新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

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外伝 とある新人生産プレイヤーは…… 気付いたら、神の子供(双子)の専属メカニックになってました!?

 ~ プロローグ ~

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 ~ クラン【トイボックス】のクランハウス【冒険屋】の工房 ~

「え~と……【マニ】と【ソル】の可動テストは終了…… 次は、武装装甲モジュール【ハティバスター】との〝合体〟と……【カノン】と【カンナ】のリンクシステムの調整かな?」

『おお…… ついに完成したか? 君のオリジナル機神…… 兄妹双神機【ジェミニオン】が』

バスケットボールより大きめな球体に、4つ足と獣の様に耳と尻尾を付けた【コア】が、機神の最終チェック中の人物に話し掛けた。

「オリジナルって…… デザインさせてもらっただけで、カナエさんのフェアリー型機神のバリエーションの1機…… 2機?ですよ」

最後の調整を終えた人物は、コアを抱き抱えると…… 並び立つ5メートル級妖精型機神2機と武装装甲モジュールを見上げた。

『何にせよ。君の思いが…… 私の〝子孫〟として形になった事を、私は嬉しく思うぞ』

「ありがとう……【コア様】」

〝始祖の機神〟のコアを抱き抱える人物が、年相応の無邪気な笑みを浮かべて笑う。

「あの時…… 私を拾い上げてくれたカノンとカンナに…… 喜んでもらえるかな?」

2機の機神を見て……〝少女〟は、一年前の事を思い出していた。

 ・
 ・
 ・

「ごめん!!」

あの日…… 私は…… 有名なVRMMOの〝新世界〟を初めてプレイした。

「仕方がないよ…… 今の私じゃあ…… 役に立たないし……」

誘ってくれた友人は、頭を下げて謝ってくれていた……

「まさかの…… 生産極振りだったとは…… 初めて間もない私達じゃあ、育成に協力したくても…… ちょっと無理かな」

友人の仲間のプレイヤーさんも苦笑いしていた。

「悪いけど…… 生産って、育成にはお金がけっこういるんだよ。素材系アイテムに工房とか道具類とか…… ある程度は戦闘出来ないと、モンスターとかがいる世界だから素材の回収も儘ならない……」

後で聞いたら、私みたいなプレイヤーを〝寄生プレイ〟とか言って、嫌われやすいプレイスタイルだった様です。

「誘って置いて悪いけど、ごめんね。もし、クランとか作れたら…… 専属として雇えるかも知れないけど……」

「良いよ。大丈夫! 戦う事は怖かったから、街の中で生産できないか…… 試して見るよ」

申し訳なさそうにして、街の外に冒険へ向かう友人とお仲間さん達を見送って……

「さて…… 先ずは、街の探索からかな?」

私は、街の探索に向かった。

「アレは…… 何?」

犬や猫の様な4つ足と耳に尻尾が生えた…… 球体を抱き抱えて、背中にライフルを持った子と〝拳を天に突き上げて〟大剣を背負った子……

「「あぶない!!」」

「えっ…… ぐえ!?」

落ちてきた影に潰され…… 私は冒険前に〝死に戻り〟を体験しました。

それが…… 私の新世界での〝神の子供達である双子との出会い〟で……

私の漠然としていた〝夢〟の始まりでした。

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