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プロローグ
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カブトとレンジは、とある人物と会うために町を歩いていた。
道中、無口なカブトにレンジはひたすら話しかけた。
「なぁ。これから一緒に仕事しようってんだから、もっとお互いのこと知っていこうぜ?」
カブトは冷たくあしらう。
「必要ない」
「あるって。仲がいい方が連携が取れたりするし、暇な時は喋って時間潰したりできるし」
「……」
「な~頼むよ~。俺、静かなの苦手なんだよ~」
「……」
レンジはため息をつき
「じゃあせめて、カルミアって女のことをもうちょっと教えてくれよ」
と言った。
カブトは不愉快そうに眉をひそめる。
「何故お前はそこまでカルミアにこだわる。お前の方こそ、カルミアとどういう関わりがあるんだ」
「お? 気になる? 気になっちゃう?」
「……」
「おい無視すんなって。……まぁ俺自身よく分からねぇんだけどさ」
「どういうことだ」
「記憶喪失なんだよね、俺」
「記憶喪失」
カブトは眉間にしわを寄せながら言葉を繰り返した。
こいつ、不機嫌をあからさまに表情に出すのが癖なのかもな、とレンジは思った。
二人は路地裏に入り、迷いのない足取りでずんずん進んだ。
「そう。記憶喪失。で、なんかカルミアって名前を聞いた時に懐かしいっていうか、なんていうか。そんな感覚がしたんだ。だからその女に会ってみたら俺の記憶が戻るかもしれねぇと思って、俺はあんたに同行しようと思った」
レンジは正直に話したが、カブトは興味なさげに聞き流していた。
「ほら、俺は話したぞ。今度はお前の番じゃねぇの、カブトさんよ」
「話すことはない」
「えー。もうこの際何でもいいから話せよ。好きな食いもんとかでもいいぜ?」
「シャバの飯は何でも美味く感じる」
「……へぇ」
レンジはカブトの顔を確かめるように見たが、冗談を言っているわけではなさそうだった。
まぁジョークなんて言うタイプでもねぇか、と内心レンジは苦笑した。
「おっと。あんまり互いのことを知る間もなく、もう着いちまったな」
レンジは目の前の扉を見つめながら言った。
入り組んだ路地を進んで辿り着いたのは、カブトに仕事を依頼してきた男の事務所。
事務所と言っても狭い部屋で、基本的にその男一人しかいないが。
男は仕事を仲介する業者だ。
男が紹介してくる仕事は色々あるが、そのどれもが非合法的であるという点において共通している。
カブトはこの男からの依頼をこなしながら、カルミアに通じる手がかりを探し求めていた。
道中、無口なカブトにレンジはひたすら話しかけた。
「なぁ。これから一緒に仕事しようってんだから、もっとお互いのこと知っていこうぜ?」
カブトは冷たくあしらう。
「必要ない」
「あるって。仲がいい方が連携が取れたりするし、暇な時は喋って時間潰したりできるし」
「……」
「な~頼むよ~。俺、静かなの苦手なんだよ~」
「……」
レンジはため息をつき
「じゃあせめて、カルミアって女のことをもうちょっと教えてくれよ」
と言った。
カブトは不愉快そうに眉をひそめる。
「何故お前はそこまでカルミアにこだわる。お前の方こそ、カルミアとどういう関わりがあるんだ」
「お? 気になる? 気になっちゃう?」
「……」
「おい無視すんなって。……まぁ俺自身よく分からねぇんだけどさ」
「どういうことだ」
「記憶喪失なんだよね、俺」
「記憶喪失」
カブトは眉間にしわを寄せながら言葉を繰り返した。
こいつ、不機嫌をあからさまに表情に出すのが癖なのかもな、とレンジは思った。
二人は路地裏に入り、迷いのない足取りでずんずん進んだ。
「そう。記憶喪失。で、なんかカルミアって名前を聞いた時に懐かしいっていうか、なんていうか。そんな感覚がしたんだ。だからその女に会ってみたら俺の記憶が戻るかもしれねぇと思って、俺はあんたに同行しようと思った」
レンジは正直に話したが、カブトは興味なさげに聞き流していた。
「ほら、俺は話したぞ。今度はお前の番じゃねぇの、カブトさんよ」
「話すことはない」
「えー。もうこの際何でもいいから話せよ。好きな食いもんとかでもいいぜ?」
「シャバの飯は何でも美味く感じる」
「……へぇ」
レンジはカブトの顔を確かめるように見たが、冗談を言っているわけではなさそうだった。
まぁジョークなんて言うタイプでもねぇか、と内心レンジは苦笑した。
「おっと。あんまり互いのことを知る間もなく、もう着いちまったな」
レンジは目の前の扉を見つめながら言った。
入り組んだ路地を進んで辿り着いたのは、カブトに仕事を依頼してきた男の事務所。
事務所と言っても狭い部屋で、基本的にその男一人しかいないが。
男は仕事を仲介する業者だ。
男が紹介してくる仕事は色々あるが、そのどれもが非合法的であるという点において共通している。
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