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外伝 とある新人生産プレイヤーは…… 気付いたら、神の子供(双子)の専属メカニックになってました!?
モナ達の報酬の使い道は?
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『特殊合金の精錬に成功しました』
ミニマザーからインゴットに整形された金属を受け取り……
「う~ん…… やっぱり、【虹緋色金】にレア金属と神獣の素材を練り込んだ物が良いな」
「【虹緋色金】だけでは、内封する属性が反発し合って…… インゴット化すると脆くなってしまいますからね」
エミリーとエナがインゴットを検査機に通したり叩いたりして、完成度に感心している。
「合わせる金属と神獣の素材で属性に特化させたり、耐性を持たせたりとかできるのが面白いな」
「で、モナさんの求める合金になりましたか?」
「はい♪ 後は、パーツごとに加工して基本フレームを組んでみたいと思います」
モナは、嬉しそうに精製されたインゴットと〝光る液体〟が入ったフラスコを掲げて応えた。
「それで、カノン様とカンナ様とツグミ様は…… 何処に?」
「3人なら…… 修行中です」
「「修行中?」」
「ですか?」
「はい♪」
嬉しそうに返事を返し、モナが手にしたフラスコの光る液体の量産体制に入る。
・
・
・
「ふぅ……」
蝋燭の灯りで照された石室で…… カノンが〝大剣〟を構え直し、呼吸を整える。
「はぁぁぁぁ……」
カノンの呼吸に呼応して、大剣が光り始める……
「ダメだね」
「うん…… 表面にしか反応していない。中にだけ力を伝える事ができてないね」
はぁ~っと、息継ぎをしたカノンに見守っていたカンナも息を吐く。
二人は、イベントの特別報酬を使い、日ノ本の将軍家を訪ねていた。
「大龍神様は、神々の〝神力〟で使われる領域下でも影響を受けなかったと…… 伝承にある」
「それは真の事…… 妾が受け継いだ記憶では、邪神の神域で魔神相手に暴れていたわ」
北将【北直】と大狼神【歌牙美】の話を聞いたモナ達は、邪神や魔神と戦いに備え、日ノ本の将軍家に大龍神の力について教えを請う事にした。
「カノン殿とカンナ殿ならば…… 神々の力である〝神力〟を使えるやもしれん」
モナ達の話を聞いた将軍【正綱】は、京江戸城襲撃の主犯の怪人【スコーワーク】の毒を無効にして、一太刀に切り捨てた技法について語り始めた。
「大龍神様は、神々の力の〝神力〟を使う事ができたのだ。その子孫である我が将軍家には…… 口伝として、神力を使う技法を伝わっているが…… 修得が難しい上に修得しても、神力に耐えうる武具が無いと使いこなせぬぞ。それでも修得いたすか?」
「「はい!」」
正綱との面談後…… カノンとカンナは、残りの西東南の将軍家分家を訪ねた。
これは、大龍神の力を部分的に受け継いだ将軍家分家からも〝神力〟の使い方を修得する為だった。
「かの邪神復活の時に、混沌神様と破壊神様の神力を感じ取った我等は…… 己の地肉に眠る太古の力が目覚めるのを感じた。これは、混沌神様の誕生により、我等の身体が魔に対する柔軟性…… つまりは、より魔力や神力などを使いやすい状態に進化したと思われる」
カノンとカンナが全ての分家を巡った後、再び将軍家本家に戻ると……
京江戸城の地下にある秘密の教練場に通された。
「この大剣は…… 神力に反応する特殊な材質で出来ている」
「神力に反応する素材……」
「とは言え、その材質状…… 内包された属性が反発し合うので、剣としてなまくら…… 通常で斬る事はおろか、持つ事も出来ぬ代物…… だが」
正綱が持つと…… 大剣が鈍く光りを発した。
「この様にして、神力を制御出来れば持てるし……」
正綱が大剣を振るうと、立てられていた巻き藁が縦にゆっくりと別れた。
「この大剣は多重構造になっていて…… その全てに神力を伝える事が出来れば、斬る事も可能」
「つまり、この大剣で神力の完全な制御を覚えろと?」
「先ずは、持つ事から…… じゃな」
「神力に反応する素材…… その素材は何処で?」
「この日ノ本の東西南北で集めし砂鉄を、裏の京江戸で精錬した物…… 名は【虹緋色金】と言う」
・
・
・
カノンとカンナが修行に入った頃……
「これは…… ?」
裏の京江戸で、モナとツグミは〝たたら場〟に来ていた。
「これは【虹緋色金】の玉鋼…… 日ノ本の古より伝わる技法で砂鉄から作りし金属が、混沌神様の領域になった事でより精錬された物です」
まるで発泡しながら冷えて固まった溶岩石の様な、独特な形状をした金属が鈍く虹色に灯りを反射していた。
「この金属…… 全ての属性を持っている!?」
「はい、この日ノ本は大龍神様の亡骸が大地になりし土地…… さらに多くの神獣様方がいる事で、砂鉄にも属性が付与されているのですが…… 本来ならば、玉鋼になる時に砂鉄に多く含まれた属性に片寄り、多くても三つ程の属性に落ち着くのです。ですが…… この裏の京江戸だけは、全ての属性持ち神力を伝えると言う虹緋色金が精錬可能なのです」
「神力を伝える金属……」
「はい、巫女の力を持つ鬼香様が地の最高神様に虹緋色金の玉鋼を捧げし時に、神託にてお聞きになったそうです」
「それじゃあ、この玉鋼を使えば…… 神力が使える武具や機神が出来る!?」
「理論上では…… ですが、非常に扱いが難しいので…… ちゃんと武具に出来るかどうか…… まして機神となると……」
「やります…… やってみる!」
