新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

文字の大きさ
上 下
370 / 464
外伝 とある新人生産プレイヤーは…… 気付いたら、神の子供(双子)の専属メカニックになってました!?

 ~ プロローグ ~

しおりを挟む
 ~ クラン【トイボックス】のクランハウス【冒険屋】の工房 ~

「え~と……【マニ】と【ソル】の可動テストは終了…… 次は、武装装甲モジュール【ハティバスター】との〝合体〟と……【カノン】と【カンナ】のリンクシステムの調整かな?」

『おお…… ついに完成したか? 君のオリジナル機神…… 兄妹双神機【ジェミニオン】が』

バスケットボールより大きめな球体に、4つ足と獣の様に耳と尻尾を付けた【コア】が、機神の最終チェック中の人物に話し掛けた。

「オリジナルって…… デザインさせてもらっただけで、カナエさんのフェアリー型機神のバリエーションの1機…… 2機?ですよ」

最後の調整を終えた人物は、コアを抱き抱えると…… 並び立つ5メートル級妖精型機神2機と武装装甲モジュールを見上げた。

『何にせよ。君の思いが…… 私の〝子孫〟として形になった事を、私は嬉しく思うぞ』

「ありがとう……【コア様】」

〝始祖の機神〟のコアを抱き抱える人物が、年相応の無邪気な笑みを浮かべて笑う。

「あの時…… 私を拾い上げてくれたカノンとカンナに…… 喜んでもらえるかな?」

2機の機神を見て……〝少女〟は、一年前の事を思い出していた。

 ・
 ・
 ・

「ごめん!!」

あの日…… 私は…… 有名なVRMMOの〝新世界〟を初めてプレイした。

「仕方がないよ…… 今の私じゃあ…… 役に立たないし……」

誘ってくれた友人は、頭を下げて謝ってくれていた……

「まさかの…… 生産極振りだったとは…… 初めて間もない私達じゃあ、育成に協力したくても…… ちょっと無理かな」

友人の仲間のプレイヤーさんも苦笑いしていた。

「悪いけど…… 生産って、育成にはお金がけっこういるんだよ。素材系アイテムに工房とか道具類とか…… ある程度は戦闘出来ないと、モンスターとかがいる世界だから素材の回収も儘ならない……」

後で聞いたら、私みたいなプレイヤーを〝寄生プレイ〟とか言って、嫌われやすいプレイスタイルだった様です。

「誘って置いて悪いけど、ごめんね。もし、クランとか作れたら…… 専属として雇えるかも知れないけど……」

「良いよ。大丈夫! 戦う事は怖かったから、街の中で生産できないか…… 試して見るよ」

申し訳なさそうにして、街の外に冒険へ向かう友人とお仲間さん達を見送って……

「さて…… 先ずは、街の探索からかな?」

私は、街の探索に向かった。

「アレは…… 何?」

犬や猫の様な4つ足と耳に尻尾が生えた…… 球体を抱き抱えて、背中にライフルを持った子と〝拳を天に突き上げて〟大剣を背負った子……

「「あぶない!!」」

「えっ…… ぐえ!?」

落ちてきた影に潰され…… 私は冒険前に〝死に戻り〟を体験しました。

それが…… 私の新世界での〝神の子供達である双子との出会い〟で……

私の漠然としていた〝夢〟の始まりでした。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

最後に言い残した事は

白羽鳥(扇つくも)
ファンタジー
 どうして、こんな事になったんだろう……  断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。  本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。 「最後に、言い残した事はあるか?」  かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。 ※ファンタジーです。ややグロ表現注意。 ※「小説家になろう」にも掲載。

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

側妃ですか!? ありがとうございます!!

Ryo-k
ファンタジー
『側妃制度』 それは陛下のためにある制度では決してなかった。 ではだれのためにあるのか…… 「――ありがとうございます!!」

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。

西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ? なぜです、お父様? 彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。 「じゃあ、家を出ていきます」

夫が不良債権のようです〜愛して尽して失った。わたしの末路〜

帆々
恋愛
リゼは王都で工房を経営する若き経営者だ。日々忙しく過ごしている。 売り上げ以上に気にかかるのは、夫キッドの健康だった。病弱な彼には主夫業を頼むが、無理はさせられない。その分リゼが頑張って生活をカバーしてきた。二人の暮らしでそれが彼女の幸せだった。 「ご主人を甘やかせ過ぎでは?」 周囲の声もある。でも何がいけないのか? キッドのことはもちろん自分が一番わかっている。彼の家蔵の問題もあるが、大丈夫。それが結婚というものだから。リゼは信じている。 彼が体調を崩したことがきっかけで、キッドの世話を頼む看護人を雇い入れことにした。フランという女性で、キッドとは話も合い和気藹々とした様子だ。気の利く彼女にリゼも負担が減りほっと安堵していた。 しかし、自宅の上の階に住む老婦人が忠告する。キッドとフランの仲が普通ではないようだ、と。更に疑いのない真実を突きつけられてしまう。衝撃を受けてうろたえるリゼに老婦人が親切に諭す。 「お別れなさい。あなたのお父様も結婚に反対だった。あなたに相応しくない人よ」 そこへ偶然、老婦人の甥という紳士が現れた。 「エル、リゼを助けてあげて頂戴」 リゼはエルと共にキッドとフランに対峙することになる。そこでは夫の信じられない企みが発覚して———————。 『愛して尽して、失って。ゼロから始めるしあわせ探し』から改題しました。 ※小説家になろう様にも投稿させていただいております。

処理中です...