新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

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外伝 とある新人生産プレイヤーは…… 気付いたら、神の子供(双子)の専属メカニックになってました!?

戦場と化した大渓谷…… 消滅!? 

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『なんだ…… ありゃあ……』

『戦艦が…… 巨大な鳥になった?』

元々翼を持つ飛行戦艦だった【フリーアーク】だが、そのコアにW.R狩りの機神と合体する事でより鳥の様な形態に変形し、付与魔法等で特殊な処理をして白かった外部装甲が蒼に変色して……【フリーアークBBブルーバード】に可変合体した姿に変わった。

「用意は良いよ。艦長!」

「おっけ~、うちの子を囲んでボコった借りを返す…… 全武装フル展開!」

「全砲門に弾頭装填! 全ミサイル発射スタンバイ!」

「マキナ、照準は任せる」

「了解しました。マスター」

『さて…… そこの子達! 私達の下に来て、はやく! 巻き込むよ!』

「「「!?」」」

フリーアークBBから響く少女の声に、カノンとカンナにミニダーズが素早く動いて、フリーアークBBの真下に滑り込む。

「みんな…… 行くよ! 両翼エンジン…… フルブースト!」

フレディの合図に…… フリーアークBBの両翼エンジンが火を吹くと…… フリーアークBBは、左右の翼を真逆にして火を吹いて急回転した!

「ぐう!? これはヤバイ!」

「艦長! 急いで!!」

『お、おねぃちゃん!?』

「ぬおぉぉぉ!? ぜ、全砲門ミサイル! ふ、フルファイヤ!!」

「了解、フリーアークの全砲門ミサイル発射します。ランダムバースト」

急回転しているフリーアークBBから、砲弾とミサイルが辺りに降り注く……

『うぎゃあ!?』『嘘だろ!?』『ちょ!?』

『『『『『あぎぁあぁぁぁぁぁ!?!!!』』』』』

辺りの地形ごとPKと盗賊傭兵部隊の機神達を吹き飛ばし、その爆風が大渓谷の岸壁を崩壊しては、崩れた土砂がまたPKと盗賊傭兵部隊の機神達を飲み込んでいく。

「こんな谷底で襲うから……」

「まあ…… 砂場で作った砂山と同じ様なもんだよね?」

「こんだけ派手に暴れて居ればね…… 此処も危ないかな?」

『モナママ、もうすぐ攻撃が終わるって』

「攻撃が…… 終わる?」

『うん、連絡きた』

「連絡って……」

ミニダーズの報告を聞いたモナは、機神のコックピットからモニター画面ごしにフリーアークBBを見上げた。

「艦長! 砲身の放熱が追い付かない、すまないが砲撃は限界だ」

「ミサイルの残弾も尽きるぞ!」

「回転停止! 停止後は攻撃も停止して、その場に浮遊状態で待機するよ」

「「「「「「「了解!」」」」」」」

フリーアークが急回転と攻撃を止め、モナ達の頭上に浮遊した状態で停止した。

「終わ…… たの?」

「そうみたいだね」

モナは、頭上に浮遊する巨大な鳥型に可変したフリーアークBBをよく見ると…… 巨大な砲撃やミサイルの発射口等の各部からは煙と陽炎が立ち上っていた。

「う~ん…… やっぱり調整不足だったね」

フリーアークBBのブリッチで、フレディが呟くと……

「仕方がないよ。形ができていたが…… 武装等はそれぞれの試作品の持ち寄りで、可変合体はぶっつけ本番だしね」

「まったくですよ。おかげで主武装の咆哮砲ハウリングブラストが使えないですし」

「ミサイルや砲弾の数もかき集めた分は…… 使い切ってしまったし、一応翼と爪に仮の近接武装を取り付けてるけど…… 光の羽根とかのエネルギー系の武装を使える様にしないとヤバイね」

各部から上がる煙と陽炎を振り払う様にして、フリーアークBBが崩れ落ちて荒野化した大渓谷で、放熱する為に羽ばたく。

「これで終わりか『カノンくん!カンナちゃん! 真下から何か来るよ!!』!?」

モナの声に反応したカンナが急激にジェミニオンをバックステップさせると……

ゴゴゴゴゴ…… ドッゴーン!!!

地鳴りと轟音を上げて、地中からドリルが飛び出てきた!

「くっ! 敵か!?」

地面から現れたのは、左腕部が巨大なドリルと右腕部に蟹の様な鋏を付けた…… 25メートル級の機神だった。

「あれは…… プロトワーカー!?」

【プロトタイプワーカー】……

それは、W.R創設時に作られたフレディの最初の機神……

癖の強過ぎる創設メンバー達の作る武装や各パーツを使いこなす為に、フレディとマキナが当時の技術の全てを使い切り仕上げた機体で…… W.Rの全てのテストをする為のテスト機体として使用していたので、W.Rの全てと言える機体であった。

「あれは…… 試作中のリアクティブ装甲!? 多重装甲で重装甲化したのか?」

「それにあの武装! 俺の大回転突貫触角…… あんな小さくされてるし、圧壊式両断鋏まで…… ちきしょ~! 抜ける時に差し押さえされたからか~!!」

プロトタイプワーカーの姿を見たW.R創設メンバー達が嘆く。

『よくもやってくれたな。その機体も捕獲したら特別報酬が出そうだな? だが…… 別に無傷でなくても良いよな!』

「うわ!?」

プロトタイプワーカーの両肩の装甲部からガトリングの砲身が現れて、無数の銃弾がジェミニオンに飛び交う!

「このぉ!」「カンナ!」

銃弾を避けながら、プロトタイプワーカーにジェミニオンが炎を纏ったパンチを放ったが……

『あまい!』

「そっちが!?」

プロトタイプワーカーの両肩に付いた盾に防がれたが、ジェミニオンの放った炎がプロトタイプワーカーの盾を包んだ瞬間……

ドッゴーン!!!

プロトタイプワーカーの盾の装甲が爆発!? ジェミニオンを放った炎ごと吹き飛ばした。

ビキ……

プロトタイプワーカーの肩盾の装甲が爆発して、その爆発にジェミニオンが吹き飛ばされると、ジェミニオンの装甲とフレームに亀裂が走ると…… ジェミニオンの装甲とフレームの亀裂からは、炎と溶けた金属の様な泡が沸騰する様に吹き出した!

「ジェミニオンの装甲に亀裂が…… ヤバイ!? フレームからジェルが漏れ出てる! カノンくん、カンナちゃん、フリーアークの人達、脱出を! 急いで!!」

その様子を見たモナは、急いでジェミニオンのコックピットブロックの脱出機構を外部起動させると、ジェミニオンの背面が開き、引き抜かれる様にコックピットブロックが飛び出す。

「ミニダーズ! 急いで逃げるよ!」

『フリーアークBB! 緊急離脱!!』

ジェミニオンから飛び出したコックピットブロックが空中で変形、小型の戦闘機に姿を変えると…… モナの声に反応して、フリーアークBBとカノン、カンナ達は大渓谷から急いで逃げ出した。

『チィ、逃がす!?』

プロトタイプワーカーも、離脱するモナ達を追跡しようとしたが、カノンとカンナと言う制御システムを失ったジェミニオンは、増幅した神力に耐えきれず……

自身の機体と大渓谷だった場所を……

新世界から消滅させた。

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