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アリス IN 異世界日本
サーシャの葬儀
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【ヘルメス葬儀場】
アリスが日本でキャンプの為の買い物を楽しんでいた日、カルーア達はサーシャに最後の別れとなる火葬を行おうとしていた
「本当に…もぅ目覚めないんだね…」
昨夜、時間限定で蘇ったサーシャ
カルーアは、その後もまた彼女が蘇るのでは?と、何度もサーシャの顔を覗き込んだが…あれ以降サーシャが目覚める事は無く、遂に葬儀の時間を迎えてしまった
「ヒイロ、カルーアちゃん…サーシャちゃんの分も頑張れよ!」
「はい、有難うございます…」
ヘルメスは大きな街なので立派な葬儀場もあり、そこでサーシャの火葬が執り行われようとしていた
商業ギルドマスターのジュリアンが主催者となり、火葬の一部始終を奥さんのネネカさんと共に仕切ってくれていた
「ミル、元気出すニャ」
「はい…」
サーシャの葬儀には沢山の人が駆け付けてくれていた。それほどサーシャが街の人たちと馴染んでいて、愛されていたことが反映されていた
他にも…サメ焼き屋のグレイス、キャルト、テルアもサーシャの別れに参列しに来てくれた
「ヒイロ…サーシャちゃんの事…残念だったわね。何かあったら言ってよね」
「ありがとう。本当に、良い娘だったよ…」
冒険者のシャルル、シェリー、ガルダンも来てくれた
「エルフっ娘、元気出せよ。彼女の分も幸せにならないとな」
「…分かってる、ありがとう」
ミントスはカルーアを気遣ってくれた。ミクイはサーシャの亡骸にすがり、さっきからずっと泣いていた
「ほらミクイ…いつまでも泣いてないで…葬儀が始まらないよ」
「サーシャちゃんと、お別れ、イヤだ!優輝を代わりに、焼く…ぐずっ…」
「ふざけんなっ!」
アサシンとして育ち誰にも心を開かなかったミクイにとって、初めて心を許したサーシャの死は受け入れ難いようだ
「みんな、別れは名残惜しいと思うが…そろそろ…では、ひとりずつ最後のお別れを」
参加者達はサーシャの入っている棺(ひつぎ)に花をいちりん入れ、ひと言を添えてお別れをしていた
「皆さん、お別れは済みましたか?…それでは、サーシャちゃんの魂にエリスア様の導きのあらん事を…」
王都聖騎士のミャンジャムが司会進行をしてくれている。彼女の言った順番に全員が別れを告げる。残るはヒイロとカルーア
「兄としてサーシャを幸せに出来なくてゴメンな…サーシャの作ってくれた料理は、本当に美味しかったよ。いつか俺もソッチに行って会ったら、またご飯作ってくれよ。さ、カルーア…」
ヒイロはお別れを済ますと、最後のカルーアを促した
「サーシャ…キミは本当にどうしようもなくエロエロだった…キミと2人だけで寝る時は…襲われるんじゃないだろうか?って安眠出来なかったよ……でも、優しくて一生懸命で…思いやりの強い妹だったね…わたしは…サーシャの事を…うっ…うわぁぁぁ…」
サーシャは途中で感情と共に涙が溢れ出し、言葉が詰まってしまう。むせび泣くカルーアの背中を、ミャンジャムが優しく撫でてくれた
「うっ…ひぐっ…こんな事なら…キミとのエッちい事も、もう少し付き合ってあげるんだったよ…うぅ…」
「どれくらいですの?」
「そうだね…週一くらいは付き合ってあげれば…えっ!?ええっ!?」
「バーンっ!カルーアお姉様のお言葉、確かに頂戴しましたの!」
確かに閉めた棺の蓋は勢い良く解放され、中からサーシャが元気に上半身を起こしている
「うおっ!?」
「ええっ!?」
「なんですとぉ!?」
「うわあああっ!?」
火葬場はしばし大騒ぎになった
昨夜「これで本当にお別れですの」確かにサーシャはそう言って、永遠の眠りに着いたハズだった。惑星神【エリスア様】でさえも直せない。と、言っていたのにだ!
