとそのうち変わるさ。もっと多くの人間と関わることでな」
「どうだろうね」
俺は生返事した。
次の日。
俺は調査団が泊ってる宿に向かった。
場所は昨日団長に教えてもらった。
「なんかあったら俺たちはそこに泊まってるから訪ねてこい」
って言ってた。
多分あの人たちは今、どうやって調査を進めるか作戦会議をしている。
そこに交ぜてもらいたいのだ。
宿に着いた。
流石調査団。
いいとこ泊ってる。
受付の人に事情を話して部屋を教えてもらった。
団長が俺のことを話してくれていたみたいで、すんなり通してくれた。
部屋のドアのノックすると、中から団長の不機嫌そうな返事が聞こえてきた。
あんまり作戦会議は上手くいってないのだろう。
「失礼しまーす」
お高い宿ということもあり部屋は結構広いのだが、流石に十人くらいいれば窮屈だ。
せっかく綺麗な部屋なのに、むさ苦しい空間と化していた。
入ってきた俺の顔を見て、団長は驚きを顔に浮かべた。
「おぉどうしたシラネ。昨日の今日でなんかあったのか?」
「いや、ちょっと考えたんだけど俺もあの隠しダンジョンの調査に加えてくれないかなって思って」
調査団の面々が一斉に俺のことを睨んだ。
俺はこの人たちにあんまり好かれてない。
というか普通に嫌われてる。
友好的に接してくれるのは団長とイチキくらいだ。
「……とりあえず理由を聞かせてもらおうか。なぜ調査に加わりたい?」
団長は真剣な顔で訊いてきた。
俺も真面目な顔をして答える。
「昨日の話の続きだよ。黙って待ってるのは性に合わない。あのダンジョンに出るモンスターの素材なら高く売れる。だから調査に協力する代わりに、調査中の俺の活躍に応じて報酬が欲しいんだ。それを費用に充てたい」
副団長が鼻を鳴らした。
「そんなこと言って、また調査の邪魔するつもりなんだろう」
俺はため息をついた。
「副団長さんってば、まだあの時のこと怒ってんの?」
「当たり前だ! 我々が得るはずだった数々の宝を横取りされたんだからな!」
「横取りって……。俺の方が先に見つけて回収したってだけじゃん。そもそも俺がいなきゃあの場所を見つけることもできてないのに。心が狭いよ」
「なんだとこのッ!」
「まあまあ落ち着け」
団長が副団長を宥めた。
副団長が言ってるのは、俺がガキの頃にあった出来事だ。
まだ正式に冒険者になる前、俺は勝手にダンジョンに入って遊んでいた。
冒険者や調査団じゃない人は、護衛なしでダンジョンに入ることを基本的に禁止されてるんだけど、俺はこっそり入ってた。
ある日、ダンジョン内に異変が起きたりしてないか定期調査に来ていた調査団に鉢合わせた。
俺はもちろん逃げて、調査団の人たちは俺を追いかけた。
「あ、こら! 待ちなさい!」
「嫌でーす!」
本来入っちゃいけないところなのだから追いかけられて当然だ。
そして俺は逃げる過程でたまたま隠しダンジョンを発見して、そこに逃げ込んだ。
調査団も俺の後を追ってダンジョンに突入してきた。
そこからはもうずっと追いかけっこだ。
俺は必死に逃げながら宝を見つけるたびに回収した。
調査団は俺の後を追うばかりで全然宝を手に入れることができなかった、ということがあったのだ。
そんで、副団長はまだそのことを根に持っているようだ。
まぁその後も何回かいざこざがあったから嫌われていても仕方ないところはあるのだが。
「もういい加減水に流してくださいよ。俺も悪かったですって」
「俺もってなんだ! こっちにも非があるみたいじゃないか!」
副団長は心底俺のことを嫌っている。
面倒だな。
俺は団長をちらりと見た。
目が合った団長はめんどくさそうにため息をついた。
「いいから落ち着け。今は思い出話に花を咲かしている場合じゃない。……いいかシラネ。ダンジョンの調査には資格がいる。これのことだ」
団長は身分証……調査団員であることを証明するライセンスを取り出した。
「ライセンスが必要なことくらい知ってるよ。そして例外があることも知ってる。団長、俺に仮免発行してよ」
調査団というのは、Aランク以上の冒険者の中でも上澄みの上澄みの中から選ばれた者たちで構成されている。
つまり調査団の連中は全員ライセンスを与えられた元冒険者なのだ。
それがどうやって選ばれるのか説明しよう。
まず調査団員のうちの三人から推薦を貰う。
それを踏まえて団長が判断し、認められれば仮免が与えられる。
そこから研修がある。
で、一定の期間研修したら晴れて正式なライセンスを与えられるって感じだったと記憶してる。
「ほう、制度はある程度知ってんのか。じゃあ挙手でも募ってみるか?」
団長は冗談っぽくそう言って
「シラネを推薦してもいいよって奴」
と、一同に問いかけた。
手を挙げたのは団長自身とイチキの二人だった。
あと一人足りない。
