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アリス IN 異世界日本

モテるヒイロ

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【冒険者ギルド】
クエストに出掛ける前に商業ギルドへ向かった。修理依頼が終わった武具を納品したヒイロ達は、その後冒険者ギルドでクエストを探すつもりだったのだが…商業ギルド長のジュリアンから、ひとつの噂を聞かされた

「ヒイロ、お前が時々鉱石を取りに行っている【ホクセー鉱山】があるだろ?最近あの辺りでモンスターの活動が活発になっているようだ。冒険者ギルドにも今朝依頼が貼られたばかりだろう。鍛冶屋の材料の調達も兼ねて行ってみたらどうだ?」

とタイムリーな話を聞かされて冒険者ギルドにやって来たのだが、そこでリーリア姉妹とガルダンのパーティと鉢合わせした

「ヒイロ君達じゃない!コッチで会うのは珍しいわね…良かった、三姉妹達も帰ったようね」

姉のシェリーも三姉妹の帰還を心配してくれていたので、素直に喜んでくれている

「えっ!?ミャンジャム様!?もしかして…まだヒイロの所に同居してるのですか?…まさか…ヒイロの事を…」
 

「やれやれ、まだキミは兄さんの事を狙っているのかい?わたしが帰ったんだから良い加減兄さ……ヒイロの事は諦めてくれないかい?」

カルーアは未だにヒイロに固執しているシャルルを牽制する為に、敢えて【ヒイロ】と呼び仲の深さを魅せつけるジャブを入れた

「むっ!エルフっ娘?…帰ってたのね…一応心配したわ。どこかで遭難でもしてるんじゃないかってね!万が一、アンタがくたばりでもしたらヒイロは私が面倒見てあげるわ!」

負けじとシャルルもカルーアに言い返す

「はぁ…2人は相変わらずみたいですの。シャルルさん達、お久しぶりですの」

「サーシャちゃん!無事で良かったわ」

「わたしとは対応がえらい違いなんだけどw」

「あんたは良いのよ…って、あら?アリスちゃんが居ないじゃない?具合いでも悪いの?」

ヒイロはシェリー達を連れて、近くのあまり人気の無い喫茶店に向かった



【喫茶店内】
「アリスちゃんが異世界転移した!?」

ヒイロ達はアリスが異世界(ニホン)に転移した事を伝えた。その中でこの星の女神【エリスア様】と出会った事だけは伏せて説明した

「それは心配ですね…とは言え、悔しいでしょうが…自分達には何も出来ないのが現状ですね」

ガルダンもアリスの心配をしてくれた。そしてアリスが帰った時、彼女の居場所(工房)を守る為にも生活を頑張ろうと決めた事を伝えた

「そうですね…でもミャンジャム様…王都の聖騎士である貴女が、同じ年の男の家にいつまでま同棲しているのは良くない噂が…」

「何言ってんだい!キミが心配してるのはヒイロのライバルが増えるかも?って事だろう!」

「ぐぬぬ…エルフっ娘うるさい!」

カルーアはシャルルが心配してるのは、ミャンジャムまでヒイロに惹かれないか?の事だと見抜いていた

「クスクス(笑)大丈夫ですよ、わたくしは他人の男に手を出したりはしませんから……たぶん。恐らくね(笑)」

ミャンジャムも悪ノリして会話に便乗していた。そんなやり取りを経て、シェリー達は商業者の護衛の依頼を引き受け【スズカ】の街へ。ヒイロ達は鍛冶の材料調達と魔物調査を兼ねて【ホクセー鉱山】へと、それぞれ旅立った



【ホクセー鉱山入り口】
以前に来た時と同様に、鉱山地帯の入り口には商業ギルドが設営したコテージが変わらずソコにあった

「ふぅ…ようやく着きましたの」

サーシャは到着すると、率先してコテージ内に荷物を運んでいる。体力と腕力に自信ある彼女は、肉体派のアリスの不在を埋めようと頑張っている
ヒイロは馬車を固定し、馬2頭を小屋へ入れ水と餌を与え休ませた。カルーアは当然の様にヒイロに寄り添い、彼女ポジションで彼の手伝いをしている

「キッチンを使いますね、お腹空いたでしょう?簡単な肉料理を作りますわ♪」

料理にも長けているミャンジャムが、手早く昼飯を作ってくれた。彼女の料理を楽しみ、一旦の休憩を取ったヒイロ達


「じゃあ俺達は南に少し下って、鉱石を採取してくるよ」

「サーシャは片付けと夕飯の用意をして、ミャンジャム様には周囲の警戒をしてもらいますの。カルーアお姉様、お兄様をお願いしますの」

「ヒイロの事はわたしに任せてよ」

すっかりカルーアは、ヒイロの彼女気取りで生き生きしている。久しぶりに彼の横に立っていられる事が嬉しいようだ

ヒイロ達を見送ってから、ミャンジャムとサーシャは昼飯の片付けを始めた

「カルーアちゃん、元気みたいで良かったわ」

「アリスお姉様の事は気掛かりだとは思いますの…でも久しぶりに、お兄様と一緒だから喜んでますの」

ミャンジャムは少し残念そうにため息をついた

「はぁ…どうやら、わたくしの付け入る隙は無さそうですわ。かなり良い男に出逢えたと喜んだのですけどね…」

「そんな事したらサーシャが許さないですの!」

「うん、肝に銘じておきます(笑)」

ミャンジャムは三姉妹の末っ子であるサーシャに、自分がヒイロに手を出す気は無いことを伝えたようだ



【鉱山南部】
「確か…この辺だよね兄さん?」

「あぁ、そうだが…」

「何だい?」

「みんなの前では俺の事【ヒイロ】って呼ぶようになったのに、2人になると【兄さん】って呼ぶんだな(笑)」

「直接…面と向かって言うのは…まだ、は、恥ずかしいんだよ(汗)」

ヒイロへの想いを悟られているカルーアは、真っ赤に照れて俯いた

「そういや、この辺だったな」

「何がだい?」

「前にここに来た時カルーアが足を挫いて、オマケに熱まで出して俺が看病した事があっただろ?」

カルーアは以前の事を思い出した
身体が思う様に動かなかったので口移しで食事させられたり、汗をかく為に裸で身体を重ねた時の事を…

「ε٩(๑>ω<)۶зもう!兄さんまでサーシャに影響されてエッち過ぎるよ!」

「カルーア…」

「えっ!?」

ヒイロはカルーアの手を取り引き寄せ、彼女の小さな唇にKissをした

「こんな場所じゃ…恥ずかしいよ…」
 

突然のKissに照れるカルーア

「好きなんだ…愛してるよ。本当に」

「でも…外でなんて…」

以前、看病の為とは言え身体を重ねあった事を思い出したヒイロは、湧き上がった劣情が抑えきれなくなり、その場にカルーアを押し倒した

「やだ…恥ずかしいよ…」

ミャンジャムとサーシャから別れた2人は、少し離れた岩肌の陰であの時の様に身体を重ね始めた



続く
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