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第10章 種を超えた妖精は夢と舞踊る編

イベント後…… 創造者と神々の話し合い

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 ~ イベント直後のフェアリーガーデン ~

「で、邪神撃破報酬の相談会を始めます!」

フェアリーガーデンの中庭…… 世界樹の前は、新世界の開発者の麗華さんと同じく開発者で夫のマイケルさん、妖精神様と精霊神様に最高神様達が集まっていた。

「あの~……」

「はい、カナエちゃん!」

「何で…… 相談会に私が参加してるんです?」

「それは……」

「混沌神だから」

「邪神撃破の現場にいた」

「そして……」

「そして?」

「「「「「「「此処が、居心地いいから(じゃ)(だ)(だよ)♪」」」」」」」

参加者が満場一致して頷いている姿に、カナエの肩の力が抜けた。

「それじゃあ、向こうよりも時間加速しているとは言え、時間が無いから話し合いの続きね♪ 各サーバーの参加者の参加賞にGと要望の多い一定のジョブになれるレアクラスアップアイテムを配ります」

「問題は上位の参加者だが…… 混沌神よ。蒼人プレイヤーとしての意見は無いか?」

「プレイヤーとして…… それならば、邪神の神力に耐える装備や効果的な武器は、どうでしょうか?」

「神力に対抗する武具か…… しかし、それでは我等にも効果的で危険じゃぞ」

「ならば、穢れから身を護り祓い退ける武具にしたら、いいんじゃない?」

「では…… 各サーバーの上位10人に、各武具を選べる様にしましょう」

「魔法ジョブの者達には、何を渡すの?」

「そこなのよ! 下手に強力なヤツを配ると…… あの子がまたやらかすでしょう?」

「めておんか…… いい加減、下級モンスターにメテオを射つのは…… 止めて欲しいかな」

「それなら…… これは、どうですか?」

「本?」

「混沌神が出した本だ。ただの本じゃないよな?」

「中級魔法までなら、10個まで封印して置ける魔導書です」

「魔法を封印…… なるほど、MPが切れた時の切り札になるわね」

「はい、攻撃だけでは無く、回復魔法を封印して置けば回復も出来ます」

「その魔導書の数は?」

「同じ性能のが…… 30冊在りますね」

「すまないけど、提供していただけるかな?」

「いいですよ」

「ありがとう…… 次に、ラストアタック賞と助っ人報酬についてだけど……」

「ラストアタック者は魔王ジョブの子だよね? 邪神を撃退した功績で聖魔王ジョブにクラスアップしたら?」

「それだけでは少ないな…… 何か無いか?」

「はい!」

「混沌神」

「私のダンジョンの一部を譲る事は出来ますか?」

「魔よ、可能か?」

「出来るが…… 何故じゃ?」

「まだ幼い子なので、私の処で保護したいです」

「それについては賛成ね。スレイブ勇者みたいのに絡まれる危険があるもの」

「ならば、混沌神の加護を与えては、どうだ?」

「私の加護ですか?」

「ええ、邪神を撃退した事でカナエちゃんは、大神になりました♪」

「俺達の次に偉い階級だからな」

「とは言え、カナエちゃん以外に混沌の神はいないから、事実上の最高神だけどね」

「そろそろ、眷属神を持っても良いわよね?」

「だが、慎重に選ばなければ邪神の二の舞になるぞ」

「候補は?」

「混沌の眷属神ならば、同じ混沌の力を持つ【彼】が相応しいね」

「ちょっと、話が脱線しているのじゃ」

「ええ、混沌神と眷属神の事は後にして、助っ人の報酬の話をしましょう」

「リアルマネーと特殊武具が無難だな」

「プロプレイヤー達は、見た目に拘りを持つプレイヤーが多いからな…… 上位の報酬武具と同じ物だと不満が出るかも知れない」

「なら、特殊効果持ちの武具が出来る素材アイテムにしたら…… どうです?」

「それいい♪」

「採用するとして、どんな素材が必要かな?」

「鉱石は当たり前じゃな」

「軽装者の為に生地と糸は?」

「後、杖や柄に使う木材もか?」

「う~ん…… めんどくさいから、加工すると特殊効果を持つ宝玉になる原石にしない? 武具に付けると効果を付与する宝玉になるって説明を付けて」

「それは良い考えね。今のお気に入り武具も強化出来るもの」

「では、助っ人報酬は決まりね」

「後は……」

創造者と神々が、カナエを見る。

「な、何ですか?」

「カナエちゃんの報酬を、どうするか…… ね?」

麗華の言葉に、カナエ以外が頷く。

「私の報酬ですか?」

「乱入者撃退のね。で、何が欲しいの?」

「私の望みは……」

 ・
 ・
 ・

 ~ カナエのダンジョン モフモフ村 ~

「で、これがお望みですか?」

ゴゴゴゴゴ……
カナエ達の前で、勢い良く飛沫を上げて沸き上がる泉。

「うん♪ 欲しかったんだよねぇ~ プライベート温泉♪」

勢い良く湯煙と温水を噴き上げる泉は、温泉の間欠泉でした。

あの時、カナエが望んだのは…… 火属性のダンジョン知識でした。

「水属性の知識は持ってるから、後は火属性の知識だけだったんだよねぇ~ ここから引いて源泉かけ流しにしようか♪」

「落ち着いてください。先ずは、入浴施設の建設からです」

 ・
 ・
 ・

 ~ とある酒場 ~

「おっ! 久し振りだな? 最近どうよ?」

「お前かよ…… 随分とご機嫌だな?」

「うん? 知らねぇのか?」

「何をだ?」

「あのダンジョンに追加エリアが出来たのを?」

「あのダンジョン? 何処のダンジョンだよ?」

「夜のって、言えば解るだろ?」

「おい!」

「静かにしろよ」

「悪い…… で、どんなエリアだ」

「温泉だ。しかも、和風と洋風の入浴施設に美女がいっぱいの混浴大浴場だぜ」

「よし、一風呂浴びに行くか?」

男達が酒場出た後……

酒場にいた男性客が一斉に酒場を出るのだった。

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