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夢忘れ編
ロミータの望んだもの
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【翌朝】
アルバートファミリーがロミー達の居る【マナティート地方】に向けて出発した日の朝
「んっ…くあぁ…よく寝たわっ…」
昨夜クリストファーに本当の自分自身の事を説明したロミー。ソレを受けたクリスは彼女を受け入れ、皆の前では以前の2人の関係と同じように接してくれる事を約束してくれた
そんな彼女と演技ではなく本音でお互いを求め合い、全身クタクタになるまでお互いの身体を味わい尽くした為、そのまま気絶するように眠りについていた
「……ふぅ…エッチな事って…こんなにも身体が疲れるものなのね。クリスもグッスリ眠っているようだし…それにしても…クリスったら凄く寝相悪かったわね…」
大量に汗をかき気絶するように眠りに落ちた2人ではあったが…同じベッドで寝ていたクリストファーは、激しく身体を動かし何度もロミーの身体にぶつかっていた。その度に目が覚めたロミーは少し寝不足気味だった
「ふぅ…戦争中だとは思えないほど爽やかな朝だわ♪」
室内は静かで…クリスの寝息だけが聞こえている。部屋を見渡すロミータ。王家の者の部屋のように所々豪華な装飾品が置かれているが…心なしか違和感を感じる
「そっか、ここは砦の中だもんね…」
城を落とされた人間側は、王の1人娘であるロミーを連れこの砦に逃げ延びたのだ。この部屋も元々は砦の責任者用の部屋であり、逃げる時に持ってきた装飾品をそれらしく並べているにすぎなかった
「そう言えば、あの時…」
それ等を眺めている時、ロミーの頭の中に地球での最後のSCENEが蘇ってきた
「なるほど…ファンタジー世界でお姫様としての生活を望むのですね。そこで楽しく生きたいと…」
「ロミーも流石に子供っぽい考えだとは思いますけど…そんな願いでも叶うのですか?」
危篤状態にあるロミータは、実際に口を動かして声に出していた訳ではなかったが…目の前に居る地球の神と名乗るガイアが、どうやら口に出さずとも思考を読んで会話していることに気が付いていた
「流石に今の地球上には貴女が望むような環境は存在しませんね…ですが、私の後輩が統治する星に貴女が望む環境に近い星があります。エリスアに頼んで、ソコに生まれ変わらせてあげましょう。そうだ!異世界転生や転移の際に特殊能力(スキル)を授ける習わしがありました。ロミータ・アナメル、貴女はどんな能力を望みますか?……」
地球の病院のベッドで最期を迎えた時に、地球の惑星神【ガイア様】と交わした会話が思い出されていた
「ロミーはあの時、ガイア様に何をお願いしたのだったかしら?」
肝心のガイア様に何を望んだのか?まではまだ思い出せないロミータは静かにため息をついた
「んぅ…ロミー…もぅ起きてたの?」
何を望んだのか?思い出そうと「うーん、うーん」と唸っていた声に反応して、クリストファーが目を覚ましたようだ。彼女の横に腰を落とし声を掛けるロミータ
「少し前にね…どうクリス、目覚めの気分はいかが?」
昨夜、改めて大好きになった新しいロミーの甘く可愛らしい声に幸せを感じたクリスは、ゆっくり起き上がると顔をニンマリとし黙ったままロミーを抱きしめた
「ちょっと、んもう…クリスってシッカリしてそうなのに、意外と甘えん坊さんなのね(笑)」
「私がこんなに甘えるのはロミーにだけだ…」
今、抱きしめているロミーは、以前の彼女ではないのだが…前のロミーと同じか?それ以上に大好きになっているクリストファー
「それにしても…クリスったら寝相悪かったのね。ビックリしたわ」
「う、貴女にも言われちゃった…やっぱり私って寝相悪いのね…」
彼女が言った貴女にも…これは今のロミーとは別の、以前のロミーにも言われていた事を言っている。すると突然クリスは、この部屋への入り口であるドアの方を見つめた
「コンコン!ロミー様、お目覚めですか?クーニャです、朝食をお持ちしました。失礼いたします」
どうやらクリスは、廊下を歩いて来るクーニャの足音を察知していたようである。なんだかんだ言っても、姫のボディーガードしての能力は高いようだ
「おはようクーニャ。良い匂いがしていますけど…朝食ですか?」
本来の世話役ならば、中に居る御主人様から許可が出るまで入室しないのだろうが…以前のロミーから…
「ロミーとクーニャの仲なんだから、そんな堅苦しい事しなくて良いわ」…と言われていたので、決まりの挨拶だけして入室して来たクーニャ
「あらあら(笑)ロミー様とクリス様ったら、いつの間にそんな仲良くなられたのですか?」
悪戯心で少年兵たちには、夜のロミーとの営みを覗き見させていたクリスだが…姫様の護衛役である自分とロミーがそんな関係にあるとは公に出来ない
