新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

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第9章 新世界狂想編 

フランケンシュタイン脅威の技術力!?

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我が名は、フラン……【フラン・フランケンシュタイン】

【怪物】を作り出した博士【フランケンシュタイン】の名を受け継ぐ者……

この【アーデルブラッド城】をマスターアーデに変わり、管理している。

私が喚び出された時…… マスターは、既に【4体】の【使い魔】を連れていた。

マスターは、ダンジョンのボスモンスターに私を指名して、ワーウルフ達を喚び出した。

マスターが何処からか連れて来た…… 変わった姿の犬妖精コボルト達と金属製のビッグスパイダー達がワーウルフ達を指揮して、ダンジョンに建築が始まった。

村が出来て、大きくなって街になり、城が立った…… 今では、立派な城下街だ。

私はその間、工房に籠り、配下の量産に勤めた。

私が最初に目を付けたのは……【リビングメイル】。

マスターの【4体目】の【使い魔】である【シャイア姉さん】は……【リビングメイル】だった。

私の前にマスターが喚び出した【ダンジョンモンスター】の1体で、マスターの【鎧】になったお方だ。

今でも、マスターが何処かに連れて行っては…… 強化されて帰って来る。

その度に姿を変えたりするので、ちょっと困る。

シャイア姉さんの姿は…… 確認しただけで【3種類】、【鎧】【人化】【機獣化】……

【鎧】は…… シャイア姉さんの真の姿。【リビングメイル】の時とマスターの【鎧】の時の姿だ。

【人化】は…… 大人な女の姿に変わる。格好も思いままに変えられるので、普段はシンプルなドレス姿でマスターの隣にいる。マスターは男装なので…… 恋人の様に見える。

【機獣化】は…… 金属製の黒い豹。鎧のパーツを組み換えて、豹の姿に変形するのだ。最初に見た時は新しいモンスターかと思った。

シャイア姉さんを参考にして、リビングメイルを量産開始!

リビングメイルの騎士団を第十騎士団まで作って…… 気付いた。

鎧がうるさい…… 動く度に金属音がねぇ……

だから、【人形】を作る事にしました。

【リビングドール】…… 仮初めの命を持った人形。内部骨格構造により、人に近い動きを可能にした人形で人を模した行動をする。

見た目は…… マスターの【使い魔】の【双碗の悪魔】……【右腕のリリス】と【左腕のリリム】の悪魔の双子の姉さんを参考して作った。

リビングドール達は、執事とメイド部隊にして城の各所に配置したのだけど…… 時々、姉さん達が紛れて私を騙そうとしてるんだけど…… ダンジョンボスの私に通じる訳が無く、悔しそうにしてます。

「マスター…… これは?」

「フラスコの中の小人…… ホムンクルスかな?」

リビングドールの数も増えて、城下にも配下のモンスターが増え始まった頃に…… マスターが【錬金術】で、色々作り始めた。

「でも、失敗だね…… 形だけで動かない」

「失敗…… マスター、この子を下さい!」

ホムンクルスを見た時に…… 私の中で何ともし難い衝動が溢れ出す!

私の中で【フランケンシュタイン】としての使命が甦る!

【フランケンシュタイン】の悲願……【究極の人間】を作る事…

私は…… マスターのホムンクルスを素体に、【人造人間】を作り始めた。

「博士、マスターがお客様を連れて、闘技場に向かいました」

何体か【人造人間】を作り上げて、工房に籠る私にメイド姿の【人造人間1号エルザ】が私にマスターの訪れを伝える。

「マスターが? お客様は誰だ?」

「お一人はご友人で、もう一人は…… マスターの先生だそうです」

「なに! マスターの先生!? 直ぐに闘技場に向かうぞ!」

マスターの先生が来ている…… マスターは、先生のダンジョンを参考に、このダンジョンを作ったらしい。

なら、私がダンジョンボスになれたのは…… 間接的にはその先生のおかげとも言える。

「是非とも、会ってみたい!」

私は、工房を飛び出した! 目指すは…… 闘技場だ!

 ・
 ・
 ・

「な…… 何だ! この惨状は!?」

闘技場の中は酷い有り様だった…… あちらこちらに散らかる【ガラクタ】は、私の作った子供達……

押し潰され【リビングメイル】にバラバラに裂かれた【リビングドール】…… 砕かれてひび割れた【戦士像ゴーレム】の顔が転がる。

「酷い…… いったい誰が…… !?」

100以上の残骸が転がる中…… 我が軍と戦う者がいる!

「あのアホマスター!」

戦っていたのは…… うちのマスターだった……

4体の姉さんを纏ったフル装備のマスターと黒い翼を持つ女性が、我が軍のリビングメイルやゴーレム、リビングドールを壊して行く。

「いいだろう…… マスターがその気なら…… おい、【アレ】の準備だ!」

「あ、【アレ】ですか!? 我が軍の数が足りませんよ!」

「私の計算なら…… 8割はイケる!」

「8割…… 足無しでイケますね!」

「移動性はどうだ?」

「フルのマスター相手に、あの図体で付いて行けませんよ」

「移動する足を作るより、その分を装甲に回して固定砲台になって火力押して行くか?」

「あの図体なら…… 足なんて飾りですよ! 偉い人にはそれが解らんのですよ!…… ですね」

「うむ、なんの事か解らんが…… 行って来る!」

「はい、逝ってらっしゃい。我らの同胞と労働の償いを! どうか御武運を」

フランは、黒い球体に乗り込むと…… 黒い球体が浮かび上がった!

『フラン……【リビングヘッド】発進!』

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「アーデ、なんか黒いの出たよ?」

「え?」

『このバカマスター!』

「その声は…… フラン!?」

『私達の労働の償いをさせて殺る! 行くぞ! 同胞よ!』

「え、な、なに?」

「フラン! これはいったい!?」

『見るが良い…… これが、我等が最終兵器!【リビングデストロイ】だ!!!』

アーデとエルが倒したモンスターの残骸が…… 黒い球体に集まり、足の無い40メートル級の巨人が現れた!?

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