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アリス IN 異世界日本
それぞれのお兄ちゃん
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【キャンプ場の夜】
佐々木はテントの外側を向いて、数枚のタオルにミノムシの様にくるまって寝ていた。彼の背中をすぐ後ろから眺めているアリス
(アリスを元気にしたくて、岸壁に花を取りに行ってくれたんだぁ……優しいなぁ…まるで、ヒイロお兄ちゃんみたい……お兄ちゃんたち、元気にしてるかなぁ…)
アリスの為に色々してくれる佐々木の背中に、故郷のヒイロを思い出していたアリス
差し出された朱のツツジに思わず笑顔をこぼしたら、ニッコリ笑ってくれた佐々木。それがアリスにとって、1人で故郷から離れている寂しさをかなり埋めてくれた
「うぅぅ…」
5月と言えど、海沿いのキャンプ場の夜はかなり冷えていた。1人だけシュラフを持っていない佐々木は、その寒さにタオルだけでは耐えかねて震えていた
(くっそー…マジでさみぃ!キャンプ場の夜の温度を舐めていたぜ…アリスちゃんに頼れる所を見せたかったのに、秘密にしてなきゃイケナイ筈の能力を使ってまで助けられたんだ。寒くて眠れないなんて…口が裂けても言えな……んあっ!?)
寒さを我慢しつつも、耐えきれず小刻みに震えていた佐々木の背中が暖かくなった
「お兄ちゃん」
アリスが佐々木の背中にピタリと引っ付いてきた。シュラフに入っているアリスは暖かく、その身体が背中に密着してくれる事で、彼の背中はかなり暖かくなった
「あ、アリスちゃん?」
「起きてたのぉ?…恥ずかしいけど…温めてあげるねぇ(照れ)どう、暖かいかなぁ?」
「うん、ありがとう!凄く助かるよ」
(やっぱりアリスちゃんは優しい子だ!父親を捨てた母とは違う!こんな子も居るんだ)
「えへへ♪みんな優しくしてくれるから嬉しいんだよぉ。家のみんな(ヒイロと妹2人)と会えないのは寂しいけど…佐々木さんもお兄ちゃんみたいで嬉しい♪…暖めてあげるねぇ♬」
アリスに添い寄られた佐々木は、今まで見たことの無い純粋無垢なアリスという少女の優しさに、彼女への好意が高まっていた
(完全に僕の負けだ!アリスちゃんを佐々木さんに取られたっ!)
静かにその様子を眺めていた宗一郎は、年上の佐々木に負けた事を認めざるを得なかった
【翌朝】
「おあよぅ…むにゅう…朝日が眩しいねぇ…」
朝が苦手なアリスは1番最後に目を覚ました。目を擦りフラフラ歩いて来た
「アリスちゃん、もう少しで朝食の準備が出来るから顔を洗っておいでよ」
優香はアリスに朝の洗顔を促した
「俺が付いていくよ」
すかさず佐々木が付き添いに立候補した
「ありがとう、お兄ちゃん♪」
2人は洗面所に向かった。その2人を見送り肩を落とす宗一郎と、そんな彼を優しく見つめる優香
「あーあ、佐々木さんの事【お兄ちゃん】だって。完全に負けちゃったね(笑)」
「うっさいなぁ…そんなの、分かってるよ!ちくしょう!」
アリスの好感度を得る勝負に負けた宗一郎を、自分を蔑(ないがし)ろにされた腹いせも乗せてからかった優香
朝食の後もアリスは佐々木と海岸線に行き、貝や魚のことなど色々な事を教えてもらった
屈託の無い笑顔で波打ち際を走るアリスと佐々木は、とても良い絵になっていた
【ヒイロの工房】
「くはぁ…はあぁ…あぁ…朝日が眩しいなぁ…」
ヒイロの部屋からカルーアが、体力の限界と言わんばかりにフラフラと出てきた
「ぐおぉ…腰が…痛てぇ…」
その後にヒイロがおじいちゃんの様に、腰を曲げながら出てきた
「どうしたんですか?2人とも…」
あまりに変わり果てた2人の姿に驚くミャンジャム
「うーん!今日も素晴らしい朝ですの!」