「ふふ、ロミーの匂いが大好きなの♪それに身辺警護もあるから、一緒に寝させてもらったのよ♪」
そんな彼女の立場に気遣っているクーニャは、敢えてとぼけた言い方をした。そして今朝取れたばかりの野菜で作ったジュースを、ロミーとクリスに手渡した
「仲良きことは結構ですけど…あまり疲労を残さない程度にしてくださいね。クスクス♪」
つまりクーニャには、ロミーの部屋に夜這いをかけに来たクリスが居ることは周知の事実なのだ
……………………………………………
3人は仲良くクーニャが用意してくれた朝食を食べながら話しをていた
「クリス…」
「なんですかロミー?」
「あの…私たちは魔族側に押されて劣勢なのでしょう?この先どうするのですか?」
王国の姫として異世界転生したロミータ。その両親である王と王妃も既に亡くなっているらしいので、魔族に負けているという今の情勢が気になるのは当然だった
「…お恥ずかしい話なのですが…自国の戦力だけでは、この劣勢を打開するのは厳しいと思われますので…国外に支援を求めよう。というのが今日の議会の答えになると思います」
クリストファーは、ロミーが異世界から転生して来た者だと告げられている。そんな彼女に自国の兵だけでは勝ち目が無い。という報告をするのは後ろめたかった
「つまり…他国に兵の協力をお願いすると…」
「いえ、少し違います。我が国は西に魔族の城が有り、北は船の航海も絶望的な激流に阻まれ、東は長さ1km以上の地の底も見えない断崖に遮断されています」
「では、南に?」
「はい。南のルナティック大山脈を抜け、更にカルデア森林帯を抜けた先に【ヘルメス】という大陸最大の商業都市があります」
「でも…その商業都市から、その劣勢を覆(くつがえ)せるほどの兵力を借りられるものなのですか?」
「いえ、商業都市を護る守備隊ではないのですが…東の渓谷の向こうに人間側最大の王国【クラウン】が有るのですが…その国に認められた聖騎士【ミャンジャム】を筆頭にする【聖騎士勇者隊】が在籍しているらしいのです」
「そんな凄い人が居るのでしたら、是非助力して欲しいわね」
「3人全員がSランクである彼女たちの協力を得られれば、彼女たちだけで1軍に匹敵する戦力になるハズです」
クリストファーは【聖騎士勇者隊】をアテにしているようだが…国外からの情報が入りにくいこの国にいる為、彼女たちが今。臨時的にとはいえ【マリニウム公国】に在籍していて【ヘルメスの街】に居ないことを知らなかった
続く
アルバートファミリーがロミー達の居る【マナティート地方】に向けて出発した日の朝
「んっ…くあぁ…よく寝たわっ…」
昨夜クリストファーに本当の自分自身の事を説明したロミー。ソレを受けたクリスは彼女を受け入れ、皆の前では以前の2人の関係と同じように接してくれる事を約束してくれた
そんな彼女と演技ではなく本音でお互いを求め合い、全身クタクタになるまでお互いの身体を味わい尽くした為、そのまま気絶するように眠りについていた
「……ふぅ…エッチな事って…こんなにも身体が疲れるものなのね。クリスもグッスリ眠っているようだし…それにしても…クリスったら凄く寝相悪かったわね…」
大量に汗をかき気絶するように眠りに落ちた2人ではあったが…同じベッドで寝ていたクリストファーは、激しく身体を動かし何度もロミーの身体にぶつかっていた。その度に目が覚めたロミーは少し寝不足気味だった
「ふぅ…戦争中だとは思えないほど爽やかな朝だわ♪」
室内は静かで…クリスの寝息だけが聞こえている。部屋を見渡すロミータ。王家の者の部屋のように所々豪華な装飾品が置かれているが…心なしか違和感を感じる
「そっか、ここは砦の中だもんね…」
城を落とされた人間側は、王の1人娘であるロミーを連れこの砦に逃げ延びたのだ。この部屋も元々は砦の責任者用の部屋であり、逃げる時に持ってきた装飾品をそれらしく並べているにすぎなかった
「そう言えば、あの時…」
それ等を眺めている時、ロミーの頭の中に地球での最後のSCENEが蘇ってきた
「なるほど…ファンタジー世界でお姫様としての生活を望むのですね。そこで楽しく生きたいと…」
「ロミーも流石に子供っぽい考えだとは思いますけど…そんな願いでも叶うのですか?」
危篤状態にあるロミータは、実際に口を動かして声に出していた訳ではなかったが…目の前に居る地球の神と名乗るガイアが、どうやら口に出さずとも思考を読んで会話していることに気が付いていた
「流石に今の地球上には貴女が望むような環境は存在しませんね…ですが、私の後輩が統治する星に貴女が望む環境に近い星があります。エリスアに頼んで、ソコに生まれ変わらせてあげましょう。そうだ!異世界転生や転移の際に特殊能力(スキル)を授ける習わしがありました。ロミータ・アナメル、貴女はどんな能力を望みますか?……」
地球の病院のベッドで最期を迎えた時に、地球の惑星神【ガイア様】と交わした会話が思い出されていた
