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ひよこ鑑定士になりたい

親子丼

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 取り調べは続きます。
ポは何度でも私に同じことを質問し、私は何度でも同じことを答えました。

私は内心すごくイライラしていましたが、気が弱い淑女ですので面と向かって抗議することはできません。
オドオドしながら貧乏ゆすりをしていました。

そして思いつきました。
ポの心を読んだらいい感じに状況を打開できるのではないか、と。

当時の私は相手の心を読むということをあまり積極的にしなかったのですが、この時は仕方なく心を読むことにしました。

私がなぜ心を読むことに消極的だったのかについてはまた今度語るとして、今はポの心を読んだ結果分かったことについて話しましょう。

ポは良くも悪くも表裏のない人間だったようです。
心の中でもため息をついていました。

「はぁ。さっさと自白しやがれよ。こんなことに時間割きたくないんだよ。……仕方ない。アレでいくか」
と心の中で言うと、立ち上がりました。

「ちょっと待っていてください」
私に向かって声に出してそう言うと、ポは取り調べ室を出て行きました。

そして何かを持って帰ってきました。
ポは私にそれを差し出して言いました。
「本当はカツ丼を持ってこようと思ったんだけど、無かったから親子丼です。まぁ食べなさい。ほら遠慮せずに」
ポは優しく微笑んでいます。

私は信用ならずにポの心を読みました。
その結果、自白剤などが仕込まれている心配は無いということが分かりました。

私はそれでも訝しみましたが、お腹が空いていたのでゆっくりと食べ始めました。
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