新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

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第11章 神々の魔王と勇者育成計画編

カナエ、我慢が出来ずに…… 開け放つ!?

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妊娠初期の倦怠感と悪阻から逃れる様にして、新世界に入り浸るカナエは……

「もう…… 無理!!」

我慢の限界を迎えていた……

「ロボット…… 作りたい~!!!」

現実世界でも、カナエは目覚めてから…… ず~っと、ロボット系のプラモデルなどを作り続けていたが……

妊娠初期になり……

現実世界でプラモデル制作が困難になってしまったのだ。

「現実世界だと、倦怠感と吐き気で…… パーツの切り離しすら満足に出来ないからね」

(先ずは…… 軽めに警備ロボット系を作るかなぁ?)

フェアリーガーデンのプラントの一室……

エミリーと憑依合体した白衣の博士スタイルで、カナエが人サイズの人型警備ロボットの制作を始める。

(外部よりも内部骨格の方が滑らかに動くかな? 見た目はどうしようか……)

こうして…… 我慢の限界を迎えたカナエの手によって、フェアリーガーデンに人間サイズのロボット兵団が作られていった。

「基本の人型アンドロイドに、遠中距離攻撃のキャノンと遠距離砲撃と堅さが売りのタンク型……って、○作戦と同じ布陣じゃないですか!」

「失礼な! 3号機は電子戦特化型だよ」

「それでは、ド○グナーですよ」

「この子達の運用データを元に、最高の量産人型アンドロイド兵団を作って見せるわ!」

「将来的に…… アンドロイド達に反乱されそうなので、程々にして下さい」

「と……まぁ、9割本気の兵団作りは、此処までにして」

「ほぼ本気だったんですね」

「眷属の武装強化を始めたいと思います!」

「今のカナエ様に何を言っても無駄の様ですね…… 学園での指導の時間です」

「此処は私に任せて、行きなさい!」

「では、行って参ります」

指導の時間になって学園に向かうせっちゃんを、敵の足止めに残る仲間風に送り出して……

 ・
 ・
 ・

「さあ…… 私の罪(積んだ未開封プラモデル)の数を数えて!」

「今更…… 数えきれるの?」

「無理…… 入口まで箱で隙間が無いもの……」

「相変わらずか…… ちゃんとしないと、赤ちゃん生まれるんでしょう。ジノさんに嫌われるよ?」

「ジノさんも、そう言うの好きみたいなんだけどねぇ…… 赤ちゃんの部屋だけは死守するって、言われた」

「はぁ~…… 当たり前でしょう」

「ですよねぇ……」

フェアリーガーデンの大温泉浴場に来ていたターニャと駄弁りながら、量産型パワードスーツの設計を進める。

「だから…… 新世界こっちで作りまくるの♪」

「しょうがない…… 出来るだけ付き合ってあげる」

「さすが、だからターニャ好き♥」

「新妻が、何言ってるの…… ちょっと動きが固過ぎかな?」

「えっ…… 関節の可動部が狭過ぎたかな? これで…… どう?」

「うん、良い感じになったかな…… ところで勇者候補は決めた?」

「ううん…… 決めてないよ」

「えっ、決めてないの? てっきり、パワードスーツ鎧をあげた子達だと思っていたけど……」

「それとなく聞いたら…… 勇者になるよりも、普通に新世界を冒険したいって」

「そうかぁ~ カナエの話を聞く限りだと…… 現実で苦労してる子達みたいだしねぇ。普通に動き回る方が楽しいかも」

「学園に来たのも、基本的な動作を覚えに来たみたいだよ」

「となると…… エン君達が第一候補になるの?」

「エン君達も辞退したよ。マコちゃんの学校生活練習に付き合いたかったみたい」

「マコちゃんは良い子だからねぇ……」

「うん、私達の赤ちゃんも…… ああ育つと良いなぁ」

「で、勇者候補が決まらないのね?」

「まあ…… 最悪、試練の洞窟ダンジョンに送り込んで…… クリアしたら、勇者候補で良いと思うよ」

「あれ? でも勇者がいないと、例のコックピットが開けられなくて…… カナエが困るんじゃないの?」

「アレねぇ…… アレって…… 本当に開けるのに、勇者が必要かな?」

「えっ!? どう言う事?」

「邪神の力を祓えるならば…… 勇者じゃなくても…… 良くない?」

「えっ…… それって…… 良いのかな?」

「ジノさん呼んで来て、開けようか♪」

 ・
 ・
 ・

「で…… 本当に開けるのか?」

カナエに呼び出されて来たジノとターニャを連れて……

厳重に保管していたコックピットの前に来た。

「邪神の力ごと封印された女神様を助ける為に勇者が必要って、話なんだけど…… 一応の混沌神の私と私の〝眷属神〟になったジノさんに〝勇者の鎧(仮)パワードスーツ〟を着たターニャがいたら…… 勝てるんじゃない?」

結婚式の後……

新世界の関係者を集めた披露宴で、最高神達が悪乗りして……

「混沌神の夫ならば…… 我等の眷属に相応しいな?」

「ならば…… 是非、光の眷属に!」

「いや、魔じゃ!」

「いやいや! そこは風だよ」

「悪党を殴るなら! 火だ!!」

「子供達を護るなら水が良いわよ」

「護るなら、地じゃ!」

と、ジノさんの取り合いを始めたので……

「ダメ! ジノさんは私のなの~!」

「「「「「「「「「どうぞ♪ どうぞ♪」」」」」」」」」

と言うやり取りの後……

ジノさんは、混沌神の眷属神になりました。

「じゃあ…… 開けるよ?」

「よし…… 来い!」

「しょうがないから…… 付き合うわよ♪」

ジノとターニャが構える中、カナエがコックピットハッチを開けると……

封印されていた女神は…… 光の最高神を黒くした様な瓜二つの姿をしていた。

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