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第5章 動き出す〇〇編 

探偵はカフェの地下に… 迷探偵カナエ? くの一は見ていた!

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ユキちゃんが集まったモフモフ達を、一体づつ撫でながら確認した後。

ユキちゃんは……

真っ白な【ダンジョンラビット♀】
サモエドな【ベビーコボルト♀】
真っ白なサイベリアンな【ベビーケット・シー♀】

をテイムしていました。





ここは……【冒険屋】カフェレストランの地下…… シークレットバー…… 一部の常連と【特別な客】のみが入れる場所。

今日は、常連が【特別な客】として訪れたみたい…… シュナウザー顔のバーのマスター【バーテンダーコボルト♂】とアメリカンショートな【バーテンダーケット・シー♀】が迎える。

「やぁ、居るかい?」

マスターがカウンターの奥を見る…… そこには、ジノさんがグラスを傾けている。

「依頼か? レオン」

近づく人物にジノさんが声をかける……

「やぁ、ジノさん。多分…… そうなるけど、まだ来る人達がいるから奥で話そう」

「わかった…… マスター、キャティちゃん、個室借りるよ?」

「こちらに、どうぞ……」

【バーテンダーケット・シー】のキャティちゃんに案内されて、奥の個室へ。

「ジノさん、何飲んでたの?」

「烏龍茶だ……」

しばらくすると、個室にデンライ、テッシン、ガルジ、マイル、ミントス、千鶴、イズナ、セルフィナがやって来た。

「テストプレイを思い出すな。この顔触れは……」

「イズナちゃんとフィナ姫は、居なかったけどね」

「これで…… 全員?」

「まだ、カナエさんが来てない」

コンコン……「お連れ様がお着きです」

個室の扉がノックされて、来客を知らせる。

「どうぞ」

ガッチャ!「遅れましたか?」

個室の扉が開き、カナエが顔を出す。

「いや、大丈夫ですよ。じゃあ、全員集合したので、集まって貰った理由を説明するね」

王国の王として、レオンは話を始めた。

最近、帝国の動きが怪しいらしく……

(ジノさんやみんなに探って欲しいんだって…… 私は?)

「報告では…… 元のデンライの国のジャングルで、帝国の亜人部隊が何かを探して居るらしいんだけど…… カナエさんは、精霊と仲が良いみたいだから…… 何か知らないかな?」

「帝国の亜人部隊?」

「オークとゴブリンなんだけど……」

「オークとゴブリン…… あっ、私のダンジョンだ」

「カナエさんの…… ダンジョン?」

「私の作ったダンジョンの入口…… あのジャングルにあるの」

「ダンジョン作ったの!?」

「うん、オープン初日にオークとゴブリン、ローパー?とか言うモンスターのプレイヤーがいっぱい来たよ。今は消費アイテムの鍵がないと入れないけど…… 鍵探してるのかな?」

「カナエさん…… そう言う事は早目に報告して下さい」

みんなが、出来の悪い子供を見る様に私を見る…… 子供じゃないよ!

「カナエさんのダンジョンに現れた亜人プレイヤーは、ジャングルに帝国の前線基地を作る為だろうな…… ダンジョンの鍵を探す理由が解ら無いけど」

「たぶん…… 私のせいかな?」

「どうして? カナエちゃん?」

「作ったばかりのダンジョンで、ボス眷属が低Lvだったから……【憑依合体】して倒したんだよ。【クイーン】装備で……」

「「「「「「えっ!?」」」」」」

「着たの? アレを……」

「勇気あるわ…… 私は無理!」

「「「アレか~」」」
「あ・ん・た」
「レ・オ・ン」
「セ・ン・パ・イ」

想像しようとした旦那(彼氏)達を、妻(彼女)達の恐い声が威圧する。

妻(彼女)達が恐い笑顔だ……

「ウッ、ウン! とにかく、帝国が動き出したみたいだから、みんなも警戒してくれ。ジノさん、調査依頼出すから頼むよ」

「了解。とりあえずは…… ジャングル調べるか?」

「ジノさん! ジャングルなら…… たぶん、直ぐわかるよ」

「? どうするんだい?」

「ダンジョンから、テイムモンスターにジャングルの映像を届けて貰います」

「できるの?」

「とりあえず…… やってみますね」





「…… 撮れたみたいです。召喚しますね」

私は……【くの一(見習い)マウスガール】の【ちい】を召喚!

「「「「きゃ~♪ 可愛い!」」」」

ミントスさんと女子達が、ちいを見て大興奮!?

「お、落ち着け…… とりあえず、ジャングルの映像を見るぞ」

ちいが懐からビー玉ぐらいの水晶を取りだし、設置を始める。

「たぶん、私の眷属目当てだと思うんですよ…… 欲しがってたし……」

水晶が光り、映像が空中に映る。

『…… い! 前線基地はいいのか? 帝国の依頼だろう?』

「やっぱりか」「シッ!今は見ましょう」

『うるせぇ~! 王国よりもダンジョンだ!』

『お前だって、鍵を探しているじゃねぇか?』

『へっ! わかってんだろ? 俺の目的……』

目的…… 私かアグラに復讐かな?

『わかってるも何も、ここに居る全員、そうだろうが』

『『『『『ダンジョンボスに鞭打ちして貰う為に!!!』』』』』

「「「「「「!?」」」」」」

『抜け駆けは…… 無しだぜ?』

『お前こそ、わかってるよな?』

『フッ、行く時は…… 一緒だぜ!』

『『『『『『!? おやびん!』』』』』』

『探すぞ! お前ら!!』

『『『『『『へい!!!』』』』』』

その後の映像は…… 鍵を探すだけのオークとゴブリン達を映していました。

「カナエちゃん……」
「カナエ嬢ちゃん……」
「カナエさん……」
「カナエ……」

「「「「「「何やったの!?」」」」」」

映像を見た後、カナエ以外の全員がカナエに振り向きざまに声重なるが……

その事よりも……

映像の必死なオークとゴブリン達の姿に、カナエの背筋が急激に冷たくなるのだった。

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