新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

文字の大きさ
上 下
407 / 464
外伝 とある新人生産プレイヤーは…… 気付いたら、神の子供(双子)の専属メカニックになってました!?

怪奇!? 魔法国のダンジョンに潜む邪悪!!〝神の戦士〟怪人カメレオンアントとスパイダーバット登場

しおりを挟む
「またやったのね」

「「「「また?」」」」

門に吊るされたミノムシめておんを見て、マリー様が呟く。

「あれは、〝めておん限定刑罰の吊るし法台の刑〟よ」

モナ達にマリー様が説明していると、遠くから此方に飛んで来る群が見えた。

「あれは…… ワイバーンかしら? 丁度良いわ。どうゆう刑罰か見ていれば解るから」

マリー様がめておんを指差すと……

「お~い、めておん。仕事だ」

城壁の上で、ガイがめておんに声をかける。

「あの群か…… ワイバーンの群…… なら、素材で減刑できるかも♪ メテオレイン!は…… ダメだよね…… ならば、ライトニングブリザードストーム!」

めておんが呪文を唱えると、魔法国の首都に向かっていたワイバーンの群を〝雷と氷の嵐〟が襲う!

「おっ? ちょっとは考えたかな…… だけど、魔力の込め過ぎ…… あれじゃあ素材がズタボロだよねぇ……」

ガイの横で、めておんの魔法を見ていたチャドが呟く。

「はぁ~…… まだ暫くは、めておんの監視が続くなぁ……」

めておん限定刑罰〝吊るし法台の刑〟

吊るし法台の刑とは、めておんが魔法国内で殲滅魔法を放ち大規模な損害を発生させた時に、その損害分を労働で還元する刑罰である。

この刑罰の労働とは、擂り鉢状になっている魔法国首都はダンジョンの一部に作られた都市である為に、そのダンジョンから発せられる魔力等で……

時より、強力な魔物が外部から現れたりするので、その魔物達を〝吊るし魔法砲台〟として、門等に吊るされためておんが撃退するのが主な労働である。

なお、この刑罰は…… めておんが出した損害分の魔物を倒すか損害分の労働日数が過ぎるまでは、めておんは門に吊るされたままである。

 ・
 ・
 ・

 ~ 時間が少し戻って、モナ達が盗賊団討伐に来た魔法機兵団と盗賊団の戦闘に遭遇した頃…… ~

「あの3機…… フェアリー工房製? いや、まさか…… フェアリーガーデンの機神!?」

モナは、マリー様が乗る妖精型機神とそれを守護するガール型機神が複製量産型では無く、フェアリーガーデン製のオリジナル量産型機神の特別カスタマイズ機である事に気付いた。

マリー様の乗る妖精型機神は、マリー様の魔法の師でもある御先祖の初代魔法国国王【ゼロード・フール】の願いで、ゼロード・フールの愛機だった【ウィザード】の改修機神【ジャンヌ・ワイズマン】を基にした追加武装ユニット【ストライカーウィザード】を武装しており、その見た目は魔女っ子の様な姿をしていた。

護衛の守護ガール型機神2機は、追加武装ユニットは通常の【騎士】の推進装置を追加したカスタムタイプだったが、基本機神に追加の〝犬ミミと猫ミミ〟のセンサーユニットがそれぞれに追加されて、それに合わせた〝尻尾〟…… テールユニットが追加されていた。

