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第5章 動き出す〇〇編 

帝国のスパイ 王都で見たのは… 夢か、悪夢か…

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「王都のわりには…… あっさり入れたな?」

俺達は、王都の路地裏を歩きながら話していると……

「とりあえずは、話題のカレーを食いに行こうぜ」

「おい……」

「まあまあ、次は何時食えるか、わからねぇんだから」

「フッ…… わかった。仕事前に腹ごしらえだな」

「先見隊もいるはずだが…… 食べたら合流するのか?」

「ああ、拠点で合流する」

俺達は…… 帝国の工作員…… 所謂スパイエージェントだ。

俺達の今回の仕事は、戦争の下準備だ。

しかし、ゲームとは言え…… 元国王が敵国の皇帝になって直ぐ隣の隣国にいるのに、警戒心が無いのか? 平和ボケして居やがる…… まあ、お陰で俺達は仕事がしやすいが……

俺達は目当ての店【冒険屋】に向かう…… 店の中は、きれい処が揃っていた。洋画の特殊メイクをした様なメイド達すら美人だ!?

帝国じゃあ、勇者とその仲間に持ってかれ…… その手の店ですら、まともな奴は殆ど居ない。

今の内に、目を付けておくか? 戦争のどさくさに拐うのもありだな…… 連れ達も似た様な事をするつもりだな? 顔がにやけてやがる。

「まさか、ゲームで飯テロを喰らうとは…… 直前で売り切れかよ」

「ついてなかったな」

「クソ、隣でうまそうなラザニア食いやがって」

「ナポリタンは、不味かったのか?」

「旨かったよ! けど、舌がカレー舌になってたんだよ!」

「ああ、なんか解るわ……」

「気持ちを切り換えろ…… 仕事を始めるぞ!」

「解ってるよ……」

「さあ~て、仕事だ」

「じゃ、後でな」

俺達は別れて、王都の各地に仕掛けを設置して行く…… 一人10ヵ所がノルマだ。

路地裏はもちろん、空き地に下水道…… 時には貴族邸の隠し部屋等々、ありとあらゆる場所に仕掛けて行く…… なんとかノルマをこなして合流場所へ急ぐ。

「よう、遅かったな…… 守備はどうだ?」

先見隊か?合流場所には…… 俺以外のメンバーと見知らぬ奴等が待っていた。

「ノルマはこなした…… お前らは?」

「こなして来たさ…… 作戦開始が楽しみだ」

「移動するぞ。潜伏先を用意した…… 此方だ」

見知らぬ奴等の先導で、王都内を移動する……? 何か違和感を感じる? こんな場所在ったか…… そこは、怪しげな店が並ぶ歓楽街…… 美しい女達がこちらを手招きしている。

「おい、こんな所に在るのか?」

先導する奴等に声をかけると……

「ああ、大きな声では言えないが…… この辺りの経営者は元国王派の貴族様でな。潜伏先は、ここで一番の遊廓だ…… この作戦の重要人物達のあんたらに御褒美だとよ。せいぜい楽しみな」

「マジかよ!? 女選び放題か?」

「ああ、きれいどこしか居ない。それは保証する」

彩り取りのネオンの奥に、その遊廓は在った……

「ここだ…… 戦争が始まるまで、楽しみな」

 ・
 ・
 ・

「あら? いらっしゃいませぇ~♥」

遊廓に入ると…… 信じられないぐらいの妖艶な美人の牛の獣人が出迎える。

「あら? あなた達…… 帝国から来た人?」

「ああ…… そうだ」

「話は聞いてるわ。特別サービスするわよ♥ みんな~特別な御客様よ。よろしくね♪」

「「「「「「はぁい♥」」」」」」

美人な獣人達が次々現れては、仲間と店の奥に消えて行く…… それの後の記憶が曖昧だが…… ただ、それ以来女性を見ると、無性に叩かれたい衝動にかられる様な気がするのは…… 何故だろか?





「ジノさん、これをどうぞ」

「カナエちゃん…… これは!?」

「帝国の仕掛けた罠と転移陣の地図です。罠には結界を、転移陣は…… 1ヶ所以外は罠を仕掛けてます。罠を仕掛けて無い場所は小規模で見張りやすい場所だから、帝国の動きがわかるかも知れませんね」

「ありがとう。レオンにも伝えるよ……」

「じゃあ、私も用意しに行きますね?」

「ああ、またな」

「はい♪ 失礼します」





「これを…… カナエさんが…… 凄いな!? どうやったら、こんな情報が手に入るんだ?」

「俺も最初は、びっくりしたが…… お陰で帝国の動きを読みやすくなった」

「そうですね。少なくても、王都の警備はしやすくなりました。ジノさん…… 本命は?」

「それを、これから調べに行く」

「お気を付けて」

「ああ、行ってくる」

 ・
 ・
 ・

「主? ごきげんだな?何か良い事でも、有ったか?」

「ジノさんに…… お礼言われたの♪」

「良かったですね。主様」

「うん♪ さあ~みんなで戦の準備…… がんばろ~!」

「「「「「「お~!」」」」」」

カナエ達は、準備万端で開戦に備えるのだった。

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