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第10章 種を超えた妖精は夢と舞踊る編
特殊クエストの報酬と新たな火種!?
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「で、あのローブ男が探していたのは……〝これ〟ですか?」
小妖精月フェアリームーンに戻ったカナエ達の前に…… あのローブ姿の青年が調べていた情報端末がある。
ジノが、青年に腹パンした時に奪い取ったのだ。
「何の情報が入ってるんだか…… 確認出来るかい?」
「レイ、お願い出来る?」
「お任せ下さい…… これは…… 地殻変動前の主要都市の詳細な地図データですね……!? 魔神の勢力地の詳細なデータが追加されてます」
「神々の争い時代の詳細な地図データ…… つまり、古代遺跡の地図データか?」
「しかも、軍事基地の場所がまる分かりのですね……」
「このデータは…… 危険だな」
「古代兵器の奪い合いが…… 始まりますね」
「とりあえずは、雇い主に報告だな」
・
・
・
~ 新世界運営 開発室 ~
「そう…… 解ったわ。ありがとう、報酬は送って置いたから…… また頼むわね」
「カナエちゃん達かい?」
「ジノさんからよ。天変地異前の地図データを探る者が現れたわ……」
「目的は、古代兵器か…… 邪神の復活か…… どちらにしても、新世界に新たな騒動が起きるね」
「一応、最高神達には報せる事と…… 過去のデータから古代兵器をリストアップするわ」
「邪神はとにかく、大量破壊兵器とバイオ兵器の流出は押さえないとね」
「私達が始めたとは言え…… 宇宙が出来てからは、最高神達にほぼ任せきりだったツケが回って来たわ……」
「仕方がないよ…… 新世界は、そこで生きて楽しむ者達の世界だからね。私達が干渉し過ぎると…… 新世界の無限の可能性を閉ざす恐れがある」
「そうね…… だけど、今回はネオアースが消えない様に、危険物処理の手助けをするとしましょうか♪」
「ああ…… そうしよう♪」
・
・
・
ピコーン♪
「おっ…… リアルから? 運営から郵便物……」
「私にも来ました。え~なになに…… 今回の報酬は…… マンションの権利書……って、何ですか?」
「あぁ…… 今社宅として使ってる分譲マンションの最上階…… 角部屋の権利書だ……」
「私達の報酬で…… 同じ部屋番号って事は……」
「俺達、二人に住めって…… 事だな」
「二人に……(ぽっ)」
ジノ言葉に、真っ赤になるカナエでした。
・
・
・
~ 帝国 最高議事 ~
「すみません…… 遅れました……」
「遅いぞ!……って、何だ…… その顔は?」
議会中に入室したローブの人物に注目が集まる…… その人物の顔はミイラの様に包帯が巻かれていた。
「失礼…… 新たに生み出した魔獣が中々の出来でしてね……」
「またか…… 味方を襲う様な物では使えんな。魔獣騎兵団団長殿」
「ご安心を…… コレは、私自身の耐性を上げる為にわざとですので……」
「わざと受けたと…… それでその様か? どうやら、我等が帝国に新たに加わった新騎兵団の団長殿…… 愚か者らしい」
「コレは…… なるほど、皆さんは…… 我等、魔獣騎兵団が気に食わない様ですね…… ですが! お忘れの様ですね。魔獣騎兵団は、新皇帝陛下の御意志で誕生した事を……」
「くっ……」
「そこまでだ…… 先の皇帝陛下と宰相が急死した混乱をおさめ、新たな皇帝に成られた【あの御方】に、我等、皆、忠誠を誓ったはずだが…… まさか、その誓いを忘れて…… 内々で争うつもりでは、あるまいな?」
「総団長……」
「いえいえ…… 戦闘総団長殿、その様なつもりはございませんよ。ね?」
「くっ…… 次は、遅れるなよ」
「はぁい……」
「では…… 議会を続けよ……」
・
・
・
~ 帝国 皇帝の間 ~
「へぇ…… じぃじ負けたんだ」
玉座につまらなそうに座る少年が呟く。
まだ、あどけなさが残る顔をした少年…… 彼が帝国の新たな皇帝である。
「本人は、相手が逃げたと言い張ったけど…… ご自慢の顔に傷を付けられた時点で、負けたも同然。しかも、あの頃の地図データも取られたしねぇ」
少年が座る玉座にもたれ掛かる様に、妖艶な女性が現れる……
「じぃじのお顔にキズを付けたの!? 凄い! 戦いに行っても良い?」
「あぁ…… 私の可愛い坊や。今はダメ! その姿と【新しい身体】が定着するまでは動かないで、ここで遊びなさい…… ほら、新しい【遊び相手】が来たわ」
「はぁ~い…… でも、簡単なかくれんぼの鬼ばかりで厭きちゃうなぁ~…… もっと、ちゃんとかくれてよ」
少年が左手を柱にかざすと……
「がっ……」バッシャーン!……
柱から、血を吐いた男が現れて倒れると……【赤黒い水飛沫】が上がる。
「あっ! また、動かなくなっちゃった…… もぉ~! つまんない!」
また一人、物言わぬ肉塊になった者が流される…… 少年が作り出した血の池を……
その血の池は、少年を狙った暗殺者達の血が作り出した物だった。
「はぁ~…… つまんないなぁ~」
その血の池の奥で…… 新たな【遊び相手】が来るのをつまらなそうに、少年は待つ……
「次は…… 直ぐに壊れないと良いなぁ~」
と、呟きながら……
小妖精月フェアリームーンに戻ったカナエ達の前に…… あのローブ姿の青年が調べていた情報端末がある。
