新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

文字の大きさ
上 下
403 / 464
外伝 とある新人生産プレイヤーは…… 気付いたら、神の子供(双子)の専属メカニックになってました!?

姉弟子から託された物とは……

しおりを挟む
「こいつは……」

「ええ…… 間違いなくあの娘達の開発記録ですね」

ミニダーズがモナに見せたデータは、あのサイボーグの少女がミニマザーに託した彼女達の機神開発計画の記録データだった。

そのデータをモナは、フェアリーガーデンでエミリーとエナに確認してもらう事にしたのだが……

「ところどころデータが破損してる箇所があるな……」

「攻撃を受けて、身体が損傷したせいでしょうか?」

「ああ…… うん? これは映像データか?」

「1番新しい記録データですね」

最新の記録データである映像データを再生すると……

『マスター、もう撮ってます』

『えっ!? ちょっ、ちょっと待って! 心の準備が……』

一瞬だけサイボーグの少女と同じ姿をした少女が映るが、焦る様子で画面から外れてしまう。

『えっと…… やっぱりはずかしいから…… 私は声だけで、開発中のを撮して』

『解りました』

『では…… この記録データは、私に何かが起きた時の為に残します。ちょっと…… 家庭の事情とかでね…… 説明し辛いんだよね…… ともかく、この映像が他のプレイヤーさんに見られてる時は…… 私はログインできて無いと思うの。だから、私の…… 私達とあの娘の記録を残して、託そうと考えました』

開発途中の機神達が映り出される。

『ここに並ぶ物も…… 完成できないかも知れない…… だから、私の開発データをあなたに渡す事にしました。私のサポートユニットは優秀だから…… この娘が選んだあなただから、悪用しないと思うの。そして…… 私達の開発記録データを渡す代わりに、頼みがあるの…… 開発データの〝S計画〟のファイルを見て…… 私の願いを叶えて……』

「映像は…… これで終わりだな」

「他は無い様ですね……〝S計画〟のファイルを見てと言っていましたが?」

「願いを叶えてと言ってましたけど……」

開発記録データの中から〝S計画〟と書かれたファイルを開くと……

「これは…… 宇宙船!?」

「でかいですね…… 250メートル級万能型の機神運用艦でしょうか?」

「それだけじゃないな…… こいつは分離して専用の機神の武装になる設計がされているが…… この機構は……? どうやら、図面に書かれて無い秘密がある様だな」

「あの娘達は、これを完成させて欲しい様ですが…… このサイズの物を1から作るとなると……」

「250メートル……」

助けられなかったサイボーグの少女を思うと、モナは設計データの万能艦を作りたかったのだが……

サイズがデカ過ぎた為に、作る事を断念するしか無いと思ったが設計データの片隅に〝とあるメモ書き〟を見付けた。

「これは…… きほんふれーむとどうりょくぶは…… かんせい!? これって、この宇宙船のパーツが何処かにあるって事?」

「何!? これは…… どうやら、完成の目処がついていた様だな」

「このD-0と書かれた場所に、完成したパーツがあるのでしょうか?」

「あいつ等の秘密の開発所か…… ありえるな。フェアリーガーデンを見ては…… 何時かは、自分達の秘密基地をって…… 楽しげに話していたからな」

「では…… このデータの中にD-0って、場所がわかるのかな?」

「あいつ等の事だからなぁ~…… 素直には場所を記さずに、ヒントを散りばめてそうだが…… モナ、お前…… 探して作る気か?」

「はい、作りたいです!」

「本気か?」

「この設計データを見る限りでは…… 既に譲渡された機神の専用艦の様です。作ったとしても使えないかも知れませんよ?」

「この機神の持ち主に心当たりがあるが…… 絶対に機神を手放す事は無いだろうな。それでも…… お前は作るか?」

「はい! この宇宙船は…… その人の為に作られたんだと思うから…… きっと、完成させて届けるまでが願いなんだと…… だから、完成した宇宙船を届けたいと思います!」

「モナさん……」

「よ~し、お前の思いは解った! 始めるぞ」

「えっ?」

「D-0探しだよ」

「先ずは…… データの中からヒントを集めましょう!」

「は、はい!」

「手の開いてる奴を集めろ! すぐに見付けるぞ!」

こうして…… フェアリーガーデンの総力をかけた〝サイボーグの少女達の秘密開発所〟の捜索が始まるのだった。

 ・
 ・
 ・

 ~ とある街の工場街…… ~

「帰んな! あんたに売る物は無い」

「そんな…… 急に何故?」

「あんた…… ドワーフの恩人に手を出したろう?」

「えっ!?」

「おら達ドワーフには見えるんだよ…… 地の精霊があんたに物を売るな!って、怒ってやがる」

「そんなぁ……」

「悪いが…… 地の精霊の怒りが治まるまでは、ドワーフからは何も買えんぞ」

ドワーフ達の工場街の片隅で……〝とある少女〟が肩を落とした。

「くぅ~…… 10万円に目が眩んだばっかりに…… どうしよう…… ドワーフ達から買い物できないと〝人形達〟が作れないし直せない……」

「まあ、何をしたかは知らんが…… 地の精霊の怒りを治めるには、ドワーフの恩人に許される事だな」

と、付き合いのあるドワーフが教えてくれた。

「うん…… あの子達に謝る……」

こうして…… ドワーフの工場街から、一人の〝人形使い少女〟の謝罪の旅が始まるのだった。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

リアルフェイスマスク

廣瀬純一
ファンタジー
リアルなフェイスマスクで女性に変身する男の話

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

処理中です...