団長が俺の顔を見てくる。
「さて、どうするシラネ?」
「んー。……俺が来る前、作戦会議してたんですよね。首尾はどうですか?」
俺が突然そんな質問をしたことで団長は一瞬固まったが、すぐに答えてくれた。
「あまり芳しくないな。今回調査メンバーの構成はバランス型で来てるんだが、モンスターに奇襲された時、ほら昨日話した妖狐と雪熊とカウボーイに同時に出くわしたってやつだ。あの時に前衛の奴が二人負傷した。幸いそこまで大事にはならなかったが、まぁ数日待機させるつもりだ。その穴をどう埋めるかってことが重要になる。あとは回復役とか後方支援とかの奴ばっかりで、今のままじゃ前に立って戦うのが俺と副団長だけってことになるからな」
「そういうことならちょうどいい。俺が怪我したお二人さんの代役務めますよ」
「そう言い出すだろうと思った。正直それはありがたい申し出ではある。応援を呼ぶって手もあるが、金がかかるしお偉いさんに小言言われるしな。俺としては是非とも受けたい話だ。だが」
団長は副団長を横目でちらっと見た。
「仮免許も持っていない者を同行させるわけにはいきませんよ」
副団長は案の定、突っぱねた。
団長は口元を隠すように顎に手をやった。
「さてどうしたものか。……よし。ここはいっちょ実戦といこう。シラネがうちの団員と戦って勝ったら、負けた奴がシラネのことを推薦しろ。それで三人揃うから仮免を与えられる。シラネが負けたらまた別の作戦を考える。それでいいな」
調査団員たちは無言で頷いた。
団長がまた挙手を募る。
「じゃあ、誰か戦いたい人~」
「では私が」
すぐに副団長がピーンと手を挙げた。
「決まりだな」
団長が俺にニヤリとしてきた。
「そっすね。そうと決まれば早くやりましょう」
俺はまくし立てるように早口で答えた。
二人が帰った後マーヤさんは
「ちょっと待ってろ」
と言って受付奥に引っ込んで、プリンを二つ持って帰ってきた。
「一緒に食べよう」
「え、いいの?」
「ああ」
久しぶりにマーヤさんの好きなプリンを食べた。
しかも本人の許可を得て。
このプリンはちょっと遠出しないと買えないからなかなか食べさせてくれないのだ。
昔は勝手に盗み食いしてたけど。
「こういうことに取り組んでいる時のお前は本当に立派なんだけどな」
マーヤさんが残念そうに言った。
「なんでそんな顔するのさ」
「人を幸せにすることだけをやるわけにはいかないのか?」
俺は頷いた。
「俺は人の笑顔を見るの大好きだし、感謝されるのも大好きだよ。でも俺は普通の人間だ。聖人なんかじゃない。だから人の不幸を見て幸せを感じることもできる。人の不幸は蜜の味ってね。人を幸せにする行為と不幸にする行為、どちらか一方に偏ると俺は不安になるんだ。自分の心に正直でいられてるのかって。俺は自分の幸せをなにより大事に考えてる。自分に正直に生きたいって思ってる。だから善行だろうが悪行だろうが、俺がやりたいことをやるんだ」
「……その考えは、きっとそのうち変わるさ。もっと多くの人間と関わることでな」
「どうだろうね」
俺は生返事した。
次の日。
俺は調査団が泊ってる宿に向かった。
場所は昨日団長に教えてもらった。
「なんかあったら俺たちはそこに泊まってるから訪ねてこい」
って言ってた。
多分あの人たちは今、どうやって調査を進めるか作戦会議をしている。
そこに交ぜてもらいたいのだ。
宿に着いた。
流石調査団。
いいとこ泊ってる。
受付の人に事情を話して部屋を教えてもらった。
団長が俺のことを話してくれていたみたいで、すんなり通してくれた。
部屋のドアのノックすると、中から団長の不機嫌そうな返事が聞こえてきた。
あんまり作戦会議は上手くいってないのだろう。
「失礼しまーす」
お高い宿ということもあり部屋は結構広いのだが、流石に十人くらいいれば窮屈だ。
せっかく綺麗な部屋なのに、むさ苦しい空間と化していた。
入ってきた俺の顔を見て、団長は驚きを顔に浮かべた。
「おぉどうしたシラネ。昨日の今日でなんかあったのか?」
「いや、ちょっと考えたんだけど俺もあの隠しダンジョンの調査に加えてくれないかなって思って」
調査団の面々が一斉に俺のことを睨んだ。
俺はこの人たちにあんまり好かれてない。
というか普通に嫌われてる。
友好的に接してくれるのは団長とイチキくらいだ。
「……とりあえず理由を聞かせてもらおうか。なぜ調査に加わりたい?」
団長は真剣な顔で訊いてきた。
俺も真面目な顔をして答える。
「昨日の話の続きだよ。黙って待ってるのは性に合わない。あのダンジョンに出るモンスターの素材なら高く売れる。だから調査に協力する代わりに、調査中の俺の活躍に応じて報酬が欲しいんだ。それを費用に充てたい」
副団長が鼻を鳴らした。