最後に出てきたサーシャだけが、ツヤツヤした顔色で元気よくしている
「なんで、あんだけ激しくしたのに…サーシャはそんなに元気なのさw」
「神の遺伝子とやらで…スタミナもアップしたのか?凄いな…」
サーシャと対照的に、2人はいつダウンしてもおかしくない感じだ
「朝ごはん用意しましたけど…おふたりとも食べられますか?」
ミャンジャムは今朝も食事の用意をバッチリしてくれてはいたが、食べてもらえるか不安しかなかった
「もしかして…サーシャさん…朝まで…頑張って…たの…ですか?」
サーシャの事が好きなミルは、彼女が自分をおいて2人と激しく愛し合っていた事に、かなり不満を覚えていた
……………………………………………
「ご、ご馳走様ぁ…」
「なんとか食べれたよ…」
カルーアもヒイロも気合いで完食したようだ
「ところでお兄様、今日の予定はどうしますの?」
サーシャはミルと食器洗いをしながら、ヒイロに聞いた
「そうだなぁ…最近は修理の依頼も無いし…どうすっかなぁ?特に用事は無いぞ」
「予定が無いのでしたらカルーアちゃんとサーシャさん、昇格試験を受けたらどうですか?」
「わたし達が昇格試験かい?」
「ハイエルフのカルーアちゃんや、神の遺伝子を授かったサーシャちゃんがCランクなんて、もったいなさ過ぎですよ!ちょうど今日は、月に1回の試験が行われる日ですから」
ミャンジャムは2人に昇格試験を勧めた。確かに2人ならAランクでもなれるチカラが確実にある。ランクが上の方が同じクエストを達成しても、手当が上がるので美味しいと言える
「そうだな…暇だし俺も付き添うから、行ってみるか?」
「そうだね、わたし達も家計の助けになりたいからね」
「決まりですの!」
カルーアとサーシャの昇格試験の為、冒険者ギルドを訪れる事にした
続く
佐々木はテントの外側を向いて、数枚のタオルにミノムシの様にくるまって寝ていた。彼の背中をすぐ後ろから眺めているアリス
(アリスを元気にしたくて、岸壁に花を取りに行ってくれたんだぁ……優しいなぁ…まるで、ヒイロお兄ちゃんみたい……お兄ちゃんたち、元気にしてるかなぁ…)
アリスの為に色々してくれる佐々木の背中に、故郷のヒイロを思い出していたアリス
差し出された朱のツツジに思わず笑顔をこぼしたら、ニッコリ笑ってくれた佐々木。それがアリスにとって、1人で故郷から離れている寂しさをかなり埋めてくれた
「うぅぅ…」
5月と言えど、海沿いのキャンプ場の夜はかなり冷えていた。1人だけシュラフを持っていない佐々木は、その寒さにタオルだけでは耐えかねて震えていた
(くっそー…マジでさみぃ!キャンプ場の夜の温度を舐めていたぜ…アリスちゃんに頼れる所を見せたかったのに、秘密にしてなきゃイケナイ筈の能力を使ってまで助けられたんだ。寒くて眠れないなんて…口が裂けても言えな……んあっ!?)
寒さを我慢しつつも、耐えきれず小刻みに震えていた佐々木の背中が暖かくなった
「お兄ちゃん」
アリスが佐々木の背中にピタリと引っ付いてきた。シュラフに入っているアリスは暖かく、その身体が背中に密着してくれる事で、彼の背中はかなり暖かくなった
「あ、アリスちゃん?」
「起きてたのぉ?…恥ずかしいけど…温めてあげるねぇ(照れ)どう、暖かいかなぁ?」
「うん、ありがとう!凄く助かるよ」
(やっぱりアリスちゃんは優しい子だ!父親を捨てた母とは違う!こんな子も居るんだ)
「えへへ♪みんな優しくしてくれるから嬉しいんだよぉ。家のみんな(ヒイロと妹2人)と会えないのは寂しいけど…佐々木さんもお兄ちゃんみたいで嬉しい♪…暖めてあげるねぇ♬」
アリスに添い寄られた佐々木は、今まで見たことの無い純粋無垢なアリスという少女の優しさに、彼女への好意が高まっていた
(完全に僕の負けだ!アリスちゃんを佐々木さんに取られたっ!)