……サーシャが息を吹き返した事により、火葬は取りやめられた
【商業ギルドのエントランス】
臨時休業しサーシャの火葬に集まった全員が、彼女を取り囲み話をしていた
「サーシャ!昨夜、これが本当に最後になる。って言ってたじゃないか、どういう事なんだよ!?」
カルーアは嬉しいのだが、本当に今生の別れを覚悟していたので、サーシャに詰め寄るように質問した
「あの後、エリスア様に付き添われて【天界】に向かうハズでしたの。そしたら【地球の神様】のガイア様が現れて、サーシャと取り引きをしましたの…」
「取り引き?地球の神様がわざわざサーシャちゃんの所に来て、どんな話を持ちかけたんだ?」
商業ギルドマスターとして、数々の取り引きに立ち会ってきたジュリアンにしてみれば、神様との取り引き内容が凄く気になる様だ
「昨夜、エリスア様のチカラで、僅かな時間だけ蘇って…お兄様と初本番をしましたの…その時、お兄様の子種がサーシャのお腹の部屋に付いたらしくって…お兄様とサーシャの子供を地球で育てたい。と…その代価として…
ガイア様は【生命と豊穣】の神様らしくって、その能力(チカラ)でサーシャを蘇らせてくれましたの!」
「ほ、本当に…そんな事が…ヒイロ君の工房って…奇跡を起こすスポットなんじゃないかしら?
【消去の魔女】や【エリスア様】オマケに今度は【地球の神ガイア様】まで降臨なさるなんて…1度何かないか?調査した方が良いかもしれませんね…あはは…」
ミャンジャムはヒイロの工房に厄介になる事になってから、立て続けに起こる奇跡的な現象にただただ驚きの連続だった
「あっ!?ちょっと待ってサーシャちゃん!地球の神様って言ったよね?まさか…」
「うん、ガイア様が言うにはね…アリスお姉様は優輝さんの妹さんの、優香ちゃんと一緒に住んでるらしいですの」
「なにぃ!マジかよっ!?そうか…優香なら面倒見が良いから、この星から転移したアリスちゃんの世話をしてくれるな!」
優輝にしてみれば、日本に残してきた家族の事はもう二度と知ることは出来ない。と、思っていたが…予想外の事から知る機会が訪れた
続く
アリスが日本でキャンプの為の買い物を楽しんでいた日、カルーア達はサーシャに最後の別れとなる火葬を行おうとしていた
「本当に…もぅ目覚めないんだね…」
昨夜、時間限定で蘇ったサーシャ
カルーアは、その後もまた彼女が蘇るのでは?と、何度もサーシャの顔を覗き込んだが…あれ以降サーシャが目覚める事は無く、遂に葬儀の時間を迎えてしまった
「ヒイロ、カルーアちゃん…サーシャちゃんの分も頑張れよ!」
「はい、有難うございます…」
ヘルメスは大きな街なので立派な葬儀場もあり、そこでサーシャの火葬が執り行われようとしていた
商業ギルドマスターのジュリアンが主催者となり、火葬の一部始終を奥さんのネネカさんと共に仕切ってくれていた
「ミル、元気出すニャ」
「はい…」
サーシャの葬儀には沢山の人が駆け付けてくれていた。それほどサーシャが街の人たちと馴染んでいて、愛されていたことが反映されていた
他にも…サメ焼き屋のグレイス、キャルト、テルアもサーシャの別れに参列しに来てくれた
「ヒイロ…サーシャちゃんの事…残念だったわね。何かあったら言ってよね」
「ありがとう。本当に、良い娘だったよ…」
冒険者のシャルル、シェリー、ガルダンも来てくれた
「エルフっ娘、元気出せよ。彼女の分も幸せにならないとな」
「…分かってる、ありがとう」
ミントスはカルーアを気遣ってくれた。ミクイはサーシャの亡骸にすがり、さっきからずっと泣いていた
「ほらミクイ…いつまでも泣いてないで…葬儀が始まらないよ」
「サーシャちゃんと、お別れ、イヤだ!優輝を代わりに、焼く…ぐずっ…」
「ふざけんなっ!」
アサシンとして育ち誰にも心を開かなかったミクイにとって、初めて心を許したサーシャの死は受け入れ難いようだ
「みんな、別れは名残惜しいと思うが…そろそろ…では、ひとりずつ最後のお別れを」