「そんなこと言って、また調査の邪魔するつもりなんだろう」
俺はため息をついた。
「副団長さんってば、まだあの時のこと怒ってんの?」
「当たり前だ! 我々が得るはずだった数々の宝を横取りされたんだからな!」
「横取りって……。俺の方が先に見つけて回収したってだけじゃん。そもそも俺がいなきゃあの場所を見つけることもできてないのに。心が狭いよ」
「なんだとこのッ!」
「まあまあ落ち着け」
団長が副団長を宥めた。
副団長が言ってるのは、俺がガキの頃にあった出来事だ。
まだ正式に冒険者になる前、俺は勝手にダンジョンに入って遊んでいた。
冒険者や調査団じゃない人は、護衛なしでダンジョンに入ることを基本的に禁止されてるんだけど、俺はこっそり入ってた。
ある日、ダンジョン内に異変が起きたりしてないか定期調査に来ていた調査団に鉢合わせた。
俺はもちろん逃げて、調査団の人たちは俺を追いかけた。
「あ、こら! 待ちなさい!」
「嫌でーす!」
本来入っちゃいけないところなのだから追いかけられて当然だ。
そして俺は逃げる過程でたまたま隠しダンジョンを発見して、そこに逃げ込んだ。
調査団も俺の後を追ってダンジョンに突入してきた。
そこからはもうずっと追いかけっこだ。
俺は必死に逃げながら宝を見つけるたびに回収した。
調査団は俺の後を追うばかりで全然宝を手に入れることができなかった、ということがあったのだ。
そんで、副団長はまだそのことを根に持っているようだ。
まぁその後も何回かいざこざがあったから嫌われていても仕方ないところはあるのだが。
「もういい加減水に流してくださいよ。俺も悪かったですって」
「俺もってなんだ! こっちにも非があるみたいじゃないか!」
副団長は心底俺のことを嫌っている。
面倒だな。
俺は団長をちらりと見た。
目が合った団長はめんどくさそうにため息をついた。
「いいから落ち着け。今は思い出話に花を咲かしている場合じゃない。……いいかシラネ。ダンジョンの調査には資格がいる。これのことだ」
団長は身分証……調査団員であることを証明するライセンスを取り出した。
「ライセンスが必要なことくらい知ってるよ。そして例外があることも知ってる。団長、俺に仮免発行してよ」
調査団というのは、Aランク以上の冒険者の中でも上澄みの上澄みの中から選ばれた者たちで構成されている。
つまり調査団の連中は全員ライセンスを与えられた元冒険者なのだ。
それがどうやって選ばれるのか説明しよう。
まず調査団員のうちの三人から推薦を貰う。
それを踏まえて団長が判断し、認められれば仮免が与えられる。
そこから研修がある。
で、一定の期間研修したら晴れて正式なライセンスを与えられるって感じだったと記憶してる。
「ほう、制度はある程度知ってんのか。じゃあ挙手でも募ってみるか?」
団長は冗談っぽくそう言って
「シラネを推薦してもいいよって奴」
と、一同に問いかけた。
手を挙げたのは団長自身とイチキの二人だった。
あと一人足りない。
団長が俺の顔を見てくる。
「さて、どうするシラネ?」
「んー。……俺が来る前、作戦会議してたんですよね。首尾はどうですか?」
俺が突然そんな質問をしたことで団長は一瞬固まったが、すぐに答えてくれた。
「あまり芳しくないな。今回調査メンバーの構成はバランス型で来てるんだが、モンスターに奇襲された時、ほら昨日話した妖狐と雪熊とカウボーイに同時に出くわしたってやつだ。あの時に前衛の奴が二人負傷した。幸いそこまで大事にはならなかったが、まぁ数日待機させるつもりだ。その穴をどう埋めるかってことが重要になる。あとは回復役とか後方支援とかの奴ばっかりで、今のままじゃ前に立って戦うのが俺と副団長だけってことになるからな」
「そういうことならちょうどいい。俺が怪我したお二人さんの代役務めますよ」
「そう言い出すだろうと思った。正直それはありがたい申し出ではある。応援を呼ぶって手もあるが、金がかかるしお偉いさんに小言言われるしな。俺としては是非とも受けたい話だ。だが」
団長は副団長を横目でちらっと見た。
「仮免許も持っていない者を同行させるわけにはいきませんよ」
副団長は案の定、突っぱねた。
団長は口元を隠すように顎に手をやった。
「さてどうしたものか。……よし。ここはいっちょ実戦といこう。シラネがうちの団員と戦って勝ったら、負けた奴がシラネのことを推薦しろ。それで三人揃うから仮免を与えられる。シラネが負けたらまた別の作戦を考える。それでいいな」
調査団員たちは無言で頷いた。
団長がまた挙手を募る。
「じゃあ、誰か戦いたい人~」
「では私が」
すぐに副団長がピーンと手を挙げた。
「決まりだな」
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