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最終章 妖精少女の夢は月光に…… 新世界を優しく煌めき照らす編 

こぼれ話

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 ~ 始祖の機神のその後は…… ~

「本当に…… 良いの?」

『うむ、もう一人ぼっちは飽き飽きだ』

カナエと、カナエに抱き抱えられた始祖の機神の【コア】が見つめる先には……

今まさに〝解体〟されようとしている始祖の機神の〝機体〟があった。

『人と共に生きるには、あの身体では大き過ぎる…… ただ廃棄するよりも、君達ならば平和的に再利用してくれるだろう?』

「う~ん、わかったわ…… 一部は貰うけど、私なりの平和的再利用を考えるよ」

『よろしく頼むよ。混沌の女神よ』

こうして、始祖の機神の機体は……

小妖精月フェアリームーンの軍により〝頭〟〝両腕〟〝胸部〟〝下半身〟の〝5つパーツ〟にされたのだった。

「貴方の身体は…… 武装を解除して、それぞれの国に譲渡する事にしました。その巨大さから、都市や街として使われる事になったよ」

『私の身体は、人々の暮らす場所になるのか…… 暴れる事が無く、人々を守る事ができる。まさに平和的再利用…… 混沌の女神よ。感謝する』

この1月後に、地上と海洋と月に始祖の機神の機体を再利用した〝5大都市〟が新世界に誕生した。

そして……

その都市には、混沌カオス族と言う新種族が商う【フェアリーガーデン】製の機神や機械の工房【フェアリー工房】の直営店があり…… 話題になるのだった。


 ~ 双子…… 新世界を始めました。~

「にぃ、なんて名前にしたの? 私は【カンナ】だよ♪」

アバターを作り終えて、始まりの場所に出た僕に…… 大剣を背負った少女が話し掛けて来た。

「僕は【カノン】だ。剣士にしたの? 種族は?」

「人族だけど…… ???ってなってるよ? ばとるがーるって職業にしたよ♪」

「バトルガール?」

「かくとうけいのおーるらうんだー?だって、運営さんが言ってたよ?」

「総合格闘術を習っている…… カンナらしい職業だね」

「うん♪」

楽しそうに頷く妹のカンナと一緒に、始まりの王都に出た僕は…… ドキドキとワクワクが止まらなかった。

6歳になる僕と妹は、誕生日のプレゼントに〝新世界〟を強請ねだった…… 寝る前にお母さんが話してくれた〝破壊神になった優しき仮面のヒーロー〟と、お父さんが話してくれた〝混沌神になったロボット大好きな妖精の女の子〟がいる世界に……

「すごい…… 本物みたい……」

「うん……」

カノンカンナは…… いるんだ。

「どうしたら、妖精さんとヒーローさんに会えるかな?」

「カンナ、その前に〝保護者さん〟に会わないとダメだよ」

『もしもし、そこの少年少女よ。君達が、カ……【ユメ】の子供達かな?』

「「えっ!?」」

「にぃ…… ワンちゃん?ニャンこ?」

「どっちかな?」

『私は【コア】…… ユメに頼まれて、君達の保護者代わりの者だ』

カノンとカンナの前に現れたのは…… 小動物の様な4つ足と耳と尻尾が生えた球体だった。

『私は君達の両親に代わり、君達の行動の同行者。基本的には君達の新世界での行動に同行するが…… どうしたいか?どうするか?は、君達が考えて決める事。どうしても決められない時には、アドバイスぐらいならばしよう』

「何だコレ? レアキャラか?」

カノンとカンナに話していたコアが、男に持ち上げられてしまった。

『ぬ、私は重要な話をしている途中だ。離さぬか』

「重要だぁ? レアクエストか? 俺がやるから初心者なんかよりも俺に話しやがれって…… アレ?」

「おじさん…… この機械は僕達の保護者だから、邪魔しないでよ」

男が持ち上げていたコアは、カノンの手に抱き抱えられていた。

「このクソガキが! それを寄越しぐあぁ!?」

カノンに掴み掛かろうとした男が…… 空に舞い上がる。

男とカノンの間には、拳を空に突き上げたカンナの姿があった。

男は、カンナの拳で顎を打ち上げられたのだ。

カノンとカンナは知らない…… いや、うっすらとしか覚えていない…… 自分達が既に新世界にいた事を……

新世界の神々に誕生を祝福され、愛された双子のアバターのステータスには…… ???が乱立しているのだった。

そして……

「「あぶない!!」」

「えっ…… ぐえ!?」

カンナに空へと打ち上げられた男により〝神の双子に振り回される者の新たな物語〟が始まるのは……

まだ先の話……

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