参加者達はサーシャの入っている棺(ひつぎ)に花をいちりん入れ、ひと言を添えてお別れをしていた
「皆さん、お別れは済みましたか?…それでは、サーシャちゃんの魂にエリスア様の導きのあらん事を…」
王都聖騎士のミャンジャムが司会進行をしてくれている。彼女の言った順番に全員が別れを告げる。残るはヒイロとカルーア
「兄としてサーシャを幸せに出来なくてゴメンな…サーシャの作ってくれた料理は、本当に美味しかったよ。いつか俺もソッチに行って会ったら、またご飯作ってくれよ。さ、カルーア…」
ヒイロはお別れを済ますと、最後のカルーアを促した
「サーシャ…キミは本当にどうしようもなくエロエロだった…キミと2人だけで寝る時は…襲われるんじゃないだろうか?って安眠出来なかったよ……でも、優しくて一生懸命で…思いやりの強い妹だったね…わたしは…サーシャの事を…うっ…うわぁぁぁ…」
サーシャは途中で感情と共に涙が溢れ出し、言葉が詰まってしまう。むせび泣くカルーアの背中を、ミャンジャムが優しく撫でてくれた
「うっ…ひぐっ…こんな事なら…キミとのエッちい事も、もう少し付き合ってあげるんだったよ…うぅ…」
「どれくらいですの?」
「そうだね…週一くらいは付き合ってあげれば…えっ!?ええっ!?」
「バーンっ!カルーアお姉様のお言葉、確かに頂戴しましたの!」
確かに閉めた棺の蓋は勢い良く解放され、中からサーシャが元気に上半身を起こしている
「うおっ!?」
「ええっ!?」
「なんですとぉ!?」
「うわあああっ!?」
火葬場はしばし大騒ぎになった
昨夜「これで本当にお別れですの」確かにサーシャはそう言って、永遠の眠りに着いたハズだった。惑星神【エリスア様】でさえも直せない。と、言っていたのにだ!
……サーシャが息を吹き返した事により、火葬は取りやめられた
【商業ギルドのエントランス】
臨時休業しサーシャの火葬に集まった全員が、彼女を取り囲み話をしていた
「サーシャ!昨夜、これが本当に最後になる。って言ってたじゃないか、どういう事なんだよ!?」
カルーアは嬉しいのだが、本当に今生の別れを覚悟していたので、サーシャに詰め寄るように質問した
「あの後、エリスア様に付き添われて【天界】に向かうハズでしたの。そしたら【地球の神様】のガイア様が現れて、サーシャと取り引きをしましたの…」
「取り引き?地球の神様がわざわざサーシャちゃんの所に来て、どんな話を持ちかけたんだ?」
商業ギルドマスターとして、数々の取り引きに立ち会ってきたジュリアンにしてみれば、神様との取り引き内容が凄く気になる様だ
「昨夜、エリスア様のチカラで、僅かな時間だけ蘇って…お兄様と初本番をしましたの…その時、お兄様の子種がサーシャのお腹の部屋に付いたらしくって…お兄様とサーシャの子供を地球で育てたい。と…その代価として…
ガイア様は【生命と豊穣】の神様らしくって、その能力(チカラ)でサーシャを蘇らせてくれましたの!」
「ほ、本当に…そんな事が…ヒイロ君の工房って…奇跡を起こすスポットなんじゃないかしら?
【消去の魔女】や【エリスア様】オマケに今度は【地球の神ガイア様】まで降臨なさるなんて…1度何かないか?調査した方が良いかもしれませんね…あはは…」
ミャンジャムはヒイロの工房に厄介になる事になってから、立て続けに起こる奇跡的な現象にただただ驚きの連続だった
「あっ!?ちょっと待ってサーシャちゃん!地球の神様って言ったよね?まさか…」
「うん、ガイア様が言うにはね…アリスお姉様は優輝さんの妹さんの、優香ちゃんと一緒に住んでるらしいですの」
「なにぃ!マジかよっ!?そうか…優香なら面倒見が良いから、この星から転移したアリスちゃんの世話をしてくれるな!」
優輝にしてみれば、日本に残してきた家族の事はもう二度と知ることは出来ない。と、思っていたが…予想外の事から知る機会が訪れた
続く
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