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狐酔酒が僕に訊いてきた。
「そういや、佐々木はどっかゴールを決めて歩いてんのか?」
「適当に歩いてるだけで目的地は別にないよ。あ、でも散歩が終わったら旅館に行く」
「旅館? なんで? 泊まるのか?」
「いや、朝まで歩くつもりだし泊まりに行くわけじゃないよ。温泉に入ろうと思って」
「へぇー。朝風呂か。いいわね」
妖風が相槌を打ってから訊いてきた。
「どこの旅館?」
「えーっと。名前は忘れたんだけど、保護者の知り合いがやってるとこ」
「保護者?」
妖風は首を傾げた。
僕は訂正した。
「間違えた。父親のことだよ」
もっというと、僕たちのことを誘拐した人のことだけど。
「ふーん。ってか佐々木って何人家族なの?」
妖風は更に質問してきた。
「7人家族」
「多いわね。えーっと、じゃあ兄弟は5人いるってこと?」
「いや、4人兄弟だよ。それに両親を加えて6人でしょ。あとはじいちゃんと一緒に暮らしてて、ばあちゃんはいないから7人家族」
「なるほどね。あ、そういえば小野寺も4人兄弟って言ってなかったっけ? ……小野寺?」
妖風の呼びかけにけいは答えなかった。
不思議に思ってスマホを耳に近づけてみると、小さく寝息が聞こえてきた。
どうやらけいはいつの間にか寝落ちしていたようだ。
僕は通話を切った。
「寝ちゃったみたい」
「もうかなり遅い時間だしねぇ。あれ、ってか今何時?」
栗原が訊いてきた。
「そろそろ1時になるね」
僕はスマホの画面を見て答えた。
「え、嘘」
妖風が驚いた様子で僕のスマホを覗き込んできた。
「うわ、マジじゃん。ちょっとお喋りに夢中になりすぎたかも」
「んー。でもさぁ、せっかくだしもうちょっとみんなで歩かない?」
栗原がそう言って、狐酔酒が賛同した。
「普段こんなメンツで集まることないしな」
「ねぇ緋彗。ちょっと遠回りして帰ろうよ」
栗原の提案に、妖風は少し考えた後
「そうしよっか」
と同意した。
ということで、もうしばらくの間4人で散歩することになった。
「そういや、佐々木はどっかゴールを決めて歩いてんのか?」
「適当に歩いてるだけで目的地は別にないよ。あ、でも散歩が終わったら旅館に行く」
「旅館? なんで? 泊まるのか?」
「いや、朝まで歩くつもりだし泊まりに行くわけじゃないよ。温泉に入ろうと思って」
「へぇー。朝風呂か。いいわね」
妖風が相槌を打ってから訊いてきた。
「どこの旅館?」
「えーっと。名前は忘れたんだけど、保護者の知り合いがやってるとこ」
「保護者?」
妖風は首を傾げた。
僕は訂正した。
「間違えた。父親のことだよ」
もっというと、僕たちのことを誘拐した人のことだけど。
「ふーん。ってか佐々木って何人家族なの?」
妖風は更に質問してきた。
「7人家族」
「多いわね。えーっと、じゃあ兄弟は5人いるってこと?」
「いや、4人兄弟だよ。それに両親を加えて6人でしょ。あとはじいちゃんと一緒に暮らしてて、ばあちゃんはいないから7人家族」
「なるほどね。あ、そういえば小野寺も4人兄弟って言ってなかったっけ? ……小野寺?」
妖風の呼びかけにけいは答えなかった。
不思議に思ってスマホを耳に近づけてみると、小さく寝息が聞こえてきた。
どうやらけいはいつの間にか寝落ちしていたようだ。
僕は通話を切った。
「寝ちゃったみたい」
「もうかなり遅い時間だしねぇ。あれ、ってか今何時?」
栗原が訊いてきた。
「そろそろ1時になるね」
僕はスマホの画面を見て答えた。
「え、嘘」
妖風が驚いた様子で僕のスマホを覗き込んできた。
「うわ、マジじゃん。ちょっとお喋りに夢中になりすぎたかも」
「んー。でもさぁ、せっかくだしもうちょっとみんなで歩かない?」
栗原がそう言って、狐酔酒が賛同した。
「普段こんなメンツで集まることないしな」
「ねぇ緋彗。ちょっと遠回りして帰ろうよ」
栗原の提案に、妖風は少し考えた後
「そうしよっか」
と同意した。
ということで、もうしばらくの間4人で散歩することになった。
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