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第10章 種を超えた妖精は夢と舞踊る編

新造機動戦艦【白鳥(スワン)】

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「よく見ると…… 髪の長さと顔立ちが違うし、身体付きは…… 肉付きが良いグラマー?だなぁ……」

「子供達と接した時に骨格が当たらない様に、太めの肉付けをお願いしました」

「金属製骨格ですからねぇ…… 骨格も新調したのですか?」

「元のモデルにしたホムンクルスの身長に合わせたからね。身長は163㎝だよ」

子供達のお世話を頼む時に…… 高身長過ぎると威圧感が出るかも知れないし、いざと言う時に子供達を守る護衛として大人に見える身長にした。

「私の同朋達も、マスターが生まれ変わらせてくれました」

彼女がそう言うと…… 同じ様な【角】が頭に付いた女性が10人現れる。

「【レイ】さん、我々も手伝います」

【レイ】…… カナエが古代の人型サポートユニットバイオロイドを元に、新たに作り出した最初の人造人間カオスロイドの名前です。

レイの後に生まれ変わったカオスロイド達は【ナンバーズ】シリーズとして、生まれ変わった順に数字シリアルナンバーを名乗る様になりました。

「では…… ワンさんからファイブさんは外装のチェックを、残りの方は内部のチェック、私はマスターと艦のメインシステムをチェックします」

「了解しました」

カオスロイド達がそれぞれの作業に向かったので、私はレイとブリッジへ……

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「此処が…… ブリッジですが…… 随分と汚れてますねぇ……」

経年劣化か? それとも盗賊団が使っていたからか? ブリッジは汚かった。

「ちょっと…… 待ってね」

【洗浄魔法】で軽く清掃したら…… レイが艦長席?のデスク前に立つ。

「これより、艦のメインシステムにアクセスします」

レイの【角】から、光がケーブル状に延びて…… デスクと繋がった!?

「艦のメインシステムにアクセス完了…… 艦のメインシステムを復旧します…… メインシステム復旧後…… 艦の現状をチェックします……」

ブリッジの機材が点灯して、照明が付く! その時、エミリーからコールが!?

『主! 1達に言われて艦から離れたら、艦のエンジンに火が入ったんだけど…… 大丈夫か?』

「大丈夫…… 今、レイが艦のチェックをしてるから、少し離れていてね」

『解った。主も気を付けてな』

「うん、解った」

動作確認してるのかな? 時より揺れる艦の中で数分待つと……

「マスター、チェックが終了しましたが…… この艦は動力部が重大な損傷をしています」

「動力部に重大な損傷?」

「どうやら、増設された事で増えた重量に…… 整備不足の動力部がもたなかった様ですね」

「動力部は交換かなぁ…… 他の問題がある場所は?」

「武装システムの9割りが損失…… 外装部の劣化と船体の一部に致命的な亀裂がありますね」

「うむ…… この艦の詳細な設計図はある?」

「此方に……」

「計画を変更します! この艦を元に同型の艦を作る事にします。この艦の改修は、新造艦が完成後にします」

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盗賊団母艦の元々の設計図を元に、同型艦の製作を開始しました。

「艦のサイズが変わらないのに…… 動力部が小型化してますが?」

「新型の魔導エンジンと…… 重力操作システムを追加するから、大丈夫♪」

雀型試験機神で、実用化に成功した重力操作システムを搭載する事で、船体の重量を軽減と重力波操作による重力バリアを発生する事にも成功しました。

「火星のオーパーツで造られた…… どこぞの機動戦艦みたいだねぇ。あのアニメ…… 私、大好き♪」

「何の事ですか?」

「こっちの話♪ で、武装面はどうしようかな?」

「検証の結果…… 重力波バリアが強力なので、迎撃用の光線兵器にミサイル…… 主砲も広範囲の光線兵器にしますか?」

「そこは! 広範囲重力波兵器で♪」

「広範囲の重力波兵器ですか?」

「そう♪」

あくまで、トイボックス(クラン)用の移動母艦なので…… 今回はロボット変形機構は組み込ま無いです。

「積み込みや戦闘補助のマルチアームも付けようか?」

「元になった艦よりも、重量軽減と強度が高いので組み込み可能です」

「じゃあ、組み込んで造船を開始しよう♪」

こうして…… トイボックスの移動用250メートル級機動母艦【白鳥スワン】の造船が開始されました。

見た目は、元になった盗賊団母艦の古代の輸送戦艦ですが…… 艦の両側面にマルチアームと100メートルくらいのタワーシールドが1枚づつ設置されて、艦の外部装甲は周りの風景を自身に投影して同化するミラージュ迷彩仕様の特殊多層装甲で仕上げた。

「これで、多少な事ではノーダメージでしょう? 武装の取り付けも始めようか?」

「すでに、重力操作システムによる広範囲重力波砲は船体中央部に搭載済みですので、副砲の魔導砲とミサイル兵器、迎撃魔導レーザーの取り付けを始めます」

「主砲展開時の可動部の動作確認もしないとね」

「了解、主砲展開テストを開始します」

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 ~ 神国 古代遺跡発掘場 ~

「アレが…… 発掘場を襲撃したモンスターか……」

カナエが、古代戦艦を元に新造船を作っていた頃……

ジノは…… 先行して、単身古代遺跡発掘場の偵察調査を開始していた。

「アイツは…… これは厄介な事になりそうだな」

ジノが確認したモンスターは…… テストプレイ時に、レオン、デンライと倒した【魔神】が引き連れていたモンスターだった。

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