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第10章 種を超えた妖精は夢と舞踊る編

涌き出る悪意に翻弄されし弟に、姉と言う流星が落ちる…

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「くそが! きりがねぇ!」

突如として、スレイブの地下砂漠から現れた超巨大な古代戦艦の上で……

「デンライ、へこたれてる暇は無いぞ。弱音を吐いてる内に、次が来るぞ!」

古代戦艦から涌き出す邪神機を叩く、ジノとデンライは…… 数に押され始めていた。

まるで巣を突っつかれた蟻や蜂の様に、超巨大な古代戦艦から邪神機が溢れ出す。

「くっ、倒しても倒しても、またすぐに涌きやがる。どんだけいやがるんだ!?」

「まさか、ダンジョン化した海底遺跡と同じなのか?」

『フッハッハッハッ! この我が玉座たる【方舟アーク】には、ありとあらゆる機能が備わっているのだ。無論、機神にまつわる機能もな』

さらに邪神機出して、古代戦艦からスレイブ王の誇らしげな声が響く。

「この! その機能とやらで、邪神機を量産したと言うのかよ!」

デンライが迫り来る邪神機を切り飛ばして、吼える!

「しかし、お前一人では、その機能を使える様には出来まい。緑人を拐ったのは…… お前だな」

『フッ…… それがどうした? 方舟アークの修繕に奴隷にした職人どもと、カジノで貴様等蒼人から巻き上げた金と素材を注ぎ込んだ。王たる俺の奴隷になったのだ…… 光栄であろう?』

「屑ヤローが! 先王の息子って話だったが…… 同等くらいの屑だな!」

『貴様…… 父上を愚弄したな! 逃げた奴隷の癖に生意気な。奴を潰せぇ!!』

ドッゴーン!
『「「!?」」』

突然の轟音が鳴り、超巨大な古代戦艦が揺れた!? 古代戦艦【方舟アーク】に何かが落ちたのだ。

衝突の余波で邪神機軍団の一部が吹き飛び、土煙が上がっていた。

『な、まさか! 索敵範囲外からの砲撃か!?』

ギャカーン!
土煙の中から黒い布に包まれた機神の手が現れ! 邪神機を掴むと…… ベキッ! 掴まれた邪神機が音を立てて握り潰される!

「ジノさん、アレは……」

「ああ…… 預かっていた機神だ」

黒い布に覆われた機神が、邪神機軍団に襲い掛かる!?

『おのれ…… たかが1機、数で潰せ!』

暴れ回る邪神機狩りの機神に、邪神機軍団が群がる!

「どうなってんだ? アレにも自動起動装置が付いてるのか?」

群がる邪神機を薙ぎ倒して、無双する黒い死神機神……

「いや…… 不味いな。邪神機に共鳴して暴走してるぞ!」

ジノが自身の体内にあるカオスストーンから、機神が邪神機軍団に流れる邪神の神力に共鳴して、暴走した事に気付く。

「止めないと、邪神機に逆戻りするぞ!」

「でも、どうやって止めるんだ? キングとマスクGの限界も近い」

「俺が乗り込んで止める! デンライ、援護してくれ」

『なかなかと…… 美味しそうなのが揃ってるわね? ボウヤ』

『「「!?」」』

突然の女性の声に、ジノとデンライが上空を見る!

「くっ、最悪だ……」

上空には…… 物産展を襲撃し、機神を持ち去った邪神機がいた。

「報告にあった襲撃犯の邪神機か……」

「奴は機神を取り込むらしいが…… 狙いは邪神機達か?」

襲撃犯の邪神機が上空から、品定めをする様に見回すと…… 暴走している黒い死神機神を見る様に止まる。

『そう…… 決めたのね? ボウヤ…… あの黒いのが1番活きが良いものね!』

襲撃邪神機が黒い死神機神に襲い掛かる!

ガッキャーン!
『へぇ…… 止めるんだ』

襲撃邪神機が振り下ろした剣を、黒い死神機神が左腕で止めて右腕で殴り掛かる!

襲撃邪神機が後方に下がって…… 距離を取る。

『とっ、なかなか頑丈な上に速いじゃないの…… ボウヤも、そう思うのねぇ…… その機体を寄越しなさい!』

襲撃邪神機と黒い死神機神の距離が縮んだ瞬間!? 2機の間に閃光が走る!

『何!?』

『必殺! 流ぅぅぅ星ぇぇぇキぃぃぃぃっクぅぅぅぅぅ!!!』

閃光に動きが止まる2機に流星が飛び込む!? フェアリエだ!

『&ぉぉぉ、スピンキック!!!』

襲撃邪神機を蹴り飛ばし! その場でスピンして黒い死神機神に回し蹴りを叩き込む!?

ズッドーン!
蹴られた2機が叩き付けられた衝撃で、方舟アークが激しく揺れる!

『マスターとエミリーさん、エナさんに直していただいた上に、ジノさんが解呪の手助けを買って出ていただいたと言うのに…… この程度で暴走するなど…… この愚弟は!』

フェアリエが…… 黒い死神機神を踏みつける様にして、大気圏突入で発熱したコート装甲を脱ぎながら降り立つ。

『ジノさん、デンライ君、無事?』

「俺達は無事だが……」

「カナエさん、キングとマスクGは限界だ」

『了解、突入に使った追加ブースターから、既に緑人救出部隊が突入したから、デンライ君は後退してキングとGは転送するから』

「俺は?」

『ジノさんは、【マスクランダー】へ…… 死神機神このこの解呪を、フェアリエの隠された機能で一気にやります!』

「了解した」

「ジノさん、後は任した」

ジノがマスクGに乗り込むと……

「マスクオフ!」

ジノの掛け声で、コックピットが稼働して頭部に移動…… マスクGのマスクが、小型戦闘機【マスクランダー】に変形して……

カナエの乗るフェアリエ達の元へ飛び立った!

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