新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

文字の大きさ
上 下
304 / 464
第12章 夢をほぼ叶えし混沌神な女神妖精は…… 新たなユメを見る!?編

猛暑が残る学園行事の試験合宿! 引換券は…… 混沌に?

しおりを挟む
 ~ ナインアール王国監理区域 神魔の森 ~

「そっちに行くよ!」

メタリックに光る【狼】に跨がる少年が、大きな猪を引き付けて走る!

「予定よりも大きい!」

「私達が止めるから、後はお願い!」

メタリックな【象】に跨がる少女が前に出た!

「いくよ! ノズルバインド!」

メタリックに光る象が金属の鼻を伸ばして、大きな猪を絡めとる!

「よし、そのまま叩き付けろ!」

絡めた鼻を動かして、大きな猪の突進の勢いを利用し、岩に叩き付けるが……

「まだ動く!?」

「任せろ! メタルファング!」

少年が跨がるメタリックな【獅子】の爪が、大きな猪の首を裂いた!

「よし、肉ゲット!」

「おつかれ」

「おつかれさま、誘導ありがとうね」

三人の少年少女がハイタッチして、お互いを誉める。

「報告しないと、肉をゲットしたぜ」

『了解♪ キャンプ地で待ってるよ』

「よし、戻るぞ」

「「はい」」

 ・
 ・
 ・

 ~ その数日前のナインアール王国王立十神学園 ~

学園の生徒達を集めて、全園集会で学園長のレオン国王が壇上に現れる。

「学園の皆さん、突然ですが…… 魔王側プレイヤー達の活性化に伴い、我が学園も学園行事として〝強化合宿〟を行う事になりました」

勇者と魔王のプレイヤー達が引き金になった〝勇魔大戦イベント〟……

そのイベントで、勝利した状況になった魔王側が活動拠点を【魔界】として獲得した事を発端に……

魔物プレイヤー達が暴れ始めたのだった。

「今の所…… 魔界で暴れてるだけなので静観してますが、何時また、勇魔大戦イベントの様なイベントが発生するかも知れません。なので、最低限の戦闘能力とサバイバル能力を獲得して貰う為に…… 強化合宿を行います」

