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ひよこ鑑定士になりたい
お買い物
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夜通し歩いて辿り着いたのは小さな町でした。
知らない町です。
なんだかんだそこそこのお金はあるので、必要なものを調達しようと思い、立ち寄ることにしました。
旅なんてしたことがないので何を買い足せばいいのかよく分からなかったのですが、ロミさんから貰った手紙には
「足を労わってください。足に何かあればとても不便な思いをすることになります」
と書いてあったので、運動用の靴を買うことにしました。
それと靴下も買い足します。
昨晩ひたすら歩いて気がついたことですが、長距離を歩いていると靴の中が蒸れてマメができてしまったりします。
実際大物ができてしまいました。
定期的に靴下を履き替えることが大切なようです。
それと、私はかなり運動不足です。
すっかり筋肉痛になってしまいました。
なので、マメを治す魔法薬と筋肉痛を治す魔法薬があればそれも買い求めようと思います。
ロミさんは節約するように手紙に書いてくれていましたが、これは必需品であると考えます。
無駄遣いではないはずです。
幸運なことに、この町には私が求めていたものが揃っていました。
マメを治す薬、というか傷全般に効果がある薬、通称キズナオール。
筋肉痛を治す薬、通称プロテイン。
それと靴下を三足と運動靴を買いました。
運動靴はちょっと奮発してお高いものを選びました。
キズナオールは塗り薬で、プロテインは飲み薬でした。
私はお買い物を済ませた後、人気のない公園のベンチに腰を掛けて、バウワウは私の隣にちょこんと座りました。
さっそくお薬を使ってみます。
まずはキズナオールからです。
ぬりぬり。
「にぇー……。なんかヤな臭い」
バウワウがそっと離れていきました。
私は効果を確認するべく、じっとマメのある足裏を見つめていました。
そして驚きました。
みるみるうちにマメが治っていきます。
「おぉ……。すごい。ねぇ見て、すごいよバウワウ。すっかり治っちゃった」
バウワウは首を横に振っていました。
余程キズナオールの臭いが苦手らしいです。
「プロテインの方も試してみなよ」
バウワウに促され、私はプロテインを飲んでみることにしました。
「ゴクゴク……ぷはぁ! おいしい! なんだか元気と筋肉がみなぎってきた!」
「筋肉がみなぎるってどういうことだよ……。まぁ効果がありそうで良かったね」
「これはとてもいいお薬よ。バウワウも飲む?」
「遠慮しとく。それにしても、これからどうするの? 具体的に何か考えがある?」
バウワウがこれからの流れを訊いてきました。
私は頭の中を整理する意味でもバウワウに説明することにしました。
「そうねぇ……。今の目標はデンジャラ熱帯林にあるメェヨクナールを手に入れること」
「そうだね。そのためには?」
「そもそも熱帯林に行く方法を見つけなければいけない。そしてあの場所はサン大陸にあるから、まず海を越えなければならないわね」
「どうするつもり? 船で行くの?」
「資金には限りがあるし、なるべく節約したいのだけれど……。どうしようかしら」
「誰かに訊くべきだろうね。もしくは図書館とかで調べるとか」
「図書館でいきましょう」
「やっぱり人に話しかける選択を避けるねぇ。そんなんでこの先大丈夫? 練習だと思って誰かに訊いてみなよ」
「図書館で調べて分からなそうだったら人に訊くわ」
「消極的だね。これから旅をするつもりなら人と関わることは避けられないよ。逃げの姿勢は良くないと思うけどな」
「意地悪なこと言わないで。必要に迫られたら頑張るわよ」
「夏休みの宿題じゃないんだからさ……。まぁいいけど。じゃあ図書館に向かおうか」
ということで、私たちはこの町の図書館で調べ物をすることにしました。
知らない町です。
なんだかんだそこそこのお金はあるので、必要なものを調達しようと思い、立ち寄ることにしました。
旅なんてしたことがないので何を買い足せばいいのかよく分からなかったのですが、ロミさんから貰った手紙には
「足を労わってください。足に何かあればとても不便な思いをすることになります」
と書いてあったので、運動用の靴を買うことにしました。
それと靴下も買い足します。
昨晩ひたすら歩いて気がついたことですが、長距離を歩いていると靴の中が蒸れてマメができてしまったりします。
実際大物ができてしまいました。
定期的に靴下を履き替えることが大切なようです。
それと、私はかなり運動不足です。
すっかり筋肉痛になってしまいました。
なので、マメを治す魔法薬と筋肉痛を治す魔法薬があればそれも買い求めようと思います。
ロミさんは節約するように手紙に書いてくれていましたが、これは必需品であると考えます。
無駄遣いではないはずです。
幸運なことに、この町には私が求めていたものが揃っていました。
マメを治す薬、というか傷全般に効果がある薬、通称キズナオール。
筋肉痛を治す薬、通称プロテイン。
それと靴下を三足と運動靴を買いました。
運動靴はちょっと奮発してお高いものを選びました。
キズナオールは塗り薬で、プロテインは飲み薬でした。
私はお買い物を済ませた後、人気のない公園のベンチに腰を掛けて、バウワウは私の隣にちょこんと座りました。
さっそくお薬を使ってみます。
まずはキズナオールからです。
ぬりぬり。
「にぇー……。なんかヤな臭い」
バウワウがそっと離れていきました。
私は効果を確認するべく、じっとマメのある足裏を見つめていました。
そして驚きました。
みるみるうちにマメが治っていきます。
「おぉ……。すごい。ねぇ見て、すごいよバウワウ。すっかり治っちゃった」
バウワウは首を横に振っていました。
余程キズナオールの臭いが苦手らしいです。
「プロテインの方も試してみなよ」
バウワウに促され、私はプロテインを飲んでみることにしました。
「ゴクゴク……ぷはぁ! おいしい! なんだか元気と筋肉がみなぎってきた!」
「筋肉がみなぎるってどういうことだよ……。まぁ効果がありそうで良かったね」
「これはとてもいいお薬よ。バウワウも飲む?」
「遠慮しとく。それにしても、これからどうするの? 具体的に何か考えがある?」
バウワウがこれからの流れを訊いてきました。
私は頭の中を整理する意味でもバウワウに説明することにしました。
「そうねぇ……。今の目標はデンジャラ熱帯林にあるメェヨクナールを手に入れること」
「そうだね。そのためには?」
「そもそも熱帯林に行く方法を見つけなければいけない。そしてあの場所はサン大陸にあるから、まず海を越えなければならないわね」
「どうするつもり? 船で行くの?」
「資金には限りがあるし、なるべく節約したいのだけれど……。どうしようかしら」
「誰かに訊くべきだろうね。もしくは図書館とかで調べるとか」
「図書館でいきましょう」
「やっぱり人に話しかける選択を避けるねぇ。そんなんでこの先大丈夫? 練習だと思って誰かに訊いてみなよ」
「図書館で調べて分からなそうだったら人に訊くわ」
「消極的だね。これから旅をするつもりなら人と関わることは避けられないよ。逃げの姿勢は良くないと思うけどな」
「意地悪なこと言わないで。必要に迫られたら頑張るわよ」
「夏休みの宿題じゃないんだからさ……。まぁいいけど。じゃあ図書館に向かおうか」
ということで、私たちはこの町の図書館で調べ物をすることにしました。
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