新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

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外伝 とある新人生産プレイヤーは…… 気付いたら、神の子供(双子)の専属メカニックになってました!?

モナ、クエストクリア報酬で日ノ本の歴史を知る?

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「モナのあねうえたち、みてくだされ! わらわの弟です♪」

モナ達は、シークレットクエストをクリア後、報酬の受け取りに指定された京江戸城に行くと……

「「「かわいい♪」」」

京江戸城の奥の間に通されて…… 和風の姫装束姿のチヨ姫と戦甲冑では無い着物姿の将軍様と奥様、その二人に抱かれた赤ん坊に会った。

「無事に生まれたのですね」

「うむ、そなた等とチヨが…… 破壊神様と混沌神様を連れて来てくれたおかげじゃ。礼を言う」

「あねうえ、あにうえ、ありがとうなのじゃ♪」

スヤスヤと眠る弟の姿に、ほほえみを浮かべたチヨ姫も将軍と奥様と一緒に頭を下げる。

「い、いいえ! あの…… その……」

「わ、私達……」

「その…… ね」

「当然の事を…… したと言うか……」

将軍様に頭を下げられて、モナ達は焦りながら戸惑うと……

「上様、そう堅苦しい礼では、幼き救い手の方々がお困りですぞ。礼もそこそこにして、この度の戦いの礼に褒美をお渡ししましょうぞ」

「う、うむ…… そうじゃな。我が妻と子等を救ってくれた者に、直接礼を言いたい我の我儘だ…… 許せよ。褒美の巻物を持て」

将軍様の声に、モナ達の前に巻物が置かれる。

「これは褒美の巻物…… この度の戦いの貢献具合で貰える物の一覧にございまする。どうぞお持ちになって、期間内の内に、好きな物を、ご選び下さいませ」

モナ達が巻物を持つと、静かに巻物が消えて報酬についての通知メールが届いた。

「それとこれを」

「これは?」

「将軍家縁の者だと知らせる印籠でございます」

「いんろう…… そんな大事な物を? 良いのですか?」

「気にする事は無い。チヨの兄と姉同然ならば、我の子も同然。時より、チヨとこの子に顔を見ておくれ」

「うむ、いつでもきてなのじゃ♪」

ピコーン♪
〔称号【チヨ姫の義姉】【次期将軍の義姉】を獲ました〕

「えっ…… 義姉って……」

「あっ、僕は義兄だって」

「うむ、わらわと弟のあにうえとあねうえじゃ♪」

「あらあら♪ 頼りになる兄弟ができたわね」

「本当になぁ…… その印籠が有れば、日ノ本の好きな場所に入れる。無論、地下世界の裏の京江戸にもな…… それとこれは、将軍家に代々伝わる話なのだが……」

 ・
 ・
 ・

「ここが……【北蝦夷】…… 日ノ本の最北の地……」

モナ達は、日ノ本の最北の北蝦夷に来ていた。

「日ノ本の最北…… 将軍家が神々の争いの時代から代々守って来た土地に…… 隠された神獣を祀る神社がある。そなた等ならば、神々の争いで失われたとされる神獣……【神狼】に会えるやも知れんな。だが気を付けよ…… かの地は、神々の争い時代の鍜治士達の採掘場だった場所で…… あの魔神【玄黯】が、魔神になる前の鬼人の時にいた場所でもあるからな」

との将軍様の話を聞いたモナ達は、神狼を捜しに北蝦夷に来たのだった。

「狼の神獣様と、それを守ってる一族がいるんだよね?」

「それと鍜治士の採掘場ね…… 日ノ本の鍜治士の採掘場だから玉鋼とかあるのかしら?」

「どうだろう…… 先ずは砂鉄からじゃない?」

「たまはがね? さてつ?」

「ああ、モナちゃんは知らないかも。砂鉄を集めて製鉄したのが玉鋼…… 私達は、道場で剣術を習っているから…… 刀の事で教わったの」

「鉄なんだ…… 知らない金属かと思った」

「まあ…… 当時は砂鉄を別ける段階で、何かしら混ざっていたと思うから…… ある意味では、合金かも知れないね」

「でも、日ノ本でしょう? 伝説の金属とか…… 在りそうだよね♪」

「伝説の金属か…… 例えば?」

「日ノ本でしょう…… 日本での伝説の金属って……」

「ヒヒイロカネとか?」

「ありそう!」

「でも…… この雪しか見えない中で、探せるの?」

北蝦夷は…… 一面の銀世界…… 日ノ本1の豪雪地でした。

「お前達…… 何者だ!」

「「「「!?」」」」

銀世界でどうするか?と、考えていたモナ達の前に……

「えっ!? しょ……」

「「「「将軍様!?」」」」

戦甲冑姿の将軍が姿を現した。

「俺を見て…… 将軍だと? お前達、将軍の姿を見たのか?」

「えっ?」

「あれ? ここに神狼がいるって……」

「教えてくれたのは……」

「将軍様ですよね?」

「ふむ…… 何か、将軍家と縁の物を持っているか?」

「えっ、え~っと……」

「モナちゃん、いんろう、いんろう」

「あっ! こ、これです!」

モナは、将軍から貰った印籠を見せると……

「その家紋…… 将軍家本家の家紋に間違いない! よくぞ来た。将軍家縁の者達よ。我等、北蝦夷の守護守の将軍家が〝分家〟…… 北将家がもてなそうぞ!」

「ぶ……」

「「「「ぶんけ?」」」」

「おうよ。俺が将軍に似ているのは、親戚だからだ。日ノ本には…… 東西南北の分家と中央の京江戸の本家の将軍家が代々の地を守っているのだ」

「東西南北…… 本家に4つの分家…… お家騒動にならないの?」

「さすがに……〝御先祖様〟の上で争う馬鹿は、まともな教育を受けた将軍家にはいないな」

「「「「ごせんぞさまの上?」」」」

「なんだ? 知らんのか? この日ノ本が巨大な龍の姿をした国なのは…… 神々の争い時代に、我等の御先祖……【大神龍】様が、その身をていして支えたからじゃぞ」

「「「「ええ!?」」」」

思わぬ処で、日ノ本の始まりを知った…… モナ達だった。

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