こうして、学園イベントとして時間加速した森型ダンジョン【神魔の森】での1週間強化合宿キャンプが始まったのだった。

 ・
 ・
 ・

「おつかれ、どうだった?」

大きな猪を倒したメタリックの〝狼〟〝獅子〟〝象〟に跨がった少年少女をメタリックな〝鳥〟と〝竜〟を連れた少年少女が出迎える。

「ただいま、人より大きい魔物がけっこういたよ」

「おかえり、事前にキャンプ道具持って来て正解だったね」

「俺、テント初めてだ」

「僕もだよ。なんか、わくわくするよね?」

「リアルだと難しいし、保護者がいないからね」

「カタリナ先生に聞いて、良かったよね」

「冒険屋のキャンプ道具が買えたしね。魔物避けのアイテム使うよ?」

「魔物避け線香だよね? 効果は8時間だから気を付けてね」

「念の為に、交替で見張りを決めようか?」

「そうか! カタリナ先生の言っていた事だね?」

「そう…… 襲って来るのが魔物〝だけ〟とは限らないからね」

「なら、早めに飯を食べて…… 男子と女子で別れて交替で見張るか?」

「〝このこ〟達がいるしね。それでいいと思うわよ」

「じゃあ、ごはんを食べた後から5時間と朝までの5時間で分けて見て、様子を見る?」

「だね。明日、辛かったら仮眠を取る様にして、また考えるとしよう」

カタリナ(カナエ)に、狼、獅子、竜、鳥、象の姿をしたパワードスーツ型の鎧を渡された少年少女達は……

ドキドキとワクワクしながらも、先生達と冒険屋で受けた忠告を守り夜営をするのだった。

 ・
 ・
 ・

「ちゃんと…… 使ってくれたみたいね」

遠く離れた場所から望遠鏡を覗きながら、【アン】が呟く。

「だいじょうぶ? お料理してる?」

近くで警戒していた【リン】がアンに聞いた。

「だいじょうぶ、ちゃんとかまどを作って火起こししてるよ」

「ちゃんとできるかな?」

「カナエさんの鎧達が付いてるから、だいじょうぶでしょ。私達も戻りましょう」

「うん…… みんな、がんばれ!」

少年少女の姿を確認して、アンとリンが自分達のキャンプ地に戻る……

その姿には、猫耳と猫尻尾が生えていた。

 ・
 ・
 ・

 ~ 少し前の冒険屋のクランメンバー専用リビング ~

「何コレ?」

リン達に呼ばれたカナエが、冒険屋のクランメンバー専用のリビングに入った瞬間…… 混乱した。

「「「「「「いらっしゃい♪」」」」」」

リンを始めとして、アン、マナ、ユキ、マコに…… そして、シロが…… カナエの〝格好〟をしていたのだ。

「何で…… 私の姿に……?」

「〝これ〟ですよ♪」

「これって……〝引換券〟!?」

それは、勇魔大戦イベントで隠しポイントを獲得したプレイヤーに配られた〝引換券〟でした。

カナエの考えに共感したクラン【トイボックス】のクランメンバー達とその協力者は……

緑人達の救出に尽力した事で、隠しポイントを獲得していた。

「で、わたし達の引換品の中に」

「〝混沌神なりきりセット〟があったの♪」

「で、人数分交換したの…… どうかな?」

顔つきに体型、髪型をそのままに…… カナエと同じ様な猫耳と猫尻尾を生やし、同じ服装をしている……

「色合いが少し違うのね?」

カナエの様な漆黒では無く、漆黒の部分は黒に近い紺色で、【はうりんぐ】のレプリカ魔導ライフルはシルバーでは無く、銅の様な色合いをしている。

「〝かかさま〟、にあう?」

「うん♪ シロちゃん可愛いよ♪」

新世界で結婚式をして以来、シロがカナエを母として慕う様になったが……

その姿は、歳の離れた姉妹の様だった。

そして…… 混沌神なりきりセットでカナエに扮装する事が、トイボックスの女子クランメンバーの中で、暫く流行るのだった。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

鋼なるドラーガ・ノート ~S級パーティーから超絶無能の烙印を押されて追放される賢者、今更やめてくれと言われてももう遅い~

月江堂
ファンタジー
― 後から俺の実力に気付いたところでもう遅い。絶対に辞めないからな ―  “賢者”ドラーガ・ノート。鋼の二つ名で知られる彼がSランク冒険者パーティー、メッツァトルに加入した時、誰もが彼の活躍を期待していた。  だが蓋を開けてみれば彼は無能の極致。強い魔法は使えず、運動神経は鈍くて小動物にすら勝てない。無能なだけならばまだしも味方の足を引っ張って仲間を危機に陥れる始末。  当然パーティーのリーダー“勇者”アルグスは彼に「無能」の烙印を押し、パーティーから追放する非情な決断をするのだが、しかしそこには彼を追い出すことのできない如何ともしがたい事情が存在するのだった。  ドラーガを追放できない理由とは一体何なのか!?  そしてこの賢者はなぜこんなにも無能なのに常に偉そうなのか!?  彼の秘められた実力とは一体何なのか? そもそもそんなもの実在するのか!?  力こそが全てであり、鋼の教えと闇を司る魔が支配する世界。ムカフ島と呼ばれる火山のダンジョンの攻略を通して彼らはやがて大きな陰謀に巻き込まれてゆく。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私のお父様とパパ様

ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。 婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。 大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。 ※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。 追記(2021/10/7) お茶会の後を追加します。 更に追記(2022/3/9) 連載として再開します。

【書籍化進行中、完結】私だけが知らない

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...