静かにその様子を眺めていた宗一郎は、年上の佐々木に負けた事を認めざるを得なかった
【翌朝】
「おあよぅ…むにゅう…朝日が眩しいねぇ…」
朝が苦手なアリスは1番最後に目を覚ました。目を擦りフラフラ歩いて来た
「アリスちゃん、もう少しで朝食の準備が出来るから顔を洗っておいでよ」
優香はアリスに朝の洗顔を促した
「俺が付いていくよ」
すかさず佐々木が付き添いに立候補した
「ありがとう、お兄ちゃん♪」
2人は洗面所に向かった。その2人を見送り肩を落とす宗一郎と、そんな彼を優しく見つめる優香
「あーあ、佐々木さんの事【お兄ちゃん】だって。完全に負けちゃったね(笑)」
「うっさいなぁ…そんなの、分かってるよ!ちくしょう!」
アリスの好感度を得る勝負に負けた宗一郎を、自分を蔑(ないがし)ろにされた腹いせも乗せてからかった優香
朝食の後もアリスは佐々木と海岸線に行き、貝や魚のことなど色々な事を教えてもらった
屈託の無い笑顔で波打ち際を走るアリスと佐々木は、とても良い絵になっていた
【ヒイロの工房】
「くはぁ…はあぁ…あぁ…朝日が眩しいなぁ…」
ヒイロの部屋からカルーアが、体力の限界と言わんばかりにフラフラと出てきた
「ぐおぉ…腰が…痛てぇ…」
その後にヒイロがおじいちゃんの様に、腰を曲げながら出てきた
「どうしたんですか?2人とも…」
あまりに変わり果てた2人の姿に驚くミャンジャム
「うーん!今日も素晴らしい朝ですの!」
最後に出てきたサーシャだけが、ツヤツヤした顔色で元気よくしている
「なんで、あんだけ激しくしたのに…サーシャはそんなに元気なのさw」
「神の遺伝子とやらで…スタミナもアップしたのか?凄いな…」
サーシャと対照的に、2人はいつダウンしてもおかしくない感じだ
「朝ごはん用意しましたけど…おふたりとも食べられますか?」
ミャンジャムは今朝も食事の用意をバッチリしてくれてはいたが、食べてもらえるか不安しかなかった
「もしかして…サーシャさん…朝まで…頑張って…たの…ですか?」
サーシャの事が好きなミルは、彼女が自分をおいて2人と激しく愛し合っていた事に、かなり不満を覚えていた
……………………………………………
「ご、ご馳走様ぁ…」
「なんとか食べれたよ…」
カルーアもヒイロも気合いで完食したようだ
「ところでお兄様、今日の予定はどうしますの?」
サーシャはミルと食器洗いをしながら、ヒイロに聞いた
「そうだなぁ…最近は修理の依頼も無いし…どうすっかなぁ?特に用事は無いぞ」
「予定が無いのでしたらカルーアちゃんとサーシャさん、昇格試験を受けたらどうですか?」
「わたし達が昇格試験かい?」
「ハイエルフのカルーアちゃんや、神の遺伝子を授かったサーシャちゃんがCランクなんて、もったいなさ過ぎですよ!ちょうど今日は、月に1回の試験が行われる日ですから」
ミャンジャムは2人に昇格試験を勧めた。確かに2人ならAランクでもなれるチカラが確実にある。ランクが上の方が同じクエストを達成しても、手当が上がるので美味しいと言える
「そうだな…暇だし俺も付き添うから、行ってみるか?」
「そうだね、わたし達も家計の助けになりたいからね」
「決まりですの!」
カルーアとサーシャの昇格試験の為、冒険者ギルドを訪れる事にした
続く
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