「ロミーはあの時、ガイア様に何をお願いしたのだったかしら?」
肝心のガイア様に何を望んだのか?まではまだ思い出せないロミータは静かにため息をついた
「んぅ…ロミー…もぅ起きてたの?」
何を望んだのか?思い出そうと「うーん、うーん」と唸っていた声に反応して、クリストファーが目を覚ましたようだ。彼女の横に腰を落とし声を掛けるロミータ
「少し前にね…どうクリス、目覚めの気分はいかが?」
昨夜、改めて大好きになった新しいロミーの甘く可愛らしい声に幸せを感じたクリスは、ゆっくり起き上がると顔をニンマリとし黙ったままロミーを抱きしめた
「ちょっと、んもう…クリスってシッカリしてそうなのに、意外と甘えん坊さんなのね(笑)」
「私がこんなに甘えるのはロミーにだけだ…」
今、抱きしめているロミーは、以前の彼女ではないのだが…前のロミーと同じか?それ以上に大好きになっているクリストファー
「それにしても…クリスったら寝相悪かったのね。ビックリしたわ」
「う、貴女にも言われちゃった…やっぱり私って寝相悪いのね…」
彼女が言った貴女にも…これは今のロミーとは別の、以前のロミーにも言われていた事を言っている。すると突然クリスは、この部屋への入り口であるドアの方を見つめた
「コンコン!ロミー様、お目覚めですか?クーニャです、朝食をお持ちしました。失礼いたします」
どうやらクリスは、廊下を歩いて来るクーニャの足音を察知していたようである。なんだかんだ言っても、姫のボディーガードしての能力は高いようだ
「おはようクーニャ。良い匂いがしていますけど…朝食ですか?」
本来の世話役ならば、中に居る御主人様から許可が出るまで入室しないのだろうが…以前のロミーから…
「ロミーとクーニャの仲なんだから、そんな堅苦しい事しなくて良いわ」…と言われていたので、決まりの挨拶だけして入室して来たクーニャ
「あらあら(笑)ロミー様とクリス様ったら、いつの間にそんな仲良くなられたのですか?」
悪戯心で少年兵たちには、夜のロミーとの営みを覗き見させていたクリスだが…姫様の護衛役である自分とロミーがそんな関係にあるとは公に出来ない
「ふふ、ロミーの匂いが大好きなの♪それに身辺警護もあるから、一緒に寝させてもらったのよ♪」
そんな彼女の立場に気遣っているクーニャは、敢えてとぼけた言い方をした。そして今朝取れたばかりの野菜で作ったジュースを、ロミーとクリスに手渡した
「仲良きことは結構ですけど…あまり疲労を残さない程度にしてくださいね。クスクス♪」
つまりクーニャには、ロミーの部屋に夜這いをかけに来たクリスが居ることは周知の事実なのだ
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3人は仲良くクーニャが用意してくれた朝食を食べながら話しをていた
「クリス…」
「なんですかロミー?」
「あの…私たちは魔族側に押されて劣勢なのでしょう?この先どうするのですか?」
王国の姫として異世界転生したロミータ。その両親である王と王妃も既に亡くなっているらしいので、魔族に負けているという今の情勢が気になるのは当然だった
「…お恥ずかしい話なのですが…自国の戦力だけでは、この劣勢を打開するのは厳しいと思われますので…国外に支援を求めよう。というのが今日の議会の答えになると思います」
クリストファーは、ロミーが異世界から転生して来た者だと告げられている。そんな彼女に自国の兵だけでは勝ち目が無い。という報告をするのは後ろめたかった
「つまり…他国に兵の協力をお願いすると…」
「いえ、少し違います。我が国は西に魔族の城が有り、北は船の航海も絶望的な激流に阻まれ、東は長さ1km以上の地の底も見えない断崖に遮断されています」
「では、南に?」
「はい。南のルナティック大山脈を抜け、更にカルデア森林帯を抜けた先に【ヘルメス】という大陸最大の商業都市があります」
「でも…その商業都市から、その劣勢を覆(くつがえ)せるほどの兵力を借りられるものなのですか?」
「いえ、商業都市を護る守備隊ではないのですが…東の渓谷の向こうに人間側最大の王国【クラウン】が有るのですが…その国に認められた聖騎士【ミャンジャム】を筆頭にする【聖騎士勇者隊】が在籍しているらしいのです」
「そんな凄い人が居るのでしたら、是非助力して欲しいわね」
「3人全員がSランクである彼女たちの協力を得られれば、彼女たちだけで1軍に匹敵する戦力になるハズです」
クリストファーは【聖騎士勇者隊】をアテにしているようだが…国外からの情報が入りにくいこの国にいる為、彼女たちが今。臨時的にとはいえ【マリニウム公国】に在籍していて【ヘルメスの街】に居ないことを知らなかった
続く
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