新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

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最終章 妖精少女の夢は月光に…… 新世界を優しく煌めき照らす編 

対魔神バショウハン戦 小悪魔と女帝と王の魔王

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『おのれおのれ…… 魔王ごときが私の邪魔をするな!』

邪神機リクドウ、魔神ナイトメア、魔神ロザウィンとそれぞれが激闘している頃……

魔神バショウハンは、邪神の下に急いでいるが……

『逃がさないよ~♪』

『観念しなぴょん!』

それを追う3機の機神が居た。

『くっ、殺れ!』

バショウハンの周囲に居た邪神機達が一斉射撃するが!?

『フン、効かんな』

王の魔王機神が強力な防壁魔法陣で弾き返し、バショウハンに突き進む!

『ならば!』

逃げながらも、バショウハンは次々に転移陣を作り出して、魔物を呼び出した。

『防御力は中々の様で…… では、此方も防御力高い魔物達で、足止めさせていただくとします』

見るからに防御力が高そうな鱗や甲羅を持つ、魔物達が現れ立ち塞がるが……

『そんなのムダな足掻きだぞ♪ ひぃさっのサキュバスフラッシュ♪』

他の魔王機神よりも小型化されて、女性的なフォルムをした小悪魔の魔王機神の悪魔の様な背面ウイングから、強烈な閃光を放つと……

『『『ギシャアァァァァァァア!?』』』

一部の魔物達が奇声を上げて、同士討ちを始めた!?

『な!? いったい何が起きた!?』

『見た事が無い魔物達だぴょん。丁度良いから…… 私が〝貰う〟ぴょん』

突然起きた同士討ちに戸惑う魔物を、女帝の魔王機神が手にした武器を鞭状にして…… 叩いた!

『さあ…… 選べぴょん。死か?服従か?だぴょん』

女帝の魔王機神に高速で鞭を叩き付けられた魔物達は…… その激しい攻撃に歯向かうのを止めて、女帝に腹を見せて服従した。

『馬鹿な!?』

バショウハンはその光景に戦慄した…… 自分の手駒として呼び出した魔物達の半数以上が、敵になってしまったのだ。

『こいつ…… 魔神の中でも小者だな? 知将きどりで考え無しに魔物を喚ぶから、そうなるのだ』

『まさに策士、策に溺れるだぴょん』

『馬鹿にされるだと!? この私が…… あの神になった勇者の導き手たる私を…… 神になった私を…… 魔王ごときに馬鹿にされるなど…… ありえん!』

さらなる邪神機達を喚び出して、魔神バショウハンが怒りに震えた……

(こんな事で…… こんな魔王などに邪魔をされて堪るか!)

魔神バショウハン…… 彼は、小国の軍師だった。

軍師とは言え…… 彼の配下は、魔物達と盗賊などで殺人を犯した犯罪奴隷だった。

彼は孤児で、何故に軍師なったかと言うと…… 視察中の小国の王族を盗賊団が襲撃した際に、その知略で救った事が切っ掛けだった。

「ありがとう…… 私の〝踏み台〟になってくれて」

その盗賊団は、彼が仕向けた者だった。

その後は…… 戦争などで、条件がより良い処へと裏切りや裏工作を繰り返し、大国の将になった時に〝とある人物〟と出会う。

「最強の勇者か…… 私と同じ匂いがしますねぇ……」

大国の将として、大規模な魔物掃討戦に参加した時に確信した。勇者には野望があり、それを叶える為には平気で他人を犠牲にすると……

現に魔物を掃討する為に、まだ村人が居るのに魔物に襲われた村に火を放っている。

「まあ、作戦を提案したのは…… 私ですけど」

噂の人形士の住む村…… あの男の能力は使える。だからこそ、邪魔になるであろう男の妹ごと焼いた。

「あの男の操る人形に、王の役をやって貰うとしましょうか」

生きた人と全く見分けが付かない人形…… 見分けが付かないのならば…… 王と人形を入れ換えても……

妹を失い生きる気力を失った男を薬漬けして、王を人形とすり替え…… 勇者を全面に支援した。

やがて…… 勇者の下には、バショウハンと同じ様な〝狂人〟達が集まり…… 勇者の下に一大勢力ができ、彼は大国を裏から操る存在になった頃に……

神にまで登り詰めた勇者が…… 神々に反旗を翻した。

「なるほど…… 貴方の野望は光の最高神でしたか…… ならば、地上は私が貰いますよ」

魔神になった狂人達の策略に…… 地上の勢力が塗り替えられ様としていたが…… 宇宙そらから地上に落ちた始祖の機神により、機神の力を手にした最高神達の反撃で邪神となった勇者が討たれ……

魔神達もほとんどは討たれたが…… バショウハンは、一部の魔神様と姿を消して暗躍する様になる……

『長い年月を…… この日の為に費やしたのだぞ…… それを…… 始祖の機神の次は…… 蒼人などと訳の解らぬ輩に、邪魔をされて堪るか! 私こそが、あの星の支配者なのだ!』

『フッ…… 貴様の様な意欲無き小者が、支配者などになれる訳が無い……』

『馬鹿にするな! 殺れ!』

バショウハンに喚び出された邪神機が、王の魔王機神に襲い掛かるが!?

『憐れな…… 人形ごときが消えろ!』

王の魔王機神の魔力を受けて、邪神機の内部動力部の魔力が膨れ上がると…… 邪神機達は動力部から爆発した!?

『俺は、魔王の王…… 魂無き人形の魔力を暴走させるなど雑作もない事だ』

『邪神機の魔力に干渉して、破壊するだと!? まさか、ありえん! 魔王ごときにそんな事が出来る筈がない!?』

喚き散らすバショウハンに寒気が襲う!? まるで見えない手に心臓を鷲掴みにされた様な息苦しい感覚が…… 身体を駆け巡る!

『相変わらず…… えげつない攻撃ですねぇ……』

『ああ…… 王は、我等……〝魔導師〟系の天敵だからな……』

少し後方で、討ち漏らしの相手をしていた【才覚の魔王】と合流した【教祖の魔王】は、その様子を見て思い出していた。

二人の魔王は…… 王の魔王のユニークスキル〝魔力支配〟を受けた事があり…… 手も足も出ないで負かされた事があるのだ。

『今ならば、ある程度の予測で対抗出来ますが……』

『初見では無理だな…… 一方的に潰されて終わる……』

王の魔王の力を知る二人には…… 王の魔王機神が見えない巨大な手で、バショウハンの乗る邪神機を握り締めている様に見えていた……

『さあ、魔神よ…… 始めるとしようか? 貴様の生死を賭ける真剣勝負と言う物を!』

王の魔王機神のマントの様な装甲板が稼動して、王の魔王機神がゆっくりと…… バショウハンの乗る邪神機に手を向けた。

『!? ま、魔王……』

その姿は…… まさにバショウハンにとって、恐怖の象徴たる真の魔王の姿だった。

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