新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

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第11章 神々の魔王と勇者育成計画編

多くのヒーロー達は…… 黒子に徹する? 混沌神な妖精軍の暗躍!?

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 ~ 勇者側蒼人プレイヤーと〝呼び出された緑人〟の回復術士…… ~

「ぐっ! ちきっしょーが! おい、回復しろ!」

「無理です。魔力が尽きました……」

「チッ…… なら、盾になりな!」

「えっ!? やあ!」

蒼人プレイヤーが、呼び出した緑人の回復術士の少女を盾にする様にして、前に突き飛ばした!?

迫り来る攻撃に少女が震えながら、目を瞑る……

「…… あれ? 痛くない……」

「お姉さん、大丈夫ですか?」

「えっ?…… あっ、ヒーローさん?」

緑人の回復術士の少女に迫る攻撃を打ち消して、赤い〝ヒグマ〟なヒーローと緑色の〝グリズリー〟なヒロインが現れた。

「しっかりと掴まってね? レッド、いくよ♪」

「えっ? ちょっと…… きゃあ!?」

「な…… おい、ちょっと、待ちやがれ!」

「待たない。人を盾にするぐらいなんだから、見捨てられる覚悟があるよな?」

「NPCだろうが! プレイヤーの俺を助けてくれよ!」

「俺達には〝人〟だよ…… じゃあな」

緑人の回復術士の少女を連れて、ヒーローとヒロインが立ち去る。

その背に蒼人プレイヤーの罵声を浴びながら…… だが、直ぐに静かになるのだった。

 ・
 ・
 ・

『救出に成功しました』

「お疲れ様、護衛班と合流して次に向かってね」

『『了解』』

フェアリーガーデンでカナエは……

「おねえちゃん、コレ…… なに?」

「うん…… さっきいた場所の地図かな……」

緑人の少女の質問に答えながら、カナエが空中に標示された〝地図マップ〟に、特殊な印のマーカーを操作して配置していく……

その姿は、将棋やチェスをしている様だった。

「この青いうごくのは?」

「それは〝勇者〟達だね」

「じゃあ…… 赤いのは?」

「そっちは〝魔王軍〟で…… 黄色いのが〝傭兵〟達に、オレンジが〝PK〟達だね」

カナエが見ている地図には、このイベントの各勢力の位置がリアルタイムで標示される……

戦略シミュレーションゲームの様に各勢力の動きが解るのは…… くノ一マウスガールの【ちい】を始めとした〝忍部隊〟の活躍があった。

実は…… カナエと白銀の天勇者ギンガが追いかけっこしてる間に、超小型の監視カメラとGPSを搭載した〝スパイダー〟を各勢力に張り付けたのだ。

「次は…… 魔王側かな?」

超小型スパイダーから送られる情報を元に、カナエが黒いマーカーを配置していく…… 黒いマーカーは、〝フェアリーガーデン〟の勢力だった。

「この白いマークは…… 何ですか?」

緑人の少女を後ろから抱きしめる様に、元闇の女神が覗き込む。

「それは〝保護対象〟かな」

女神が指差す〝白いマーカー〟は、蒼人プレイヤーに呼び出された緑人で…… 蒼人プレイヤーに〝見捨てられた緑人〟を示すマーカーだ。

「みんな…… だいじょうぶなの?」

「〝ヒーロー〟さん達が駆けずり回ってるから、大丈夫♪」

 ・
 ・
 ・

「ぐっべら!?」

物凄い勢いで、PKプレイヤーが吹き飛ぶ!? その顔には〝拳〟の跡が刻まれていた。

「ゲスが……」

プレイヤーをPKした後、プレイヤーが呼び出した緑人を襲ったPKプレイヤーを……【ヨクユウバイオレット】の一撃が吹き飛ばしたのだ。

「今ので…… この辺りのPKは最後よ。行きましょう」

「あ、あなた方は?」

「私達は【ヨクユウジャー】……〝混沌なる女神の使い〟よ♪」

「女神様の?」

「さあ、安全な場所に案内するわよ」

 ・
 ・
 ・

「戦闘力の無い緑人の保護は、順調ですね」

「希望者は、呼び出した人の処に送って」

「大半は…… 戻る事を拒否してますけどね……」

「わたしも、こわいから…… やぁ!」

地図マップを確認しながら、カナエは緑人の少女とお茶を飲む。

「アレ? マコちゃんのマーカーが…… 無い!? えっ、ちょっと、ウソ! 何処に行っちゃったの!?」

『カナ姉さん! マコちゃんが〝魔王ボスフィールド〟に入っちゃったよ!!』

「何だって!?」

『どうしよう……』

「〝勇者ロイド〟達を召集! マコちゃんの救援に向かいます!!」

「「「「「了解ヤー!!」」」」」

召集した〝勇者ロイド〟に、マコの救援を指示すると…… カナエも急いで、マコに通信を試みる!

『もしもし? カナおねえちゃん?』

「マコちゃん!? 大丈夫? 恐い目に会ってない?」

『うん♪ ミントスおねえさんといっしょなの♪』

「ミントスさん? ミントスさんが一緒なのね? 怪我は?」

『わたしは、だいじょうぶだけどね。ミントスおねえさんをイジメた人がいたから、〝うるばーん〟と〝ぐんそう〟がたたかってるの』

「ウルバーンと軍曹が戦ってる……って、魔王と!?」

『う~んとねぇ…… まおうさんのこぶんさんたちとたたかってるの』

「魔王軍と戦ってる!? マコちゃん、私達を〝呼んで〟! 今直ぐに!!」

『うん、〝よぶ〟ね♪』

「皆、後はお願い」

「行ってらっしゃいませ。カナエ様」

カナエが立ち上がると、魔導ライフル形態に戻った〝はうりんぐ〟が、カナエの手元に飛ぶ。

はうりんぐを掴むと、カナエの足下に〝転移陣〟が現れた。

「じゃあ…… カナエ、行きま~す!」

勇者ロイドを引き連れて、マコの元にカナエは転移した。

転移したカナエが最初に見たのは……

手榴弾を口に入れられて、頭が爆発する〝オーガ〟系モンスターだった。

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