上 下
137 / 464
第8章 現実と新世界と…編

新規プレイヤーと玩具箱(トイボックス)

しおりを挟む
初心者狩りを狩り終えて、フェアリーガーデンに戻ると……

『カナ姉さん! たいへんです!』

リンちゃんからのSOSコールが!? 急ぎ冒険屋に!

「これは…… いったい?」

「デンライさんの弟子志願者達です……」

「後、生産職志望者も来てるぞ?」

クランルームからカフェレストランを覗くと……

ひと、ヒト!  人?の蒼人プレイヤー達であふれていました。

『カナエさん…… ぼうけん屋に新規プレイヤーが詰め掛けてる!』

日ノ本のぼうけん屋で、鍛冶修業中のテッシン君からもSOSコールが来た!?

「なんで? うち(トイボックス)に新規プレイヤーが?」

二次生産の新規参入蒼人プレイヤー達が、ナインアール王国の冒険屋と日ノ本のぼうけん屋に殺到してるらしい!?

「うち(トイボックス)は……【冒険者シリーズ】と【デンライ】で有名だからな……」

「それに、最近のカナエさんがスキル検証で作った……【魔導具】が掲示板で話題になってます」

「俺達の武器も書かれていたな……」

原因は…… 私か!? テッシン君が作る武具にリンちゃん達の装備とお店のアイテム……

ほとんどの素材の出所は…… 私だ!

この混雑の原因は、私でした。

「お店のお客様以外の方は、他のお客様の御迷惑になるので……」

「デンライさんに会わせろ!」

「ここの武具の製作者に会わせなさい!」

「君! 可愛いね。俺のテイムモンスターになれよ」

「ねぇ! 執事さん。こんな店じゃなく、私と冒険しましょう!」

従業員モンスター目当てのテイマーもいるみたいだね……

モンスターを連れて来たのも…… 私だ……

「あなた達! 従業員のテイムは禁止です!」

あっ!? 支配人がキレた!

「あ? NPCがうるせぇんだよ!」

「はい! あなた「あ?」とあなた「俺?」…… それにあなた!「えっ! 私?」クランハウスに立ち入り禁止です!」

私は、支配人に掴みかかりそうな蒼人プレイヤーと従業員モンスターをテイムしようとした蒼人プレイヤーを指定して、エン君に合図!

蒼人プレイヤー達が消える!?

エン君がブラックリストに登録したみたいだ。それを見て、他の蒼人プレイヤー達が黙る……

「ここは…… お店ですよ。お客様以外は出て下さいね」

唖然としていた蒼人プレイヤー達の一人が手を上げる。

「あの~」

「はい?」

「このクランに入りたい人は…… どうすれば?」

「私はクランリーダーでは無いですから、詳しく無いんだけどね…… 今はクランメンバー募集してないから押し掛けても、ブラックリスト入りするだけだよ」

「そんな~」

多くの蒼人プレイヤー達が落胆の表情になり、中には膝を付くほどに落胆している。

「どうしたの?」

「…… 実は……」

押し掛けた蒼人プレイヤー達の話では、新規プレイヤーを巡ってクラン同士で争ってるらしい……

「中には…… Lv20になると、クランメンバーにPKされた人もいるみたいで……」

「酷い!…… でも、なんで? うち(トイボックス)に?」

「それは…… デンライさんが公式の【プロ】だからです」

公式ホームページに契約プロプレイヤーの一覧があって、デンライ君の名前を頼りにうち(トイボックス)に来たらしいです……

公式の契約プロプレイヤーなら、酷い事はしないだろうと…… みんな考えたみたいだね。

「…… とりあえず、【蒼のギルド】に行ってみては? あそこなら、各種のチュートリアルができますよ?」

「「「「「えっ!?」」」」」

うん、説明聞かずに来たな!【蒼のギルド】への道を教えてから、買い物客と宿とカフェレストランのお客以外を解散させて…… エン君達を連れて、ぼうけん屋に急ぐ!

「これは…… どうしたのかな?」

泡を吹いて倒れてる蒼人プレイヤー数人と…… 股間を押さえて震える男性の蒼人プレイヤー達に、あきれながらも顔が引き吊ってる女性の蒼人プレイヤー達が…… 巴を見て固まっていた。

「「おねぇちゃぁん!!」」

あおいちゃんとシュリちゃんが涙目で私の元に!?

「よしよし…… どうしたの?」

「わかんない… きゅうに、おきゃくさんが… たくさんきてね…」

「デンライさんを出せ!とか、武具を作った人に会わせろ!とか、怒鳴られて……」

「巴が動いたと……」

「お、親方様……」

「大丈夫…… 巴は悪くないよ。うん、悪くない…… 悪いのは……」

私は、あおいちゃんとシュリちゃんを宥めながら……【魅了支配】を使い、蒼人プレイヤー達を見て笑いながら……【神刀 巴御前 黒桜】をゆっくりと抜く……

それを見た蒼人プレイヤー達の顔色が変わる…… 蛇に睨まれた蛙って…… こんな感じかな? 逃がさないけどね。

「うちの若女将を泣かすなら、いいだろう…… 戦争だ!」

【神刀 巴御前 黒桜】の峰で肩を叩きながら、【武者甲冑ゴーレム】を喚ぶ…… 目の前の蒼人プレイヤー達が震えだした……

「おや? どうしました?」

「「「「「すみませんでした!」」」」」

蒼人プレイヤー達が一斉に土下座しました。

「…… 次は、ありませんよ……」

後は…… 泡を吹いていた蒼人プレイヤーを起こし、王国の冒険屋と同じ説明をして、買い物客に宿泊と温泉客以外は解散しました。

「これは…… 思ったよりも、事は重大かも知れない……」

あの新規プレイヤーの調子だと…… 他のクランと揉めるかも知れないな…… ジノさん達に連絡しよう!

私が連絡すると…… 案の定、問題になってました。

「この事で、近いうちにクラン同士の話し合いをするらしい」

「話し合い…… ですか?」

「大手のクラン達が呼び掛けている。うち(トイボックス)にも来るぞ」

「俺とシュウだと…… 不安ですね……」

「安心しろう! 代理人で、俺デンライとジノさんが出る!」

「「「「「「ほんとう?」」」」」」

「ああ、代理人も認められている…… 大丈夫だ!」

「なら、うち(トイボックス)の方針を決めましょう!」

その後直ぐに、クラン会議の開催の通知が届きました。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました

杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」 王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。 第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。 確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。 唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。 もう味方はいない。 誰への義理もない。 ならば、もうどうにでもなればいい。 アレクシアはスッと背筋を伸ばした。 そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺! ◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。 ◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。 ◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。 ◆全8話、最終話だけ少し長めです。 恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。 ◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。 ◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03) ◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます! 9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!

処理中です...