上 下
429 / 464
外伝 とある新人生産プレイヤーは…… 気付いたら、神の子供(双子)の専属メカニックになってました!?

日ノ本で神獣神社巡り。

しおりを挟む
 ~ モナ達の処に各神獣の使者が現れる前…… ~

「では…… カノン様、カンナ様、そのお友達の巡る順番を決めたいと思います」

各神獣の使者が順番に、神獣の名が印された札を箱に入れると……

「では…… アミダくじの1番、熊神様」

張り出された紙に、箱から引かれた札に印された名が順に書かれていく……

「次は…… 獅子神様です。残りました最後は…… 狐神様ですね」

張り出された紙に、全ての名が出揃うと……

「では、1番から参ります…… アミダくじ♪ アミダくじ♪……」

アミダくじの結果……

海龍神神社から始まり、熊神神社、獅子神神社、梟神神社、狐神神社、狸神神社、鹿神神社、猿神神社の順に決まりました。

そして……

『よくきた…… 新たな玩具箱の者達よ…… かつて、我が同朋とこの日ノ本を救ってくれた礼から、お主達の訪れてを歓迎する』

突然の巨大な龍の姿に圧倒されながらも、モナ達は……

「「「「あ、ありがとうございます!」」」」

なんとか礼を言って、頭を下げた。

『うむ…… なかなかに礼儀正しい子等だな…… 話は聞いておる…… 我等が牙や鱗…… 好きな物を好きなだけ持って行きなさい』

「「「「ありがとうございます!」」」」

再び、礼を言ったモナ達に海神龍は、満足そうに目を細めて頷く。

「では、案内をします。皆さん、此方へ」

再び頭を下げて、案内役に付いて行くモナ達を見送りながら……

『大きゅうなったのう…… 元気そうでなによりじゃ……』

と、呟くのだった。

 ・
 ・
 ・

「こんなに…… 良いんですか?」

「ええ、私は…… 実は海龍で、まだ玉子だった子を拐われた事があるの」

「「「「えっ!?」」」」

「その時に、私達を救ってくれたのが玩具箱の蒼人だったのよ。だから…… あなた達にも、あの人達の様に親愛を示すの。どうか、あの時のあの人達の様に育ってね」

「「「「はい!」」」」

案内役の静の言葉にモナ達は、トイボックスのクランメンバーだと言う事が誇らしくなった。

「そろそろ熊神様の処に行きましょうか?」

「そうね…… 足りなくなれば、また来て下さいね。遊びでもかまわないので」

「はい、また来ます!」

「では、此方に」

熊神様の使者に付いて行くと……

「これは…… 転移陣ですか?」

「はい、7年ほど前に…… 神獣様達を狙う不届き者が現れましてね。直ぐ様に救援を呼べる様にと…… 我々だけが使える転移陣を設置したのです」

「私達は…… 使えるんですか?」

「設置には、玩具箱の方のご協力を頂きましたので…… 我々と一緒ならば、玩具箱の方は転移可能ですよ」

「そうなんですか?」

「はい、おかげさまで我々の生活も楽になりました…… いや、本当に……」

初老の熊神様の使者がしみじみと言う……

「私などは、歳が歳ですので…… 熊神様の許し得て、時折ぼうけん屋の湯に浸かりに行くのですよ」

「「「「へぇ~」」」」

「熊神様の使者よ。話はその辺にして、移動しないと他の使者が困りますよ」

「おお、そうでしたそうでした。では、参りましょう」

転移陣が光を放つと……

熊神の使者とモナ達の姿は、光に消えるのだった。

 ・
 ・
 ・

「今頃…… カノン達は、神社巡りか?」

「そうですね」

エミリーとエナの姉妹が、お茶を飲みながら話していた。

「熱烈に歓迎されてるかもな?」

「お宮参り以来ですからね…… 本人達は、自覚は無いでしょうけど」

そう…… カノンとカンナは、日ノ本の神社巡りは〝2回目〟だった。

現実リアルでは未熟児の二人は、実際のお宮参りが難しかった為に……

新世界でのお宮参りとして、日ノ本で神社に行く事したのだが……

混沌と破壊を司るとは言え……

ジノとカナエは、新世界の〝神〟の二柱なので…… どの神社も来て欲しがったのだ。

「素材アイテムでも、お世話になっているし……」

「何回かに分けて…… 全部廻ろうか?」

その際に、ジノとカナエに配慮しながら未熟児のカノンとカンナに負担かけない様にと……

各神社を繋げる転移陣が設置されたのだった。

だから、カノンとカンナは神社の転移陣を使用するのは〝2度目〟だったのだが……

さすがに…… カノンとカンナは覚えていない。

「あの小さなお二人の姿を見ていますからね…… あまり派手な事は、しないでしょう?」

「巴もいるし…… なぁ……」

「そうですね」

 ・
 ・
 ・

エミリーとエナが話していた頃……

話題に出た巴は? と言うと……

「あの海神龍の姿に驚きながらも…… ちゃん礼儀正しいカノン様とカンナ様に御友人方…… 本当に…… ご立派でございます……」

カノン達の神獣達の神社巡りを……

記録するべく、撮影部隊を引き連れながら見守っては……

男泣きをしながら、影ながら付いて行くのだった。

最愛なる親方様とその御主人様に、二人の姿を届ける為に……

「うん?」

「カノンくん?」

「カノン兄? どうしたの?」

「ちょっと…… 気のせい? かな……」

(さすがは…… カノン様…… 鋭いです!)

時折視線を感じては、振り返るカノンとカンナの成長に……

感激の男泣きをしながら……

(親方様…… 御主人様…… お二人は…… ご立派に成長されております!)

カノン達の後を追う巴だった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

婚約者すらいない私に、離縁状が届いたのですが・・・・・・。

夢草 蝶
恋愛
 侯爵家の末姫で、人付き合いが好きではないシェーラは、邸の敷地から出ることなく過ごしていた。  そのため、当然婚約者もいない。  なのにある日、何故かシェーラ宛に離縁状が届く。  差出人の名前に覚えのなかったシェーラは、間違いだろうとその離縁状を燃やしてしまう。  すると後日、見知らぬ男が怒りの形相で邸に押し掛けてきて──?

冤罪を掛けられて大切な家族から見捨てられた

ああああ
恋愛
優は大切にしていた妹の友達に冤罪を掛けられてしまう。 そして冤罪が判明して戻ってきたが

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

【完結】そして、誰もいなくなった

杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」 愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。 「触るな!」 だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。 「突き飛ばしたぞ」 「彼が手を上げた」 「誰か衛兵を呼べ!」 騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。 そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。 そして誰もいなくなった。 彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。 これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。 ◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。 3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。 3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました! 4/1、完結しました。全14話。

処理中です...