新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

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最終章 妖精少女の夢は月光に…… 新世界を優しく煌めき照らす編 

月へ…… それぞれの移動法は?

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「問題は、移動手段だが……」

「国境密集地帯から、転移門で行くのでは?」

「いや、あの転移門は…… 月の権力者【月帝げってい】の所有でな。使用するには、月からの招待が必要なんだ」

「月にも国があるのですか?」

「在るな…… しかも、かなりの厄介な軍事国家だ……」

「厄介な…… とは?」

「月には…… カナエちゃんの観光の第一目的である〝最初の機神〟があるからな…… その技術を応用した〝失われた技術兵器〟の伝承者達が独自の武装をしているのさ」

「地上には無い技術兵器…… 神々の争い以前の〝古代の兵器〟…… その類いですかね?」

「ああ…… それ故に、連中は俺達を警戒している。失った技術を補うべく、独自に進化した地上の技術をな」

「月の技術が…… 科学技術なら、地上の技術は〝魔法技術〟と言えますからね」

「だから、月にはサイボーグや近代的武装が多いが…… 魔法や魔導具の類は、ほぼ無いからな。武装のほとんどが魔導系のカナエちゃんが普通に転移したら…… 連中は捕らえようとする可能性がある」

「それじゃあ…… どうやって行きますか?」

「先ずは…… 月の周辺の【人工衛星都市】の宇宙港に行こう。月の周辺には大小数十個の人工的な衛星都市がある。その衛星都市から月面都市に向かう運送船って事にして、入港しようか?」

「そうすると…… 出発点はフェアリーガーデンですね♪」

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 ~ 魔王の夜会 ~

カナエとジノが、月への移動手段を考えている頃…… 魔王達のクラン【魔王の夜会】のクランハウス【夜会城】では……

「で、どうやって月に行くんだ? 王よ?」

「その辺は…… 才覚の役目だ」

「はいはい…… ただいま、月への移動手段の準備として夜会城の城下に移住した生産プレイヤー達に、我等の身体を宇宙空間で活動可能にする魔導具を製作させています。それと王、月への移動手段ですが…… 可能ですか?」

才覚の魔王が、王の魔王に一枚の紙を渡した。

「コレは…… 作れるには作れるが…… コレで行くのか?」

「我々が月に行くには、転移門は使えませんからね。コレが1番早くて確実性が高いのです」

「仕方が無い…… 挑戦者、ちょっと素材を取って来てくれ」

「素材? 何のだ?」

「SS以上のドラゴンと金属ゴーレム系で」

「何だよそれりゃ~…… じゃあ、ちょっくら行ってくらぁ!」

「任せた!」

その2日後…… 夜会城の隣に巨大な塔が立っていた。

その塔こそが…… 大気圏離脱帰還可能な塔型ロケット【魔竜の塔】だった。

「後は、月夜に真っ直ぐと……」

「随分とアバウトな……」

「魔王がこれだけ居れば…… 大丈夫でしょうけど……」

「発進は…… 今夜です」

こうして…… 満月の夜に魔界から、巨大な塔が飛び立ったのだった。

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 ~ 国境密集地帯 ~

「忘れ物は無いかな?」

「はい、予備のパーツや工具等はストレージに収納済みです!」

「回復系アイテム等の消耗アイテムも、補充完了! 何時でも殺れます!」

「今回…… 我が銀勇騎士団からは、あなた達二人しか転移許可が下りませんでした。ですので、月の技術等…… 情報収集もお願いしますね」

「「はい!」」

「アレ? あんた達も月に行くの?」

「あなた達もですか?」

「アレ? あんた……も、勇者?」

「君と後ろの人もだね…… 君達も呼ばれたのか?」

「ああ…… 俺達以外の勇者達も呼ばれた様だ。しかし、月に地上の勇者を呼ばれるのは、初めてだな。何だか、きな臭いな…… あんた達も気を付けな」

「他の勇者も…… クエストか?」

「もしもそうならば、我々は助けられないから…… 存分に警戒してくれたまえ」

「あっ!? ガイ、チャド、人がいるよ!」

「恥ずかしいから、騒ぐな!」

「「「げっ! めておん!?」」」

めておんの姿に、不安になる勇者達だった。

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 ~ 冒険屋 ~

「せつなさん達の情報では…… 小型輸送宇宙船に偽装した【フェアリーボックス】で、月に向かう様だ」

「で、俺達の移動手段は?」

「エミリーさん達に頼んで、【リボルバーサーモン】を宇宙コンテナ船に偽装して貰いました」

「それで、カナエさんとジノさん達を護衛するですね♪」

「デンライさん達の情報では、月は謎が多い様ですから…… みんなも気を付けてね?」

「「「「「「「はい!」」」」」」」

こうして…… カナエにジノ、魔王に勇者、もうじゅうジャーのメンバーは月に向かうのだった。

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「最初の機神か…… 楽しみ~♪」

各勢力が月に向かう中…… そうとは知らずに、嬉しそうに微笑むカナエに……

「ちょっとは、落ち着こうか?」

と言いながらも、ジノも嬉しそうにカナエの頭を撫でるのだった。

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