上 下
411 / 464
外伝 とある新人生産プレイヤーは…… 気付いたら、神の子供(双子)の専属メカニックになってました!?

ダンジョンの大図書館にて…… クランの先輩プレイヤー【ユキ】参戦と天に向かって地下ドワーフ国を目指す?

しおりを挟む
「もうすぐわん…… です」

「気を付けてにゃ……」

「二人とも、今は大丈夫よ」

「「ご主人様、申し訳ないです……」」

謎の組織が潜伏していたせいで、魔法国首都の地下ダンジョンが正常化したので……

マリーは、自分の守護騎士たる使い魔の〝人化した〟ベビーコボルトとベビーケット・シーを召喚したが、守護騎士としての教育を受けている二人は、語尾の矯正に必死の様だ。

「この先が大図書館の入り口よ」

「ちょっと待って…… 誰かいるみたい」

「あっ! 来たね♪」

「「「「マコさん!?」」」」

「あなた達が、カノン君にカンナちゃんとモナちゃん?」

「ユキさん!?」

「あの……」

「「「誰ですか?」」」

「ツグミちゃんとマリー様達以外には、初めましてかな? トイボックスのクランメンバーの【ユキ】です。よろしくね」

魔法国首都の地下ダンジョンの大図書館の前で待っていたのは、クラン【トイボックス】のメンバー、マコとユキだった。

「ここが…… 大図書館……」

「スゴい…… 壁、全部が本棚だ……」

魔法国首都の地下ダンジョンの大図書館の中は、常に増える知識を蓄える為に空間が拡張される仕組みで、その内壁は壁一面の本棚に隙間なく本が並ぶ。

「で、何を捜すの?」

「エミリー師匠の話では、金庫を捜す様にって言われたけど…… 図書館に金庫ってあるのかな?」

「禁書庫の事かしら? ゼロード様の話では、多種多様な禁書も集められてるらしいわよ」

「でも、その禁書庫って…… 何処?」

広過ぎる図書館に…… モナ達は何処を捜すのか?と、困り果てる。

「定番だと…… 地下かな?」

「本棚に隠し扉のパターンもあるよね?」

「ねぇ、あの中央の本棚って…… 螺旋階段じゃない?」

ユキが指差す図書館の中心では、螺旋の様な形状の本棚が回転していた。

「確かに…… 階段みたいだけど」

「下かな? それとも…… 上かな?」

「二手に別れましょうか?」

相談の結果…… 下の方には、モナ、マコ、カノンが調べに、上の方には、カンナ、ツグミ、ユキ、そして、マリー様と守護騎士達が向かう事にした。

「金庫だ! こっちが正解だったかな?」

本棚の螺旋階段を降りたモナ達は、巨大な金庫の扉を発見した。

「どうやって開けるの?」

「確かに、データの中にパスワードが…… ミニダーズ、お願い!」

『了解、パスワードを入力するよ♪』

モナの肩から分離した1体のミニダーズが、金庫の扉に張り付くと……

ガシュー…… ギイィー……
古びた金属音を立てて、金庫の扉が開き始めた。

「これは……」

「中にも金庫がいっぱい?」

『モナまま、どうやら…… 貸金庫らしいよ』

「貸金庫?」

「大事な物を預けたりする金庫の事だね。あの娘達が何かを預けてるのかな?」

『データの検索…… 貸金庫番号と一致するデータを発見…… モナまま、こっちだよ♪』

ミニダーズの案内で、モナ達は1つの金庫の前に来た。

『この金庫だよ♪』

「ここに隠し工房へのヒントが……」

「はやく手に入れて、みんなと合流しましょう」

「そうだね。モナちゃん、頼むよ」

「うん…… ミニダーズ、開けて」

『了解、パスワードを入力するよ♪』

ガッコン……
ミニダーズがパスワードを入力すると…… 音を立てて金庫の扉が開いた。

「これは……〝鍵〟?」

金庫に入っていたのは…… 大きな金属製の古びた鍵と1枚の紙だけだった。

「紙に何か書いてあるよ」

「あっ、本当だ! え~っと……」

紙に書いてあったのは……

【私達のデータを受け取ったあなたへ】

この金庫に入っていた鍵は、地下ドワーフ国の私達の工房の鍵です。

私達の工房は、地下ドワーフ国の外れにあるのですが…… ドワーフ国からは行けない場所なので、先ずは〝天界〟の龍に会いに行ってね。

その龍に工房への道を示す物を預けたから、受け取って下さい。

P.S、龍から物を受け取とるヒントは、データの中に……

と、書いてあった。

「次は天界で龍に会うのか……」

「と、とりあえず、合流しようか?」

「そうだね…… 行きましょう」

 ・
 ・
 ・

「で、何でカンナとツグミちゃんが正座してるの?」

大図書館の入り口に、モナ達が戻ると……

「図書館内で暴れたからです」

大図書館前で正座したカンナとツグミに、ゼロード様とユキがお説教中でした。

「だって……」

「あんなの居たら……」

「「ボス戦だと思うもん!」」

本棚の螺旋階段の上は、本当に禁書庫だった様で……

年齢指定の禁書があるからと、入り口のゴーレム禁書番に止められたカンナとツグミが、ゴーレム禁書番をボス戦と勘違いして…… 図書館内で大暴れした様です。

「図書館で静かにしましょう!」

「「ごめんなさい」」

ゼロード様とユキに絞られたカンナとツグミを連れて、モナ達はダンジョンを後にした。

「次は天界ですか…… 神国の霊峰を登らないと行けませんね」

「神国かぁ…… カノンとカンナは注意しないとかな」

「「僕たち(私たち)?」」

「なんでもないよ(とりあえず、カナエお姉ちゃんに連絡しとかないと…… かな?)」

カナエのストーカーの本拠地の神国を通る事に、一抹の不安を感じるユキだった。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~

斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている 酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた

久野真一
青春
 最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、  幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。  堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。  猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。  百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。    そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。  男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。  とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。  そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から 「修二は私と恋人になりたい?」  なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。  百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。 「なれたらいいと思ってる」    少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。  食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。  恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。  そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。  夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと  新婚生活も満喫中。  これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、  新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

処理中です...