ジノが、青年に腹パンした時に奪い取ったのだ。
「何の情報が入ってるんだか…… 確認出来るかい?」
「レイ、お願い出来る?」
「お任せ下さい…… これは…… 地殻変動前の主要都市の詳細な地図データですね……!? 魔神の勢力地の詳細なデータが追加されてます」
「神々の争い時代の詳細な地図データ…… つまり、古代遺跡の地図データか?」
「しかも、軍事基地の場所がまる分かりのですね……」
「このデータは…… 危険だな」
「古代兵器の奪い合いが…… 始まりますね」
「とりあえずは、雇い主に報告だな」
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~ 新世界運営 開発室 ~
「そう…… 解ったわ。ありがとう、報酬は送って置いたから…… また頼むわね」
「カナエちゃん達かい?」
「ジノさんからよ。天変地異前の地図データを探る者が現れたわ……」
「目的は、古代兵器か…… 邪神の復活か…… どちらにしても、新世界に新たな騒動が起きるね」
「一応、最高神達には報せる事と…… 過去のデータから古代兵器をリストアップするわ」
「邪神はとにかく、大量破壊兵器とバイオ兵器の流出は押さえないとね」
「私達が始めたとは言え…… 宇宙が出来てからは、最高神達にほぼ任せきりだったツケが回って来たわ……」
「仕方がないよ…… 新世界は、そこで生きて楽しむ者達の世界だからね。私達が干渉し過ぎると…… 新世界の無限の可能性を閉ざす恐れがある」
「そうね…… だけど、今回はネオアースが消えない様に、危険物処理の手助けをするとしましょうか♪」
「ああ…… そうしよう♪」
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ピコーン♪
「おっ…… リアルから? 運営から郵便物……」
「私にも来ました。え~なになに…… 今回の報酬は…… マンションの権利書……って、何ですか?」
「あぁ…… 今社宅として使ってる分譲マンションの最上階…… 角部屋の権利書だ……」
「私達の報酬で…… 同じ部屋番号って事は……」
「俺達、二人に住めって…… 事だな」
「二人に……(ぽっ)」
ジノ言葉に、真っ赤になるカナエでした。
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~ 帝国 最高議事 ~
「すみません…… 遅れました……」
「遅いぞ!……って、何だ…… その顔は?」
議会中に入室したローブの人物に注目が集まる…… その人物の顔はミイラの様に包帯が巻かれていた。
「失礼…… 新たに生み出した魔獣が中々の出来でしてね……」
「またか…… 味方を襲う様な物では使えんな。魔獣騎兵団団長殿」
「ご安心を…… コレは、私自身の耐性を上げる為にわざとですので……」
「わざと受けたと…… それでその様か? どうやら、我等が帝国に新たに加わった新騎兵団の団長殿…… 愚か者らしい」
「コレは…… なるほど、皆さんは…… 我等、魔獣騎兵団が気に食わない様ですね…… ですが! お忘れの様ですね。魔獣騎兵団は、新皇帝陛下の御意志で誕生した事を……」
「くっ……」
「そこまでだ…… 先の皇帝陛下と宰相が急死した混乱をおさめ、新たな皇帝に成られた【あの御方】に、我等、皆、忠誠を誓ったはずだが…… まさか、その誓いを忘れて…… 内々で争うつもりでは、あるまいな?」
「総団長……」
「いえいえ…… 戦闘総団長殿、その様なつもりはございませんよ。ね?」
「くっ…… 次は、遅れるなよ」
「はぁい……」
「では…… 議会を続けよ……」
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~ 帝国 皇帝の間 ~
「へぇ…… じぃじ負けたんだ」
玉座につまらなそうに座る少年が呟く。
まだ、あどけなさが残る顔をした少年…… 彼が帝国の新たな皇帝である。
「本人は、相手が逃げたと言い張ったけど…… ご自慢の顔に傷を付けられた時点で、負けたも同然。しかも、あの頃の地図データも取られたしねぇ」
少年が座る玉座にもたれ掛かる様に、妖艶な女性が現れる……
「じぃじのお顔にキズを付けたの!? 凄い! 戦いに行っても良い?」
「あぁ…… 私の可愛い坊や。今はダメ! その姿と【新しい身体】が定着するまでは動かないで、ここで遊びなさい…… ほら、新しい【遊び相手】が来たわ」
「はぁ~い…… でも、簡単なかくれんぼの鬼ばかりで厭きちゃうなぁ~…… もっと、ちゃんとかくれてよ」
少年が左手を柱にかざすと……
「がっ……」バッシャーン!……
柱から、血を吐いた男が現れて倒れると……【赤黒い水飛沫】が上がる。
「あっ! また、動かなくなっちゃった…… もぉ~! つまんない!」
また一人、物言わぬ肉塊になった者が流される…… 少年が作り出した血の池を……
その血の池は、少年を狙った暗殺者達の血が作り出した物だった。
「はぁ~…… つまんないなぁ~」
その血の池の奥で…… 新たな【遊び相手】が来るのをつまらなそうに、少年は待つ……
「次は…… 直ぐに壊れないと良いなぁ~」
と、呟きながら……
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