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第10章 種を超えた妖精は夢と舞踊る編

古代超巨大戦艦攻略イベント イベント後の魔王幼女マコ

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「ここが…… マコのおへや?」

「ああ、好きに使っていいからな」

トイボックスのクランハウス【冒険屋】の別館で、元オーナーの家の現女子メンバー専用ハウスの一階に…… 魔王幼女マコとウーとエリ達いた。

あのエクストラステージをクリアした事で、難易度やさしいのサーバーは……

魔の最高神様が「残った穢れを祓う為に、偽りの邪神の姿にするでの。お主達の修練の場にするがよい」と、イベント期間はボスアタックし放題のボーナスステージに変わり……

何度か挑む内に、ユキと仲良くなったマコをカナエの薦めもあり、エン達がクランに誘ったのだ。

「でも…… マコがいても…… だいじょぶなの?」

「良いお部屋なのですが……」

『うむ、あの性悪勇者の様な輩が出ぬか?』

「その事なんだけど……」

「「『?』」」

 ・
 ・
 ・

『何だ!? 此処は……』

「すごい! おしろだ♪」

「なんて…… 立派なお城なのでしょう」

マコの部屋に設置された【隠し転移陣】で、マコ達が転移した先は……

「どう? 気にいった?」

「えっ!? カナおねぇちゃん?」

カナエのダンジョン内のあの場所、モフモフ村に建てられた城でした。

「創星の混沌神たる私からのご褒美に、この城を…… 魔の邪神の穢れを祓いし【覇軍の聖魔王】に譲渡します。此処ならば戦闘禁止区域だから、ゆっくり出来るよ」

あのスレイブ王への瓶直撃ラストアタックで、マコはテイマー系聖魔王ジョブの【覇軍の聖魔王】にクラスアップしたのだ。

後、クリア報酬などで色々と手に入れてしまい…… 公式のダイジェスト動画で有名プレイヤーの仲間入りも果たしたマコに……

プレイヤー達が殺到したのだ。

あの手この手で、クランに勧誘やPKを狙うプレイヤー達の魔の手から、守りながら冒険屋に連れて来たトイボックスメンバーの話では……

「PKよりも……」

「一部の勧誘勢が怖かった!」

との言葉に、メンバー全員が頷いていた。

「グリモワールの中の子達も、グリモワールの召喚で喚べるから、この城の敷地に住ませると良いよ。あっ、ちょっと出て来て」

カナエが城の壁に話しかけると……

「創造主さま、お呼びでしょうか?」

城の壁や床、天井から光の粒子が流れて集まると…… メイド服を来た幼女が現れた!

「めいどさん?」

「彼女は、この城に宿る【シルキー】」

「しるきーさん?」

「え~と…… 家とかに住む妖精さんの事だね。このマコちゃんが貴女の新しい主人です。この城は、このマコちゃんの魔王城になりました」

「新しいご主人さまですか?」

「そう、マコちゃん、この子とも契約してくれる?」

「うん、マコとお友だちになってください」

シルキーの幼女の手を握り、マコが見つめると……

「よろこんで♪ マコさま、わたしに名をください」

可愛らしいカーテシーをしたシルキー幼女に、マコが少し考えてから……

「めいちゃん…… めいちゃんでいい?」

「はい、わたしは【めい】です」

「めいちゃん、よろしくね♪」

二人の幼女の微笑ましい姿を見ていると、マコの横に浮かんでいたグリモワールが光る!? グリモワールの背表紙にメイド姿の幼女が現れた……

その幼女は、嬉しそうに微笑んでいた。

 ・
 ・
 ・

「その調子で…… ゆっくりですよ」

「マコさま…… がんばれ!」

エリとめいに手を引かれて、歩行訓練をするマコをカナエが見ていると……

「あの子は…… 守るべき主人を見付けたのですね……」

カナエの後ろに、ロッテが現れた。

「ええ、可愛らしいわね。ロッテ、あの子達は大丈夫よ。私達が守るから…… ねぇ? ジノさん」

「ああ…… まあ、俺よりも【お兄ちゃんお姉ちゃん達】が、張り切ってるけどな」

カナエに寄り添う様に、ジノが現れる。

「ありがとうございます」

元が呪具の【呪われたメイド服】だったロッテには、思う処があるのだろうか? ほっとした様な顔をした後、優雅に礼をした。

「カナおねぇちゃん♪ ヒーローさん♪」

カナエ達の姿を見付けたマコが、無邪気に微笑んで手を振る。

「無理しない様に、ゆっくりね♪」

その姿に、二人は手を振り返して、カナエが声をかけると……

「はぁい♪」

嬉しそうにマコが返事を返して、歩行訓練を再開したのだった。

その後は……

マコの歩行訓練とモフモフ城とモフモフ村を探検して、ログアウト……

 ・
 ・
 ・

 ~ 現実世界 ~

「今日のパトロール報告は…… これだけです」

『了解、お疲れさま。また明日もお願いします』

「はい、それでは失礼します」

定時報告を終えて、VRメットを外したジノが身体を伸ばしていると……

コンコン♪ ドアをノックする音がした。

「はい…… どうした?」

ドアを開けると…… 金髪に近い茶色の腰まで伸びたゆるふわの髪をした少女が、ジノに抱き付く!?

「ど……「マコちゃん見ていたら…… 子供が欲しくなりました」!?」

顔を真っ赤にして抱き付く少女に、ジノが天をあおいだ後…… ゆっくりと抱き上げた。

「もう…… 可愛すぎて、ズルいな……」

少女を抱き上げて耳元で呟くと……

チュッ!
優しくキスをしてジノは、ゆっくりとドアを閉めた……

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