新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

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第8章 現実と新世界と…編

秘密の入江は…… 伝説の生物達の楽園!?

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「いらっしゃい❤ あなた達が初めてのお客様よ」

「お客さま? 戦わないの?」

「ええ、此処は私達の楽園……【竜宮の入江】です。守護者を倒したあなた達は、正式な【お客様】です」

「【竜宮の入江】…… 入江と言う事は…… 海からも来れるの?」

「ええ、海と繋がっているから来れるわよ。けどね…… オススメはしないわ」

「なにかあるの?」

「そうね…… 私達と同じ【海の伝説】に会えるわよ。生死は保証しないけど」

「「【うみのでんせつ】?」」

「ひょっとして……【スキュラ】とか【セイレーン】とか居ます?」

「アラ? 私達に詳しいのね。居るわよ…… 海からの侵入者を撃退してるわ」

「「【すきゅら】?【せいれーん】?」」

「アラ? フフフ…… 海に棲む…… 怖い怖い魔物の事よ」

(ガクガク)「「こ、こわい」」(ブルブル)

「ちょっと! 小さい児に恐怖心を植え付けないでよ!」

「うん…… 酷い……」

「「「「…… だれ?」」」」

【人魚】達の言葉に、リンちゃんとマナちゃんが怖がっていると…… 頭上と入江の奥から声がした。

「初めまして、私が【セイレーン】で……」

「私が……【スキュラ】……」

姿を現したのは…… 頭上からは妖艶な美女が、入江からは物静かそうな美少女が現れた。

「あれ? 姿が違くない?」

「私達は【人化】してるのよ」

「【人魚】達に比べると…… 私達は…… 魔物寄りだから……」

「伝承だと…… 人食いの魔物ですからね」

「「ひとくい!?」」(ガクブル)

「大丈夫…… 貴女達は襲わない……」

「【扉】を開けた貴女達は、この入江に入る資格があるわ」

「それに…… 私達の役目は…… 海からの侵入者の撃退だから…… 貴女達を攻撃しない……」

「「ほんとに?」」(ガクブル)

「本当…… これ…… あげる……」

「あっ! はい、これね♪」

「私達も、どうぞ」

「これは…… 何?」

【スキュラ】と【セイレーン】に【人魚】達が小さな箱をリン達に渡す。

「初回クリアボーナス報酬よ」

「貴女達が…… 初めてのお客様……」

「だから報酬もたくさんあるの」

「そうなの? あけていい?」

「良いわよ」

「これは?」

「クリア報酬のこの島への転移石ね。何度も使えるわよ」

「後は…… 海底スイートルーム永久宿泊パス!?」

「こっちは…… レジャーランドの永久フリーパス!?」

「後は…… 貴女達は洞窟の入口の転移陣で、この入江に転移できる様になったからね。何時でもいらしゃい」

「来る時は…… 入江から沖に行ってはダメ…… クラーケンが出る……」

「クラーケンも居るの?」

「入江の前を【スキュラ】と私達【セイレーン】が、沖をクラーケンが守ってるのよ」

「「くらーけん?」」

「え~と…… 一言で言うと、超巨大なイカの魔物かな?」

「イカ…… 美味しいのかな?」

「クラーケンを食べるの!?」

「イカじゃないの?」

「どうなの?」

「私達も解らないわ」

「普通…… クラーケンを食べようとしない……」

「海で1番を争うぐらいの危険な魔物よ? 食べる発想は無いわ」

「イカ…… 捕れないかな?」

「リンちゃん!?」

「危険……」

「止めときなさい」

「私は、味に興味あるけど…… 伝承を知ってるからな……」

「私も…… ぬるぬるはちょっと……」

リンちゃんは…… クラーケンを巨大なイカと聞いて、料理したいみたいだ。

「流石に…… クラーケンはあげられないよ」

「カナ姉さん!?」

「カナエさん」

「先生!?」

私は【隠蔽】を解除して、姿を見せる。

「お姉ちゃん、どうやって来たの?」

「ちょっと待ってね。リンちゃん! はい」

「えっ!? 大きい…… タコ?イカ?の足?」

「クラーケンの足だよ。それで許してね?」

リンちゃんとくまタンDが両手で抱えても、地面に付くほどの大きさのクラーケンの足を1本、リンちゃんとくまタンDに渡して……【糸生成】の【刻印】を発動させる。

「何処に行くのかな?」

「これは、その、違うんです!」

「うん…… 何が?」

「お姉ちゃん……【人魚】、糸で縛ってどうしたの?」

「う~ん…… ネタバレした【人魚】さんを釣り上げようかと」

「許して下さい! マスター!」

「マスター? お姉ちゃん…… マスターって、何の事?」

「はぁ~…… もういっか。私がこのダンジョンの…… ダンジョンマスターだ!!」

「へっ…… お、お姉ちゃんが…… ここのダンジョンマスター!?」

「そうだよ。だから、ネタバレしたモンスターをお説教するの。ねぇ~【人魚】ちゃん?」

「マ、マスター! ごめんなさい!」

「お姉ちゃんが…… ダンジョンマスター…… アレ? みんな冷静だ?」

「「わたし達は知ってましたから、ねぇ~♪」」

「私も…… 知ってました」

「「私達は…… ダンジョンモンスターだから……」」

「私だけ知らなかったのか……」

「ねぇ…… 知ってる?【人魚】を食べると…… 不老不死になるんだって…… 新世界このせかいは…… どうなるのかな?」

「ひぃ~!? すいません! すいません! 許して下さい! 食べないで~!!!」

「冗談よ。人型モンスターを食べる気しないわ」

「へっ……!?」

「次は、もっとこう…… 人影を見せるとか、水面に顔を出して直ぐに引っ込むとかしなさい。チラ見せで興味を引くのよ!」

「は、はい!」

「いくら暇でも、自分達でネタバレしないの! 此処は裏ボスが護る場所なんだから!」

「はい! 次はチラリズムで誘導します!」

その後は…… みんなで【人魚】達に誘導の仕方を指導して、クラーケンの足と魚介でBBQ。

リンちゃんが作ったクラーケンのゲソ焼きは…… 美味でした。

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