2 / 18
ひよこ鑑定士になりたい
相棒
しおりを挟む
私はアルマです。
現在の立場は聖女です。
ではその聖女とは一体何をする人なのでしょうか。
この世界での聖女の役割は、人々を正しい方向に導くことです。
ふわっとしてますね。
もう少し詳しく言うと、聖女には特別な力があります。
むしろ特別な力を持って生まれたからこそ聖女に選ばれると言った方が正しいかもしれません。
聡明な読者の皆様におかれましては、既にお察しになられていることだとは存じますが、聖女の一人である私にも例に漏れず特別な力があるわけです。
私が生まれ持った能力、それは相手の心を読むことです。
対象は人に限りません。
動物はもちろん、場合によっては植物の心を読むこともできたりします。
植物に関しては樹齢が百年を超えた大木とかじゃないと無理ですけど。
若いのは無理です。
さて、そんな私には相棒がいます。
彼の名前はバウワウ。
黒猫です。
道端でへたばっていた彼を私が拾ったのです。
拾ったその時は猫を飼う余裕なんてないと教会の人に怒られるかと思ったのですが、実際教会に連れ帰ってみると、教会の人たちは私の行動を称賛しました。
聖女というのは好感度で成り立っているような職業なので、このような性格がいい感じのエピソードは教会の人たち的にも大歓迎なのだそうです。
ところで私は今、自室の机に座っています。
そしてバウワウは出窓の窓枠で体を丸めて日向ぼっこをしています。
「バウワウ」
私が声を掛けると、バウワウは億劫そうに眼を開けてこちらを見ました。
「なに?」
バウワウは心の中の声で訊いてきました。
「私、ひよこ鑑定士になりたい」
「うん。最近毎日そんなこと言ってるね」
バウワウは心の中で呆れたようにそう言いました。
「最近急に思い始めたことじゃないの。私は小さい頃からひよこ鑑定士になりたかったのよ」
「ふーん。一体なにがきっかけなのさ?」
「聞きたい?」
「あ、やっぱ興味な」
「あれは私がまだ聖女になる前のこと……」
「あぁ勝手に始まっちゃったよめんどくさいな」
私はバウワウに、ひよこ鑑定士を夢として定めることになった出来事を話し始めました。
現在の立場は聖女です。
ではその聖女とは一体何をする人なのでしょうか。
この世界での聖女の役割は、人々を正しい方向に導くことです。
ふわっとしてますね。
もう少し詳しく言うと、聖女には特別な力があります。
むしろ特別な力を持って生まれたからこそ聖女に選ばれると言った方が正しいかもしれません。
聡明な読者の皆様におかれましては、既にお察しになられていることだとは存じますが、聖女の一人である私にも例に漏れず特別な力があるわけです。
私が生まれ持った能力、それは相手の心を読むことです。
対象は人に限りません。
動物はもちろん、場合によっては植物の心を読むこともできたりします。
植物に関しては樹齢が百年を超えた大木とかじゃないと無理ですけど。
若いのは無理です。
さて、そんな私には相棒がいます。
彼の名前はバウワウ。
黒猫です。
道端でへたばっていた彼を私が拾ったのです。
拾ったその時は猫を飼う余裕なんてないと教会の人に怒られるかと思ったのですが、実際教会に連れ帰ってみると、教会の人たちは私の行動を称賛しました。
聖女というのは好感度で成り立っているような職業なので、このような性格がいい感じのエピソードは教会の人たち的にも大歓迎なのだそうです。
ところで私は今、自室の机に座っています。
そしてバウワウは出窓の窓枠で体を丸めて日向ぼっこをしています。
「バウワウ」
私が声を掛けると、バウワウは億劫そうに眼を開けてこちらを見ました。
「なに?」
バウワウは心の中の声で訊いてきました。
「私、ひよこ鑑定士になりたい」
「うん。最近毎日そんなこと言ってるね」
バウワウは心の中で呆れたようにそう言いました。
「最近急に思い始めたことじゃないの。私は小さい頃からひよこ鑑定士になりたかったのよ」
「ふーん。一体なにがきっかけなのさ?」
「聞きたい?」
「あ、やっぱ興味な」
「あれは私がまだ聖女になる前のこと……」
「あぁ勝手に始まっちゃったよめんどくさいな」
私はバウワウに、ひよこ鑑定士を夢として定めることになった出来事を話し始めました。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星井柚乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
私は聖女(ヒロイン)のおまけ
音無砂月
ファンタジー
ある日突然、異世界に召喚された二人の少女
100年前、異世界に召喚された聖女の手によって魔王を封印し、アルガシュカル国の危機は救われたが100年経った今、再び魔王の封印が解かれかけている。その為に呼ばれた二人の少女
しかし、聖女は一人。聖女と同じ色彩を持つヒナコ・ハヤカワを聖女候補として考えるアルガシュカルだが念のため、ミズキ・カナエも聖女として扱う。内気で何も自分で決められないヒナコを支えながらミズキは何とか元の世界に帰れないか方法を探す。
【完結】薔薇の花をあなたに贈ります
彩華(あやはな)
恋愛
レティシアは階段から落ちた。
目を覚ますと、何かがおかしかった。それは婚約者である殿下を覚えていなかったのだ。
ロベルトは、レティシアとの婚約解消になり、聖女ミランダとの婚約することになる。
たが、それに違和感を抱くようになる。
ロベルト殿下視点がおもになります。
前作を多少引きずってはいますが、今回は暗くはないです!!
11話完結です。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる