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最終章 妖精少女の夢は月光に…… 新世界を優しく煌めき照らす編 

恩人の願いに…… 賢者が導き、英雄が貫き、妖精が罰する!?

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『グアァァァ!? おのれ…… 例えこの身体が崩壊するにしても…… その前に、世界を壊して上位次元に転生してくれる!』

再生しては崩壊を繰り返す身体で、邪神アドラギースが穢れを更に集束し始めた頃……

『こいつで終わりだ!』

『受けよ…… 一閃!』

挑戦者と魔剣の魔王の攻撃が、魔神ロザウィンの身体に突き刺さる!

『アドラギース様…… この絶対神の守護者ロザウィン最後の忠義! 私の命を穢れに変えて、アドラギース様の力に!! アドラギース様、御武運を……』

『不味い!?』
『自爆だと!?』

魔神ロザウィンが爆発で、挑戦者と魔剣の魔王を巻き込んで砕け散った……

『チッ…… くそが…… 魔王機神が動かね……』

『此方もだ…… 魔剣も砕け、手足すら無い…… 推進装置も壊れてしまった様だな? これでは、邪神の相手に特攻も出来ん…… 後の成り行きを見守るとしよう』

『しょうがねぇ…… ヒーロー、邪神なんぞに負けんじゃねぇぞ!』

挑戦者と魔剣の魔王は…… 宇宙空間を魔王機神で漂いながら、邪神に挑む者達を見守るのだった。

そして……

『おのれ…… あの馬鹿勇者め! 私が楽しめるのならばと…… 煽て過ぎたか? まさか、私達ごと世界を消し去ろうとするとは……』

どさくさに紛れて、王の魔王達から逃げた魔神バショウハンだったが……

『ミツケタ……』

その姿を追う影が居た……

『くっ、どうすれば無事に切り抜けられる! 考えろ…… 私はまだ!?』

『ニガサナイ…… オマエダケハ!』

魔神バショウハンの乗る邪神機を…… 鋭く尖った〝足〟が貫く!

『ぐっはぁ!? き、貴様は…… ナイトメア!?』

『イモウトノ敵ダ……』

『貴様ぁ…… 記憶が!?』

『死ネ……』

『やめ!?』

僅かに残ったムカデ型の足で、魔神バショウハンの乗る邪神機のコックピットを貫くと……

『オワッタヨ…… モシ…… マタ生マレルナラ…… マタ…… オ前ノ兄ニ……』

限界を超えた2機の邪神機は…… 爆砕した。

 ・
 ・
 ・

『ぐっうぅ!? この穢れは…… チッ、使えぬ奴等め!』

死した魔神達から発生した穢れを吸収して…… 崩壊しては再生する邪神アドラギースの肉体に変化が起こる!

『だが、その力…… 使ってくれるわ!』

崩壊していた腕をロザウィンのバトルアックスに変え、臀部からムカデを生やし、腹からはバショウハンの魔物と量産邪神機が生み出されていた。

『崩壊よりも…… 穢れが上回ったか? だが、長くは持たぬな……』

魔神達から吸収した穢れで、一時的に崩壊が停止したアドラギースが地上を睨むが……

『行かせない!』

『此処で、お前を止める!』

『私の夢…… その夢の道を示してくれた人に頼まれたからね…… 絶対に貴方の野望…… 私達が砕くよ!』

『我の邪魔を…… するな! 羽虫がぁぁあ!』

天使の様な六枚の翼を広げて、右腕にバトルアックス、左腕にメデューサの頭、そして、ムカデの様な尾を生やした邪神アドラギースが…… 魔物と量産邪神を生み出しながら、カナエ達に迫る!

『余剰分の穢れを戦力にして吐き出してるの? 厄介な能力ね!』

ターニャのジャンヌ・ワイズマンが操る赤いレーザー光線が、邪神アドラギースの生み出した魔物や量産邪神機を貫く!

『おのれ!』

『させるかよ!』

アドラギースの左腕からメデューサの頭の蛇髪が触手の様に、ジャンヌ・ワイズマンを狙うが…… カオス・ブレイブが掴み引き千切った!

『ぐがあ!? 貴様!』

蛇髪を引き千切られたアドラギースがムカデの様な尾を振り回して暴れる!

『この!? このムカデ型…… 邪神機の集合体だ! 気を付けて!?』

アドラギースのムカデ型の尾が分裂して、カナエ達に襲い掛かる!

『はうりんぐ…… 凪ぎ払え!』『『『アオォォォオン!!!』』』

カナエの乗るフェアリエが構えた〝はうりんぐ〟から閃光が放たれ…… ムカデ型の尾から分裂した邪神機を凪ぎ払う!

「この感じは…… 手応えがおかしい? まだ何かを企んでるの?」

邪神アドラギースの最後の抵抗にしては、消極的に感じたカナエだったが……

『ぐっ!(くっ! この様な神の力を持つ者達が居ようとは…… 今生での我願いを叶えるのは難しいか…… ならば仕方が無い…… 神の力は惜しいが…… 輪廻転生を使い、生まれ変わる事にしよう。その為にも、邪神としての我が消滅した様に見せねば…… 我が消滅したと思わせ、来世で願いを叶えるのだ! その為にも!!)貴様等は邪魔だ!』

『ヤバイ!? 自爆特攻型よ! 避けて!』

邪神アドラギースが、特攻機型の量産邪神機をバラ撒き出した!?

『この近距離で自爆兵器だと!? 自分のダメージは考えないのか!』

『フンッ、穢れが有る限り…… 我の身体は滅びぬ。我等の悲願を邪魔する貴様等を滅する為に…… 我が身など、いくらでも削ってくれるわ!』

更なる特攻機型を生み出す邪神アドラギースに…… カナエは気付いた。

『邪神は…… 私達を巻き込んで自爆する気よ!』

『何!?』

『でも、それじゃあ…… 別の世界に行く目的は? 邪神の目的は違うの?』

『自分を消滅した様に見せて…… 生まれ変わってやり直すつもりなんだわ!』

『貴様…… 貴様だけは…… 蒼人だろうと、絶対に復活出来ない程に身も魂すらズタボロにしてくれぶるあ!?』

『誰を…… ズタボロにするって、言ったぁ?』

見えない速さで邪神アドラギースの顔面に…… カオス・ブレイブの拳が突き刺さる!

周囲の魔物ですら、震え上がる程の殺気を放つジノの声が響いた瞬間……

周辺の時間が凍り付くのだった。

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