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第12章 夢をほぼ叶えし混沌神な女神妖精は…… 新たなユメを見る!?編

猛暑が残る学園行事の試験合宿! 引換券は…… 混沌に?

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 ~ ナインアール王国監理区域 神魔の森 ~

「そっちに行くよ!」

メタリックに光る【狼】に跨がる少年が、大きな猪を引き付けて走る!

「予定よりも大きい!」

「私達が止めるから、後はお願い!」

メタリックな【象】に跨がる少女が前に出た!

「いくよ! ノズルバインド!」

メタリックに光る象が金属の鼻を伸ばして、大きな猪を絡めとる!

「よし、そのまま叩き付けろ!」

絡めた鼻を動かして、大きな猪の突進の勢いを利用し、岩に叩き付けるが……

「まだ動く!?」

「任せろ! メタルファング!」

少年が跨がるメタリックな【獅子】の爪が、大きな猪の首を裂いた!

「よし、肉ゲット!」

「おつかれ」

「おつかれさま、誘導ありがとうね」

三人の少年少女がハイタッチして、お互いを誉める。

「報告しないと、肉をゲットしたぜ」

『了解♪ キャンプ地で待ってるよ』

「よし、戻るぞ」

「「はい」」

 ・
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 ~ その数日前のナインアール王国王立十神学園 ~

学園の生徒達を集めて、全園集会で学園長のレオン国王が壇上に現れる。

「学園の皆さん、突然ですが…… 魔王側プレイヤー達の活性化に伴い、我が学園も学園行事として〝強化合宿〟を行う事になりました」

勇者と魔王のプレイヤー達が引き金になった〝勇魔大戦イベント〟……

そのイベントで、勝利した状況になった魔王側が活動拠点を【魔界】として獲得した事を発端に……

魔物プレイヤー達が暴れ始めたのだった。

「今の所…… 魔界で暴れてるだけなので静観してますが、何時また、勇魔大戦イベントの様なイベントが発生するかも知れません。なので、最低限の戦闘能力とサバイバル能力を獲得して貰う為に…… 強化合宿を行います」

こうして、学園イベントとして時間加速した森型ダンジョン【神魔の森】での1週間強化合宿キャンプが始まったのだった。

 ・
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「おつかれ、どうだった?」

大きな猪を倒したメタリックの〝狼〟〝獅子〟〝象〟に跨がった少年少女をメタリックな〝鳥〟と〝竜〟を連れた少年少女が出迎える。

「ただいま、人より大きい魔物がけっこういたよ」

「おかえり、事前にキャンプ道具持って来て正解だったね」

「俺、テント初めてだ」

「僕もだよ。なんか、わくわくするよね?」

「リアルだと難しいし、保護者がいないからね」

「カタリナ先生に聞いて、良かったよね」

「冒険屋のキャンプ道具が買えたしね。魔物避けのアイテム使うよ?」

「魔物避け線香だよね? 効果は8時間だから気を付けてね」

「念の為に、交替で見張りを決めようか?」

「そうか! カタリナ先生の言っていた事だね?」

「そう…… 襲って来るのが魔物〝だけ〟とは限らないからね」

「なら、早めに飯を食べて…… 男子と女子で別れて交替で見張るか?」

「〝このこ〟達がいるしね。それでいいと思うわよ」

「じゃあ、ごはんを食べた後から5時間と朝までの5時間で分けて見て、様子を見る?」

「だね。明日、辛かったら仮眠を取る様にして、また考えるとしよう」

カタリナ(カナエ)に、狼、獅子、竜、鳥、象の姿をしたパワードスーツ型の鎧を渡された少年少女達は……

ドキドキとワクワクしながらも、先生達と冒険屋で受けた忠告を守り夜営をするのだった。

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「ちゃんと…… 使ってくれたみたいね」

遠く離れた場所から望遠鏡を覗きながら、【アン】が呟く。

「だいじょうぶ? お料理してる?」

近くで警戒していた【リン】がアンに聞いた。

「だいじょうぶ、ちゃんとかまどを作って火起こししてるよ」

「ちゃんとできるかな?」

「カナエさんの鎧達が付いてるから、だいじょうぶでしょ。私達も戻りましょう」

「うん…… みんな、がんばれ!」

少年少女の姿を確認して、アンとリンが自分達のキャンプ地に戻る……

その姿には、猫耳と猫尻尾が生えていた。

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 ~ 少し前の冒険屋のクランメンバー専用リビング ~

「何コレ?」

リン達に呼ばれたカナエが、冒険屋のクランメンバー専用のリビングに入った瞬間…… 混乱した。

「「「「「「いらっしゃい♪」」」」」」

リンを始めとして、アン、マナ、ユキ、マコに…… そして、シロが…… カナエの〝格好〟をしていたのだ。

「何で…… 私の姿に……?」

「〝これ〟ですよ♪」

「これって……〝引換券〟!?」

それは、勇魔大戦イベントで隠しポイントを獲得したプレイヤーに配られた〝引換券〟でした。

カナエの考えに共感したクラン【トイボックス】のクランメンバー達とその協力者は……

緑人達の救出に尽力した事で、隠しポイントを獲得していた。

「で、わたし達の引換品の中に」

「〝混沌神なりきりセット〟があったの♪」

「で、人数分交換したの…… どうかな?」

顔つきに体型、髪型をそのままに…… カナエと同じ様な猫耳と猫尻尾を生やし、同じ服装をしている……

「色合いが少し違うのね?」

カナエの様な漆黒では無く、漆黒の部分は黒に近い紺色で、【はうりんぐ】のレプリカ魔導ライフルはシルバーでは無く、銅の様な色合いをしている。

「〝かかさま〟、にあう?」

「うん♪ シロちゃん可愛いよ♪」

新世界で結婚式をして以来、シロがカナエを母として慕う様になったが……

その姿は、歳の離れた姉妹の様だった。

そして…… 混沌神なりきりセットでカナエに扮装する事が、トイボックスの女子クランメンバーの中で、暫く流行るのだった。

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