上 下
317 / 464
第12章 夢をほぼ叶えし混沌神な女神妖精は…… 新たなユメを見る!?編

ユメ専用機 レイヤー・F起動! ユメ専用機は…… コスプレする機神?

しおりを挟む
『…… スタンダードアーマーに換装……〝ヒューマンモード〟で起動開始…… 武器格納庫から、電磁レールライフルとライトプロテクターシールドの使用許可…… 武装確認…… 発進スタンバイ完了』

「ユメ、レイヤー・Fスタンダード…… 行きまぁ~す♪」

『電磁カタパルト起動…… 射出』

「うっ!」

フェアリーハウス】の電磁カタパルトによる急加速Gが…… ユメを襲う!

「しゃ、射出の成功を確認…… Gが強過ぎ~、やっぱ重力制御は必須だね」

体感する為に切った重力制御システムを入れ直して、ユメは自由落下を始めたレイヤー・Fの着陸体勢に入る。

その姿は、スカイブルーカラーに銀色の縁取りをした軽鎧のドレスメイルを着た少女の様な姿だった。

『無事に着陸…… 姿勢制御に問題は無し、起動による不具合は…… 無し』

ユメは、レイヤー・Fの機体チェック項目を一応確認しながら……

「さあ…… 実戦と行こうか♪」

モニター越しに迫る5メートル超えの魔物達に、電磁レールライフルを向けて…… トリガーを引いた。

初弾は外れて…… 魔物達を掠り飛んで行った。

「外れた…… カナエの様にはいかないか?」

オールラウンドスキルがあるとは言え、カナエの様に長距離狙撃は〝通常〟のユメには無理だった。

「なら…… 引き付けて~…… 目標をセンターに入れて引き金を引く!」

ドッツーン!
「ギィ!? シャ……」ドッターン!!

先頭にいた魔物の胸に命中! 魔物は胸に穴が空き倒れた。

「命中! 次!」

カナエと違い、ユメの射撃命中率は5から6割くらいだが…… 魔物達が密集して襲って来るので、狙いを外しても当たる状況に…… ユメは引き金を引き続ける。

カチ!
「ヤバ、弾切れ!?」

『グギャア!』

弾切れの隙に、足が早い魔物がレイヤー・Fに襲い掛かる。

『この!』

レイヤー・Fに噛み付こうとした魔物を、ユメはシールドで受けるが……

「体格差で押される!」

魔物の勢いに押されてレイヤー・Fの動きが止まる…… そうしている内に、他の魔物達が迫っていた。

『こっからが、この子の本領発揮だよ♪〝武装転送換装システム〟起動! レイヤー、チェンジモード【シロクマ】。武装チェンジ!【聖騎士パラディン】』

ユメのキーワードにレイヤー・Fに白い熊の耳と尾が現れる!

襲い掛かっていた魔物を撥ね飛ばし、レイヤー・Fの武装が大盾と片手剣を持つ白き聖騎士風のドレスメイルに〝瞬間換装〟された。

『戦闘行動中の武装転送換装システムの起動を確認…… システムオールグリーン、問題はありません』

「よし…… 行くよ!」

レイヤー・Fのコックピットで、〝シロクマ〟の獣人になったユメが〝聖騎士〟のコスプレをし、大盾と片手剣を構える。

迫る魔物達を大盾で弾き、片手剣で切り裂くレイヤー・Fパラディン!

良く見ると…… スタンダードの時には〝銀〟だった素体フレームのカラーが〝白〟に変わっていた。

『ガァー!』

『あまい!』

背後から来た魔物を、レイヤー・Fパラディンがエネルギーを布状に放出したエナジマントで弾くと…… 片手剣で両断した!

「これで地上のは終わり……かな!」

ドッゴーン!
地上の魔物達を倒したレイヤー・Fパラディンに火球が降る!

『後は、空だね』

大盾で燃え盛る炎を払い、レイヤー・Fパラディンが空を見る……

『グゥゥゥ…… グシャアー!』

火球を降らせたドラゴンの様な魔物が飛んでいた。

「ドラゴン…… 違う、ワイバーンの亜種かな?」

ワイバーンの亜種が高度を維持して、レイヤー・Fパラディンに火球を吐く!

「レイヤーが飛べないと思って、いたぶるつもりかな? でも…… あまいよ♪ リミッター解除…… モードEX〝天使〟…… 起動!」

『グ!?……』

火球を吐こうとしたワイバーンの亜種は…… 驚愕した!

ついさっきまで……

地上で、自分の吐く火球を防ぐ事しか出来ない弱者。

そう思っていた鎧を着た巨人が……

〝光る翼〟で、飛んだのだ! しかも…… 消えた!?

火球を吐こうとしたワイバーンの亜種は…… 最後に自分の身体を見ていた。

首から上を無くし、大量の血を噴く自分の身体を…… 切られた首から見ていた。

 ・
 ・
 ・

初の実戦を終えたレイヤー・Fを格納して、ユメからチェンジしたカナエは、Fハウスでフェアリーガーデンに帰投するが……

「このバカ主! 初戦闘で限界までやるバカが…… 何処にいる!」

待っていたのは…… 怒り狂うエミリーとそれを宥めるエナにそのやりとりを見ているフェアリエ…… そして、整備員達でした。

「え~っと…… 此処にかな?」

「反省しろ!」

「まあまあ…… 姉さん、新システムの実戦データが取れたので、大目に見ましょうよ」

「次にやったら…… 機体無しで、電磁カタパルトで射出してやるからな」

「射出前に感電するからヤダ!」

「主なら大丈夫だろ…… もう一人の身体は知らないけど」

ひそひそ(主様主様……)

ひそひそ(どうしたの? エナ?)

ひそひそ(姉さんは、口では憎まれ口を言ってますが…… 主様が心配なんですよ~)

「エミリー……♥」

ぎゅ~♥
「うわぁ!? 何だよ! 主、そんなんで騙されないからな……」

エナの言葉に、カナエはエミリーをぎゅ~と抱きしめる。

「やるなら、ちゃんと…… ぎゅ~……って、してくれないとヤダから……」

「エミリー…… 可愛い♥」

「うるさい……」

カナエに抱きしめられたエミリーを見て、エナとフェアリエが並ぶ……

その後ろに整備員達も並びだし…… カナエのぎゅ~待ちの行列になるのだった。

「姉さん、長いです!」

「マスターのぎゅ~は、〝1人1分まで〟ですよ」

何時の間にか…… アイドルの握手会場の様になる機神プラントだった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

悪役令嬢の去った後、残された物は

たぬまる
恋愛
公爵令嬢シルビアが誕生パーティーで断罪され追放される。 シルビアは喜び去って行き 残された者達に不幸が降り注ぐ 気分転換に短編を書いてみました。

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】

小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。 他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。 それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。 友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。 レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。 そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。 レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

処理中です...