「チィ、こいつらの相手は後だ! あの戦艦を奪うぞ!」

幌無しのホバートラックに乗った盗賊達が、モナ達の大型タンク機神改修戦艦に向かって来たが……

「盗賊達が来たよ!」

「了解、睡眠煙幕弾発射!」

モナ達が乗る大型タンク機神改修戦艦から、煙幕弾発射されると……

「くそぅ、煙幕…… か……」

「うっ…… 眠気が…… まさか! この煙幕が……」

煙幕に入った盗賊達の意識が眠りに引っ張られて、動きが鈍り出すと……

「続けて、電気捕縛網発射!」

「ぎゃあ!?」「がぁ!?」「いっ!?」

こうして、モナ達の戦闘を奪おうとした盗賊達が一網打尽になった頃……

『エレメントショット!』

マリー様の一撃で、最後の盗賊機神が倒れた。

 ・
 ・
 ・

「盗賊討伐のご協力、感謝します」

モナ達は電気網で捕まえた盗賊達を引き渡すと、犬ミミが生えたマリー様の護衛騎士と同じ様に猫ミミの護衛騎士が頭を下げた。

彼女達は、カノンとカンナの匂いを覚えていたのだ。

それを見て、マリーアンは確信する。

〝カナエとジノの子供達〟だと…… マリーアンと護衛騎士のベビーコボルトとベビーケット・シーは、赤ん坊だったカノンとカンナに会った事がある。

その時にマリーは誓った。自分が助けられた様にカノン達の力になろうと……

そして、モナ達から魔法国の図書館を調べたいと事情を聞き、首都に連れて来たのだった。

「話に聞いた限りだが…… そのサイボーグの少女が出入りしていたのは、地下の〝大図書館〟じゃな」

首都に着いたマリーは、初代魔法国国王ゼロード・フールに図書館ついてたずねると……

「彼処には、ダンジョンの魔力を使い新たな知識を常に集める機能がある。マスター権限で利用者を遡ったが…… 同じ時に二人のサイボーグの少女が通い詰めて居った」

「では、地下ダンジョンを攻略する事になりますか?」

「うむ…… このところの邪神星の影響でダンジョンが活性化しておる。わしの知らぬ魔物が居ても不思議では無いからの…… 気を付けよ」

初代魔法国国王ゼロード・フールの忠告に、みんなが頷くと…… 大図書館を目指して、魔法国首都地下ダンジョンに入った。

「ここが…… 魔法国のダンジョン……」

「おかしいわ……」

「マリー様?」

「狂った魔導兵がいない…… このダンジョンで1番遭遇する魔物なのに……」

「ダンジョンが変化してる?」

「でも、ダンジョン自体が変化したなら、いくらなんでもゼロード様が気付かないはずがないわ…… きゃ!?」

「マリー様!? マリー様が糸に!」

「糸? 蜘蛛の魔物!」

「いや…… コウモリの羽がある人型の魔物だ」

「ねぇ…… あれって……」

「仮面のヒーロー!?」

蜘蛛の糸の様な物でマリーアンを捕まえたのは、コウモリの翼を持つ人型だった。

そして、その人型が向かう先には、仮面のヒーローの姿があった。

「見事だ。スパイダーバット」

「ふっ、目的の物は手にした…… 後は、目撃者の始末を頼むぞ仮面のヒーローよ」

「くっ…… 何で、仮面のヒーローとマリー様を拐った奴が仲良く話してるのよ!」

「知らないけど……」

「けど? けど何?」

「あのヒーローって…… 怪しくない?」

「言われて見れば……」

「「「「怪しい……」」」」

「くっ、五月蝿い! 死ねぃ!? な、身体が動かん!」

モナ達に怪しまれた仮面のヒーローが、モナ達に襲いかかろうとした時、仮面のヒーローの身体が凍る!

「カメレオンアント!」

「へぇ~、偽者ヒーローはカメレオンアントって言うの」

「なっ、何者だ!?」

仮面のヒーローとスパイダーバットと呼ばれた〝怪人〟の後ろに、白いローブのフードを深々と被る人物が現れた。

マリー様を捕らえていたスパイダーバットが、突然現れた人物に叫ぶ!

「ただの通りすがりのクマカジャーよ……〝もうじゅうチェンジ!〟」

白いローブの人物の姿が、【クマカホワイト】に変わるのだった。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

秋月の鬼

凪子
ファンタジー
時は昔。吉野の国の寒村に生まれ育った少女・常盤(ときわ)は、主都・白鴎(はくおう)を目指して旅立つ。領主秋月家では、当主である京次郎が正室を娶るため、国中の娘から身分を問わず花嫁候補を募っていた。 安曇城へたどりついた常盤は、美貌の花魁・夕霧や、高貴な姫君・容花、おきゃんな町娘・春日、おしとやかな令嬢・清子らと出会う。 境遇も立場もさまざまな彼女らは候補者として大部屋に集められ、その日から当主の嫁選びと称する試練が始まった。 ところが、その試練は死者が出るほど苛酷なものだった……。 常盤は試練を乗り越え、領主の正妻の座を掴みとれるのか?

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

NH大戦争

フロイライン
ファンタジー
呪詛を家業として代々暮らしてきた二階堂家。 その二十六代目にあたる高校二年生の零は、二階堂家始まって以来の落ちこぼれで、呪詛も出来なければ、代々身についているとされる霊能力すら皆無だった そんな中、彼の周りで次々と事件が起きるのだが…

処理中です...