新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

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第8章 現実と新世界と…編

新規プレイヤーと玩具箱(トイボックス)

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初心者狩りを狩り終えて、フェアリーガーデンに戻ると……

『カナ姉さん! たいへんです!』

リンちゃんからのSOSコールが!? 急ぎ冒険屋に!

「これは…… いったい?」

「デンライさんの弟子志願者達です……」

「後、生産職志望者も来てるぞ?」

クランルームからカフェレストランを覗くと……

ひと、ヒト!  人?の蒼人プレイヤー達であふれていました。

『カナエさん…… ぼうけん屋に新規プレイヤーが詰め掛けてる!』

日ノ本のぼうけん屋で、鍛冶修業中のテッシン君からもSOSコールが来た!?

「なんで? うち(トイボックス)に新規プレイヤーが?」

二次生産の新規参入蒼人プレイヤー達が、ナインアール王国の冒険屋と日ノ本のぼうけん屋に殺到してるらしい!?

「うち(トイボックス)は……【冒険者シリーズ】と【デンライ】で有名だからな……」

「それに、最近のカナエさんがスキル検証で作った……【魔導具】が掲示板で話題になってます」

「俺達の武器も書かれていたな……」

原因は…… 私か!? テッシン君が作る武具にリンちゃん達の装備とお店のアイテム……

ほとんどの素材の出所は…… 私だ!

この混雑の原因は、私でした。

「お店のお客様以外の方は、他のお客様の御迷惑になるので……」

「デンライさんに会わせろ!」

「ここの武具の製作者に会わせなさい!」

「君! 可愛いね。俺のテイムモンスターになれよ」

「ねぇ! 執事さん。こんな店じゃなく、私と冒険しましょう!」

従業員モンスター目当てのテイマーもいるみたいだね……

モンスターを連れて来たのも…… 私だ……

「あなた達! 従業員のテイムは禁止です!」

あっ!? 支配人がキレた!

「あ? NPCがうるせぇんだよ!」

「はい! あなた「あ?」とあなた「俺?」…… それにあなた!「えっ! 私?」クランハウスに立ち入り禁止です!」

私は、支配人に掴みかかりそうな蒼人プレイヤーと従業員モンスターをテイムしようとした蒼人プレイヤーを指定して、エン君に合図!

蒼人プレイヤー達が消える!?

エン君がブラックリストに登録したみたいだ。それを見て、他の蒼人プレイヤー達が黙る……

「ここは…… お店ですよ。お客様以外は出て下さいね」

唖然としていた蒼人プレイヤー達の一人が手を上げる。

「あの~」

「はい?」

「このクランに入りたい人は…… どうすれば?」

「私はクランリーダーでは無いですから、詳しく無いんだけどね…… 今はクランメンバー募集してないから押し掛けても、ブラックリスト入りするだけだよ」

「そんな~」

多くの蒼人プレイヤー達が落胆の表情になり、中には膝を付くほどに落胆している。

「どうしたの?」

「…… 実は……」

押し掛けた蒼人プレイヤー達の話では、新規プレイヤーを巡ってクラン同士で争ってるらしい……

「中には…… Lv20になると、クランメンバーにPKされた人もいるみたいで……」

「酷い!…… でも、なんで? うち(トイボックス)に?」

「それは…… デンライさんが公式の【プロ】だからです」

公式ホームページに契約プロプレイヤーの一覧があって、デンライ君の名前を頼りにうち(トイボックス)に来たらしいです……

公式の契約プロプレイヤーなら、酷い事はしないだろうと…… みんな考えたみたいだね。

「…… とりあえず、【蒼のギルド】に行ってみては? あそこなら、各種のチュートリアルができますよ?」

「「「「「えっ!?」」」」」

うん、説明聞かずに来たな!【蒼のギルド】への道を教えてから、買い物客と宿とカフェレストランのお客以外を解散させて…… エン君達を連れて、ぼうけん屋に急ぐ!

「これは…… どうしたのかな?」

泡を吹いて倒れてる蒼人プレイヤー数人と…… 股間を押さえて震える男性の蒼人プレイヤー達に、あきれながらも顔が引き吊ってる女性の蒼人プレイヤー達が…… 巴を見て固まっていた。

「「おねぇちゃぁん!!」」

あおいちゃんとシュリちゃんが涙目で私の元に!?

「よしよし…… どうしたの?」

「わかんない… きゅうに、おきゃくさんが… たくさんきてね…」

「デンライさんを出せ!とか、武具を作った人に会わせろ!とか、怒鳴られて……」

「巴が動いたと……」

「お、親方様……」

「大丈夫…… 巴は悪くないよ。うん、悪くない…… 悪いのは……」

私は、あおいちゃんとシュリちゃんを宥めながら……【魅了支配】を使い、蒼人プレイヤー達を見て笑いながら……【神刀 巴御前 黒桜】をゆっくりと抜く……

それを見た蒼人プレイヤー達の顔色が変わる…… 蛇に睨まれた蛙って…… こんな感じかな? 逃がさないけどね。

「うちの若女将を泣かすなら、いいだろう…… 戦争だ!」

【神刀 巴御前 黒桜】の峰で肩を叩きながら、【武者甲冑ゴーレム】を喚ぶ…… 目の前の蒼人プレイヤー達が震えだした……

「おや? どうしました?」

「「「「「すみませんでした!」」」」」

蒼人プレイヤー達が一斉に土下座しました。

「…… 次は、ありませんよ……」

後は…… 泡を吹いていた蒼人プレイヤーを起こし、王国の冒険屋と同じ説明をして、買い物客に宿泊と温泉客以外は解散しました。

「これは…… 思ったよりも、事は重大かも知れない……」

あの新規プレイヤーの調子だと…… 他のクランと揉めるかも知れないな…… ジノさん達に連絡しよう!

私が連絡すると…… 案の定、問題になってました。

「この事で、近いうちにクラン同士の話し合いをするらしい」

「話し合い…… ですか?」

「大手のクラン達が呼び掛けている。うち(トイボックス)にも来るぞ」

「俺とシュウだと…… 不安ですね……」

「安心しろう! 代理人で、俺デンライとジノさんが出る!」

「「「「「「ほんとう?」」」」」」

「ああ、代理人も認められている…… 大丈夫だ!」

「なら、うち(トイボックス)の方針を決めましょう!」

その後直ぐに、クラン会議の開催の通知が届きました。

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