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第11章 神々の魔王と勇者育成計画編

ただいま、勇者(エースパイロット)育成中!! その時のカナエは、実は……

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「はい、次は…… その状態で、50メートルを全力で走って下さい!」

ラジオ体操が終わった5班メンバーに、50メートルを全力で走って貰いながら……

カナエが黒縁眼鏡をクイっと上げた。

(どう? エミリー? データは録れてる?)

カナエが自身に問いかけると……

(ああ、順調だ。録れたデータはフェアリーガーデンで、エナが解析してメイルと最適化中だ)

実は…… カタリナの白衣姿は、カナエがエミリーと憑依合体した姿である。

エミリーと憑依合体したカナエが現地でパワードスーツ型鎧の実験データを撮りながら調整しては……

そのデータをフェアリーガーデンに送信、フェアリーガーデンで解析し最適化したデータ受信し、そのデータを元に現地で改修するのだ。

(象を選んだ子…… 走りが苦手…… と言うよりも走った事が無いのかな?)

マコちゃんの時を思い出して、パワードスーツ鎧に介助システムをアップロードする。

「やった事が無い動きは、鎧の動きに合わせて…… 感覚を覚える事からゆっくりとやりましょう」

象のパワードスーツ鎧を着た子が、ゆっくりとその場で足踏みを始める。

「君達が着ている子達の成長の為にも、自分の得意な事と苦手な事をしっかりと確認して下さいね」

「「「「「はい」」」」」

(やはり…… 私よりも、マコちゃんと同じ境遇の子達なのかもね)

マコちゃん同じ……〝身体を動かす事を知らない〟動きをする5班メンバー達に、ゆっくりと身体の感覚と動きを馴染ませる。

「はい、集合して下さい!」

「「「「「はい」」」」」

「え~…… しばらくは、実験データを録る為にさっきの様な基礎訓練をします。それから…… 学園の外でのデータを録る為に、これと同じインナーをこれから配るので、着て下さいね」

「はい、質問です!」

「何ですか?」

「この鎧を着て、学園の外に出ても良いですか?」

「それは、まだ調整中なので危険です。その子達を着て戦闘訓練がしたいのならば、このラボの隣にデータ録り用の戦闘訓練所があるので、そちらを利用して下さい」

「実験が終るまで、王都にいた方が良いですか?」

「はい、滞在場所は心配要りません。学園内に寮があるので、そこでログインやログアウトして下さい」

「カタリナ先生がいない時や、ログインの時間がズレる時は、どうしたら良いですか?」

「このラボに管理者を常駐させるので、君達の都合が良い時に協力して下さい。他の質問は無いですか?」

「今のところは……」

「無いです」

「だいじょぶです」

「では、インナーを配ります。受け取ったら今日の実験は終了にします。後日、知らせるまでは自由に参加して下さい」

「「「「「はい」」」」」

インナーを受け取り5班メンバーの子達がラボを出たのを確認すると……

私は、メイドモンスターとヴァルキリーゴーレムを呼び出してラボに配置した。

「後はお願いね」

「お任せください。ご主人さま」

メイドモンスターとヴァルキリーゴーレムに手を振り、フェアリーガーデンに転移した。

 ・
 ・
 ・

「お帰りなさいませ。マスター」

「主さま、お帰りなさい」

「ただいま…… ちゅかれた……」

メイルとエナの出迎えを受けながら、エミリーとの憑依合体を解除する。

「ただいま、これが憑依合体の感覚……」

「姉さん?」

「何でもない…… ところで、主、私との憑依合体はどうだった?」

「うん? 戦闘以外では初めてだったけど…… アグラと巴に比べて…… 体力の消耗が少ないかなぁ…… 後、パワードスーツの改良点とかに関する生産系の思考が速かった感じがした」

「エミリーさんは、生産系職なので…… そう言ったボーナス補正があるのかも知れませんね」

「そうかもね…… アグラや巴の時は攻撃法が速く頭に浮かぶもの」

「それならば、生産時に私達と憑依合体しては?」

「それもありかもね。でも、その前に…… 貴女達から見て、5班メンバーはどう?」

「今のところは…… 断言出来ません。ですが、真面目に取り組む姿勢に共感を持ちます」

「努力しているので…… 出来る限りは手助けしたいです」

「私は、もう少し様子を見てからじゃないと…… 解らないな」

「そう…… 私的にも、マコちゃんと同じ様な事情の子達みたいだし…… 出来る範囲の協力をしたいと思います。今後の状況を見て、パイロット教育もしたいから筐体コックピットを作る事にします」

「了解しました」

「とりあえずは…… 正式採用型のコックピットを元にしますね」

「いずれは…… 全種類作るからね」

「まあ…… 既に機神持ちの可能性もあるから、最初は基本の正式採用型が無難だろうな」

「それでは…… 随時、記録したデータを元に5班メンバーを育成すると言う事で、お願いね」

「では…… 私はデータから適切な訓練メニューを制作します」

「私とエナは、筐体のコックピット作りだな」

「はい、姉さん」

「よろしくね。みんなで協力して、優秀なパイロットにするよ♪」

「主さま……」

「私達が協力してるのは……」

「勇者育成だが……」

最後にカナエの本音が漏れて、5班メンバーの育成会議は終了した。

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