モナは、クエスト報酬を全て虹緋色金の玉鋼にした。
ミニマザーからインゴットに整形された金属を受け取り……
「う~ん…… やっぱり、【虹緋色金】にレア金属と神獣の素材を練り込んだ物が良いな」
「【虹緋色金】だけでは、内封する属性が反発し合って…… インゴット化すると脆くなってしまいますからね」
エミリーとエナがインゴットを検査機に通したり叩いたりして、完成度に感心している。
「合わせる金属と神獣の素材で属性に特化させたり、耐性を持たせたりとかできるのが面白いな」
「で、モナさんの求める合金になりましたか?」
「はい♪ 後は、パーツごとに加工して基本フレームを組んでみたいと思います」
モナは、嬉しそうに精製されたインゴットと〝光る液体〟が入ったフラスコを掲げて応えた。
「それで、カノン様とカンナ様とツグミ様は…… 何処に?」
「3人なら…… 修行中です」
「「修行中?」」
「ですか?」
「はい♪」
嬉しそうに返事を返し、モナが手にしたフラスコの光る液体の量産体制に入る。
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「ふぅ……」
蝋燭の灯りで照された石室で…… カノンが〝大剣〟を構え直し、呼吸を整える。
「はぁぁぁぁ……」
カノンの呼吸に呼応して、大剣が光り始める……
「ダメだね」
「うん…… 表面にしか反応していない。中にだけ力を伝える事ができてないね」
はぁ~っと、息継ぎをしたカノンに見守っていたカンナも息を吐く。
二人は、イベントの特別報酬を使い、日ノ本の将軍家を訪ねていた。
「大龍神様は、神々の〝神力〟で使われる領域下でも影響を受けなかったと…… 伝承にある」
「それは真の事…… 妾が受け継いだ記憶では、邪神の神域で魔神相手に暴れていたわ」
北将【北直】と大狼神【歌牙美】の話を聞いたモナ達は、邪神や魔神と戦いに備え、日ノ本の将軍家に大龍神の力について教えを請う事にした。
「カノン殿とカンナ殿ならば…… 神々の力である〝神力〟を使えるやもしれん」
モナ達の話を聞いた将軍【正綱】は、京江戸城襲撃の主犯の怪人【スコーワーク】の毒を無効にして、一太刀に切り捨てた技法について語り始めた。
「大龍神様は、神々の力の〝神力〟を使う事ができたのだ。その子孫である我が将軍家には…… 口伝として、神力を使う技法を伝わっているが…… 修得が難しい上に修得しても、神力に耐えうる武具が無いと使いこなせぬぞ。それでも修得いたすか?」
「「はい!」」
正綱との面談後…… カノンとカンナは、残りの西東南の将軍家分家を訪ねた。
これは、大龍神の力を部分的に受け継いだ将軍家分家からも〝神力〟の使い方を修得する為だった。
「かの邪神復活の時に、混沌神様と破壊神様の神力を感じ取った我等は…… 己の地肉に眠る太古の力が目覚めるのを感じた。これは、混沌神様の誕生により、我等の身体が魔に対する柔軟性…… つまりは、より魔力や神力などを使いやすい状態に進化したと思われる」
カノンとカンナが全ての分家を巡った後、再び将軍家本家に戻ると……
京江戸城の地下にある秘密の教練場に通された。
「この大剣は…… 神力に反応する特殊な材質で出来ている」
「神力に反応する素材……」
「とは言え、その材質状…… 内包された属性が反発し合うので、剣としてなまくら…… 通常で斬る事はおろか、持つ事も出来ぬ代物…… だが」
正綱が持つと…… 大剣が鈍く光りを発した。
「この様にして、神力を制御出来れば持てるし……」
正綱が大剣を振るうと、立てられていた巻き藁が縦にゆっくりと別れた。
「この大剣は多重構造になっていて…… その全てに神力を伝える事が出来れば、斬る事も可能」
「つまり、この大剣で神力の完全な制御を覚えろと?」
「先ずは、持つ事から…… じゃな」
「神力に反応する素材…… その素材は何処で?」
「この日ノ本の東西南北で集めし砂鉄を、裏の京江戸で精錬した物…… 名は【虹緋色金】と言う」
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カノンとカンナが修行に入った頃……
「これは…… ?」
裏の京江戸で、モナとツグミは〝たたら場〟に来ていた。
「これは【虹緋色金】の玉鋼…… 日ノ本の古より伝わる技法で砂鉄から作りし金属が、混沌神様の領域になった事でより精錬された物です」
まるで発泡しながら冷えて固まった溶岩石の様な、独特な形状をした金属が鈍く虹色に灯りを反射していた。
「この金属…… 全ての属性を持っている!?」
「はい、この日ノ本は大龍神様の亡骸が大地になりし土地…… さらに多くの神獣様方がいる事で、砂鉄にも属性が付与されているのですが…… 本来ならば、玉鋼になる時に砂鉄に多く含まれた属性に片寄り、多くても三つ程の属性に落ち着くのです。ですが…… この裏の京江戸だけは、全ての属性持ち神力を伝えると言う虹緋色金が精錬可能なのです」
「神力を伝える金属……」
「はい、巫女の力を持つ鬼香様が地の最高神様に虹緋色金の玉鋼を捧げし時に、神託にてお聞きになったそうです」
「それじゃあ、この玉鋼を使えば…… 神力が使える武具や機神が出来る!?」
「理論上では…… ですが、非常に扱いが難しいので…… ちゃんと武具に出来るかどうか…… まして機神となると……」
「やります…… やってみる!」
モナは、クエスト報酬を全て虹緋色金の玉鋼にした。
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