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第9章 新世界狂想編 

アーデのダンジョン

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「ランちゃん」

「はい、主さま?」

「前みたいに、エルと呼んで」

「? エルちゃま?」

「そう! 私の事はそう呼んでね♪」

「はい、エルちゃま」

エルがランちゃんに呼び方を戻す様に言っている。

「何しての? 行くよ」

「あ、はぁい~」

「エルちゃま、ははうえ、まってください」

ランちゃんが、私を【ははうえ】と呼ぶ。

彼女達からすると、彼女達を作った私とテッシン君は生みの親と言えるので…… 好きな様に呼ばせている。

ちなみに、テッシン君は【ちちうえ】呼びを禁止している。

呼ばれた時に、それを見たイズナちゃんが誤解して…… 大変だったんだよね……

嫉妬に駆られたイズナちゃんは、強かった…… ジノさんとデンライ君が二人がかりで止めました。

二人が言うには……

デンライ君が……
「流石、師匠の娘さん」

ジノさんは……
「アレが…… 本当の武術か……」

その後、テッシン君の必死の説明でイズナちゃんが正気に戻り…… ランちゃん達にテッシン君の呼び名を変える様に説得(目が笑ってない笑顔で)してました。

「速く、剣と盾達とも【契約】したいな♪」

「気持ちは解るけどね…… 部分甲冑が仕上がるまで待った方がいいかな」

「甲冑も、お姉ちゃんが仕上げるんでしょう? 【妖怪化】するかな?」

「たぶんするね。ランちゃんの姉弟?が増えるね」

「はい♪ ははうえ、エルちゃま、わたしがめんどうみます」

ランちゃんは、妹分か弟分が出来る事が嬉しくてしょうがないみたいだね。

「私の式神が増える事は嬉しいけど、アーデの方は? 大丈夫なの?」

「アーデは大丈夫だよ。ほぼ自前だからね」

「えっ? 自前?」

「テッシン君のところに行けば解るよ。アーデも最終チェックに来てるから」

私達は、ぼうけん屋のテッシン君の工房へ。

「テッシン君、来たよ。アーデもいる?」

「おう、カナエさん」

「先生、いますよ」

工房に入るとテッシン君とアーデがいた。

「作業中だった?」

「大丈夫だ。丁度、最終調整以外の俺の仕事が終わったところだ」

「私の【シャイア】も、強化して貰いました」

「テッシンさん、アーデ、こんにちはー! 【シャイア】って…… 何?」

「【シャイア】の紹介の前に、エルの甲冑を仕上げるね」

私はテッシン君から、エルの部分甲冑を受け取り【魔力回路】を組み込んでいく……

「そうぞうしゅちゃま、このこがわたしのきょうだいですか?」

「そうだぞ、ラン。俺の事はテッシンと呼べ」

「はい! テッシンちゃま」

テッシン君とランちゃんの微笑ましいやり取りの中……

「はい♪【魔力回路】の組み込み完了! テッシン君、最終調整おねがい」

「解った。エル、着て見てくれ」

「はぁい」

「こんな感じで…… どうだ?」

「すごい…… 凄く良いよ! ぴったりで違和感がないもん♪」

「エルちゃま、かっこいい!」

「凄く似合ってます!」

「可愛くて、格好いいね」

「ほんと~? 嬉しい♪」

エルが白と紅の巫女装束に紅色の西洋風の部分甲冑を着けて、くるりと回る。

「ありがとう♪ お姉ちゃん、テッシンさん、速くこの子を育てたいから、今からダンジョンに行って来る」

「ちょっと待って下さい」

「何? アーデ?」

「わ、私のダンジョンに来ませんか?」

 ・
 ・
 ・

 ~ アーデのダンジョン ~

「ここが…… アーデのダンジョン?」

「ひさしぶりだけど…… 変わったね……」

エルの装備を慣らす為に、ひさしぶりに訪れた。アーデのダンジョンは……

西洋の古城風になっていました。

「ようこそ♪ 我が【アーデルブラッド城】へ」

アーデのダンジョンコアは……【西洋ダンジョンのコア】でした。

「立派な城だね…… DPダンジョンポイント大変だったでしょ?」

【アーデルブラッド城】は…… 全長3㎞ぐらいの巨大な城壁に囲まれた城下街。中央に1㎞の中世ヨーロッパ風の古城が有り、古城を囲む中世の街並みがハロウィンやホラー映画みたいだ。

「キャンペーンで増えたDPダンジョンポイントは、敷地拡張とモンスターに使いました。建物関係は…… 先生の【ブル組】さん達に指導していただきました」

よく見ると、作業着を着た狼男?達が建築作業中だ。

近くでうちの【ブル組】のコボルト達が指示してるな…… いつの間に?

アーデのダンジョンモンスターの狼男は、特殊進化して……

【種族 ワーウルフワーカー】になってました。

狼男ワーウルフ犬妖精コボルトに指導されてるのは、ちょっと不思議な感覚でした。

「こっちです」

アーデの案内で古城に向かうと…… 有名な魔女や吸血鬼にオーガなどや、西洋の悪魔系、精霊、妖精系モンスター達が城下街で暮らしていた。

「色々居るね…… アレ? あの子は……!?」

街中に居た少女を神眼で鑑定すると……【種族】が【人造人間】でした!?

「アーデ! あの子は?」

「あ、あの子は俗に言う……【フランケンシュタイン】です」

「「【フランケンシュタイン】!?」」

「私のダンジョンのボスモンスターは……【フランケンシュタイン博士】です」

「「博士?」」

「はい、なので【彼女】が作ったモンスターも、いっぱい居ますよ♪」

アーデのダンジョンのボスは…… あの【フランケンシュタイン博士】でした。

一般的に【フランケンシュタイン】は怪物のイメージですが、本当の【フランケンシュタイン】は怪物を作った博士の名前です。

アーデはダンジョンモンスターの項目から、【フランケンシュタイン博士】を発見! DPを使って喚び出したら……

【フランケンシュタイン博士(少女)】でした。

後は…… 私と同じ様に【契約】して、彼女を【使い魔】にしてダンジョンボスに配置! 残りのDPダンジョンポイントで部下モンスターを喚び、ダンジョンを拡張。

ダンジョンボスを【フラン】と名付けて、彼女フランにダンジョンを任せたら……

【リビングメイル】【リビングドール】【人造人間】を作ったらしい。

ダンジョンが古城になった今でも、ボス部屋に隣接した工房でモンスターを量産してるらしいです。

「着きました。ここが自慢の闘技場です」

アーデに案内された先は… 古代ローマの様な闘技場コロッセオでした。

「ここで戦うの?」

「先生のダンジョンを参考にしました。このモンスター達とバトルです」

闘技場に【戦士像ゴーレム】と【リビングメイル】【リビングドール】が現れた。

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