新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

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第9章 新世界狂想編 

元魔王の魔法国勇者観察

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「うぁん…… みんな…… 大丈夫?」

攻撃を受けて、緊急時のシェルターモードを起動したけど…… 間に合ったのかな?

「凄い衝撃だったな」

「何があったの?」

「攻撃魔法を受けたみたいです。威力から推測しますと……【隕石落としメテオストライク】ですね」

「盗賊団は? 無事?」

「全員気絶してますが…… 無事ですね」

「あん…… そう…… 間に合ってよかったよ」

「ところで…… お姉ちゃん、マナちゃん大丈夫?」

「え、ま、マナちゃん!? あん!」

衝撃で倒れ込んだのか? マナちゃんが私の胸に頭埋め込む状態で動かない!?

「…… すごいかったです……」

ちょっと顔が赤いマナちゃんは、ぼ~っとしながら呟いた。

「衝撃が? シェルターモードを改良しないとダメかな?」

「いいえ…… カナエさんが……」

「えっ? 私?」

「「「ああ……」」」

「凄いもんな……」

「マナさん…… なんて羨ましい……」

「お姉ちゃんの弾力を再現した抱き枕作ろう! 私買うから!」

「「「「!?」」」」

「カナエ様! 是非作りましょう!」

「俺も買う!」

「わたしもほしいです!」

「いや、作らないよ! ぜったい!」

「「「「え~~!」」」」

エルが変な事を言い出して、マナちゃん達が欲しがったけど…… 作らない!

だって…… ジノさんに見られたら恥ずかしいもん!

その時のカナエは、知らなかった……

シロちゃんに頼まれたロッテが…… 私の等身大抱き枕をもう作っていた事を……

「とにかく…… 脱出するよ」

「敵は? 敵はどうする?」

「凄い攻撃魔法が撃てるんだよね?」

「こわい人いるの?」

「大丈夫! この子の力を見せるよ! 【エンブレムプレートインストール】!」

『了解! 【闇移動】をインストールしました』

私達は…… 近くの岩影に移動した。

「この車両も【スキル】が使えるの?」

「【武装スキル】みたいなものかな?」

作って置いてよかった…… このシステム。

【エンブレムプレートインストールシステム】

このシステムは…… エンブレムプレートをインストール事で、一時的に…… このシステムを搭載した機体にインストールしたエンブレムプレートのスキルを覚えさせる事が出来る。

「さぁ~って、魔法を撃った相手を見てくるよ」

「一人で?」

「とりあえずの確認だからね。じゃあ、行ってくるよ」

私は【闇移動】で、影に沈んだ……

 ・
 ・
 ・

 ~ めておんパーティー ~

「即死かな……」

「あの爆発だぞ…… 破片も残らねぇよ……」

「どうする? 私達…… 賞金首かな?」

「「「「いやいや、めておん(くん)だけでしょ?」」」」

「えっ、僕?」

「いや、撃ったの…… お前だし……」

「え~、連帯責任でしょ!」

「盗賊団だから…… 大丈夫じゃないの?」

「でも…… 檻に入れられた人達が見えたよ……」

「捕まった人達を巻き込んだ!?」

「間違いなく……」

「ヤバくない! PKならまだしも…… 緑人だったら……」

「下手すると…… 魔法国軍に追われるな…… 俺、自首する」

「ま、待って! あの人数を攻撃したけど、経験値が少ない…… たぶんだけど…… あの人達は生きてるよ」

「な、急いで捜すぞ!」

「えっ、で、でも……」

「救出するれば大丈夫かも知れないよね?」

「急ぎましょ!」

「はやく!はやく!」

 ・
 ・
 ・

 ~ カナエ ~

「凄い…… クレーターだ……」

私は……【隕石落としメテオストライク】跡地を近くの高台から見ていた。

私達走っていた場所を中心に半径10メートルぐらいで、地面が抉れて…… 月面みたい。

「うん? 5…… 6人かな?」

隕石落とし(メテオストライク)跡地に近付く人達がいる…… 私達を攻撃した人達かな……!?

「…… 勇者のめておん…… 初回イベントのトップかぁ……」

私達を襲ったのは、魔法国の勇者パーティー……

「しかも…… めておんは、殲滅戦が得意な超攻撃的魔法使い系勇者…… 通常魔法が全体魔法だと言う噂があるんだよね……」

しかも、魔法の威力が必殺級…… 今は相手にしたく無いなぁ……

「うん…… 何だろう? 言い争ってる? 仲間割れ?」

めておんとタンク役かな? フルプレートの鎧姿の子が揉めてる?

「ちい、あの人達の事を撮影して中継…… お願い」

「はぁい! ひめさま」

ちいを召喚して偵察を頼む。

「あ、繋がった……」

『たぶん、いないよ』

『いいから! ちゃんと捜せよ! お前のせいで、国に追われるかも知れないんだぞ!』

『だって…… 反応が無いんだもん!』

『ドロップアイテムだけでも、回収して確認するんだよ!』

『またか……【流星王子様】』

『やめてよ~、そのアダ名~』

『流星王子様、わがまま言わないで! さっさと、捜すの!』

『はぁい~』

『やっぱり…… 王子が受けね』

『え~、王子が誘い攻めで、騎士が受けでしょ?』

『いや…… 王子様が誘い受けて、いつの間にか…… 騎士を攻める感じで……』

『『!? それ! 良い!!』』

ヤバイ…… パーティー女子が……〝腐〟の人だ。

「ダメだ…… 腐ってるやがる…… 手遅れだ……」

マナちゃんとリンちゃん、ユキちゃんを遠ざけないと…… アンちゃんは…… 耐性有りかも?

「うん? めておんがこっちを見た?」

『おい、どこ見てんだよ。早く捜せ』

『王子、どうしたの?』

『めておん君、疲れたの?』

『えっ、ちょっと! 魔法発動してる!?』

『めておん! 待って!』

「ヤバイ! ちい!」

私は、急いで闇移動を使い影に潜った!

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