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第4章 もの作り魔王?編

〔閑話〕 わたしのごしゅじんさま

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私はウル…… 元奴隷…… 羊の獣人奴隷でした。

私は…… 今、新たに出来たカフェレストランの隠し予約席の二階テラスで…… お嬢様とお茶を飲んでます。

お茶を飲みながら何かを見ては、ため息を吐くお嬢様…… 何か心配な事でもあるのかな?

お嬢様は…… 今の私の御主人様で、私が自分で選んだ御主人様。

お嬢様の名前はカナエ様…… でも、他のみんながその名で呼ぶので、私だけの特別に【お嬢様】と呼ぶ事にしました。

ロッテ様達は、気付いてるみたいだけど…… 黙って見守ってくれました…… 感謝です。

本当は…… シロ様と同じ様に、【おねえちゃん】と呼びたいけど……

私は、元々メイド見習いにする為に買われた奴隷で、元の旦那様と奥様にメイド教育を受けるはずでしたが……

奥様が突然お亡くなりなって、一人のメイド見習いが次のお店に、私とメイドのお姉さん達と見習い達全員を連れて行きました。

次のお店に入った瞬間に…… 私の記憶が途絶えました……

覚えているのは…… 耐え難い激痛と恐怖に…… あのメイド見習いの気持ち悪い笑い声…… それがある日終わりました。

またあの耐え難い激痛と恐怖を味わいながら、私の心が死にかけた時に…… あのメイド見習いの様子が何時もと違い、誰かと争っているのを感じました。

メイド見習いの悲鳴が聞こえた気がした後、何かに優しく包まれたのを覚えています…… まるでおかあさんに抱かれている様な、安心感の中…… あの激痛と恐怖が消えて行きました。

次に目覚めたら、見慣れた部屋のベッドの上でした。

そこで旦那様に…… あのメイド見習いが【悪魔】だった事と、旦那様がこの宿をお売りになった事、旦那様とメイド達に見習い達も、この宿を買った人達に雇われる事を告げられました。

「で、君は…… どうする?」

「?」

「このまま、ここのメイド見習いとして雇われるか、新たに主人を探すか……」

「私は…… 旦那様の奴隷ですが?」

「私も家内も、君を奴隷では無く…… 娘として引き取ったつもりだ…… だが、その娘を苦しめてしまった」

「旦那様……」

「だから、君には自分の未来を選んで欲しい。私は親として、その未来を応援したいのだ」

「だっ、旦那様…… あ、りが…… とう…… ござい…… ます…… わ、私は…… 仕えたい人が…… います」

私は…… 旦那様の言葉に、泣きながら想いを伝えました。

私の事を心配して、あの方が来て下さいました。見た瞬間に解りました…… この人だ! この黒猫の獣人のお姉さんが私を優しく包んでくれた人……

どこか懐かしくて、泣きながら抱き付きたい気持ちを押さえ付けて、恥ずかしい気持ちで…… 何を話したのかも覚えていないけど、私は…… この方に仕えたい。

私の想いを聞いた旦那様が、宿のリフォームの手伝いに来た。カナエ様専属メイドのルビー様とサファイア様に話を通して下さいました。

ルビー様とサファイア様が、改めて私の気持ちを確認した後に…… ロッテ様に会わせて下さいました。

ロッテ様は…… カナエ様の専属メイド長で、カナエ様に最初に仕えたメイドなのだそうです。

ロッテ様は、私を見た後、せつな様と何かを話してから…… 私に……

「私のメイド教育を受けますか?」と、言った。

「は、はい!」

ロッテ様のメイド教育は…… 私の他に人型モンスターが参加していました。

獣人の私よりも、犬や猫に近い顔立ちをしたモンスター達は、ロッテ様達がカナエ様の為にテイムして教育するとの事です。

一緒に教育を受けたモンスター達が進化した時は、驚きました。

その中でも、カナエ様のテイムした狐モンスターが進化した姿に驚きました!?

この子…… メイド姿に進化した…… ♂なのに?

リフォームの終えた宿に、進化したモンスター達をカナエ様がルビー様、サファイア様と一緒に連れて来ました。

リン様がリフォームした宿の案内役に、私をカナエ様につけていただき、一通りの案内をさせていただきました……

一時とはいえ、夢が叶った瞬間でした……

案内の後、改めて二階テラスで、カナエ様にお仕えしたいと…… 伝えると、カナエ様は少し困った顔をなされました。

ルビー様とサファイア様がやって来て、カナエ様にロッテ様が私を教育した事などを、お話しした後…… カナエ様が私を手招く!? 驚きながら、カナエ様の近くに……

「私に仕えるなら、私の前では年相応に話してね? じゃないと距離を感じて…… 私が寂しくなるの」

そう言って、私の頭を優しく撫でてくれました。

この人が、わたしのお嬢様ごしゅじんさまです!

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