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イシス王国&ドルイド王国編

崩壊するダンジョン

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【神殿の最深部】
封印の間を守る12体のガーゴイル
アドルや優輝達の頑張りで、その内の5体を倒し(破壊し)ていた

「皆さんお待たせです。ようやくソイツらの動きを理解しました!…光の裁きよ降り注げ…【光覇彗星撃(アンチャラシュシエンシハ)】!」

ミンクはイシスでの戦いの最中に見せた極大魔法を使った!あの時より凝縮された紅い光の矢が、部屋の中央で分裂し残りの7体を同時に破壊した

「はぁはぁ…助かったみたいだね…俺はもう限界だったよ…」

精根尽き果てた優輝は、その場に座り込んだ。アドルやアリスもかなり疲弊していた

「うひゃー、本当にミンクちゃんの魔法って…凄いねぇ…はぁはぁ…アタシたちがあんな苦労して5体だったのにぃ…7体が一発なんてぇ…」

「それほどでも…あります!なんてったって、ミンクはドレイクを助ける女ですから!」

ミンクは口調こそ自信過剰な言い回しをするが、無尽蔵とも思えるその魔力を無駄無く効率的に使っている

「流石ミンクだ頼もしいな!それでこそ俺の嫁だぜ!ガーハッハッハッ!さてと…あの扉を開けたら…封印の間だ」

「けど、すんごく大きな扉ぁ…コレって本当に開けられるのぉ?」

「ふはははっ!俺たちに掛かればっ!」
「イくよ、ドレイク!…はぁぁ!」
「ゴゥン…ゴンゴンゴン…」

最初にミンクが放った光の粒子が扉を包んだ。魔法的なプロテクトを破ったようだ。続いてドレイクが、その強靭な腕力(チカラ)で扉を押し込んだ
最初の少しを開くのには、かなりのチカラを必要とした感じだが…少し開くと扉は自動的に開いていった
封印の間の奥から青白い光が漏れて来ていた
部屋の最奥には大きな井戸の様な物がある。その上に巨大な漬物石(つけものいし)が蓋をしている感じだ

「あの女性が魔獣の世界へのゲートを封じた賢者エキドナ様?」

重なる井戸と漬物石。その前に両手を組み、祈りを捧げている女性の石像が立っている



【地下通路】
「ふぅ…疲れたね…ひらけた場所に出たから、少し休憩にしようか?」

「そうですね、あんな目にあったんですもの…休憩は必要ですの!」

回復役で荷物持ちのサーシャは、担いでいる冒険者袋から水筒と携帯用食品を取り出した。お礼を言いサーシャから、食べ物と紅茶を受け取るカルーア

「サーシャ、ひとつ聞いて良いかな?」

「なんですの?」

「わたしは…その、兄さん…ヒイロから本気の告白をされたんだけど…」

義理の姉妹が相手であっても、こういう事を口に出すのは抵抗が消えないカルーア

「そうですわね、おめでとうですの♪」

「アリス姉さんは、このままアドルさんと…もしかしたら、結婚まで行きそうな感じがするんだけど…その、サーシャはどうするんだい?」

「サーシャは…まず、家族の幸せを願いますの。たぶん、ですが…奴隷市場に居た時、歳の近い子が何人か居ましたの…
おそらく誰も幸せには、なれていないと思いますの…だから!サーシャはまず幸せな家庭が欲しいんですの!!家族が幸せになれそうだな、っと思えたら次にサーシャの幸せを探しますの!」
 

鍾乳胴の天井を見上げながら、サーシャは嬉しそうな顔でそう返事した

「わたしも…サーシャを含めて、今の家族の全員が幸せになって欲しいと思ってるよ」

「えっと、その日までは…時々お姉様達に悪戯しても…許して欲しいですの…」

「やれやれ、キミは本当に仕方ないな(笑)」

これがサーシャなんだな、と再確認したカルーア。サーシャが擦り寄って来た

「んうっ」

サーシャから、やんわり口付けをされた。カルーアは嫌がる事なく受け入れた
もちろんサーシャが、そんなソフトな行為で終わるハズが無い!サーシャはカルーアの上着を脱がせた

「こ、こんな所でも身体を重ねて来るなんて…キミは本当にエロエロだな…」

「お姉様が可愛いから仕方ないんですの♬」

サーシャはカルーアの胸を弄りながら、彼女の首筋を舐め上げる

「んっ!あっ、はぁ…サーシャ…」

「お姉様、トカゲ野郎の匂いは…サーシャが消してあげますの!」

「うあああっ!」

サーシャは途中まで入れられた、カルーアの女の子の入り口を丹念に舐めた。指を使わずに舌で彼女の内壁をグリグリ舐め回す

「い、良いよソレ!感じちゃう…サーシャぁ…」

「大好きですの、お姉様…」

……………………………………………

「バッゴーーーン!!!!!」

カルーアとサーシャの義理の姉妹による百合行為が佳境に入ろうとした時だった。突然、洞窟内部に巨大な爆音と共に凄まじい揺れが襲ってきた!

「な、なんですの!?」
「この衝撃はヤバいかも知れないね…」



【封印の間】
「綺麗な女性だねぇ…」

アリスはそのエキドナ像を良く見ようと、数歩近付いたその時だった!

「キョキョキョキョキョ!」

アリスの影から吸血姫の【コハラコ・ノミィ】が現れた

「なっ!?」

完全にドレイク達は油断を突かれてしまった

「目からビィームッ!!」

コハラコの放ったビームは、井戸の蓋をしている封印の石にぶち当たった!

「バキィッ!!」

封印の石を攻撃したコハラコは、コウモリに変化すると物凄い速さで部屋の外へと逃げて行った

「待ちなさぁいぃ!」

「放っておけ!それよりも…ミンク、封印の聖石の修復は出来そうか?」

「コレは……もう、無理だわ。地上と地下の魔界とが繋がってしまう……それと…古代13獣神のひとつ【マルバァス】が復活する…」

「なんだって!?」

「説明は後だ!ヤバいぞ、全員遺跡から脱出だ!早く外へ走れ!!」

「でも!妹達がぁ!」

「気持ちは分かるが…時間が無い!とりあえず急ぐんだ!あの2人が居るのは脱出用の裏ルートだからな、むしろ俺たちの方が危ねーんだ!」

「アリス、さぁ!」

「アドルぅ…」

アドルに手を引っ張られながら、アリスは泣く泣く封印の間から撤退を始めた。吸血ビームを受けた封印の聖石に入った亀裂がドンドン拡がっていく
ミンクの話していた古代13獣神の1体が、その中に封じられている。という話だが…


「優輝さん!上ぇ!!」

撤退中のアリスが何かに気が付いた

「げえっ!?天井が!!」

ガーディアン達との戦闘で疲弊していた駆け出し勇者の優輝は、逃げるみんなの中で自然と最高後を走っていたのだが…彼の真上の壁に穴が開き、その巨大の石が優輝を襲う!

「うわっ!何?」

「ジタバタしないで!この方が早いから!」
 
ミクイは疲労困憊(ひろうこんばい)の優輝を肩に担ぎ、外へ向かって全力疾走した。馬車と並走できる彼女の脚力は、優輝を担いでいてもかなり早かった!


「ふぅ、危なかったわね。優輝、怪我してないか?」
 

「あ、ありがとうミクイ。マジで助かったよ」

「気にしないで!また食べ物奢ってもらうから♬」

アサシンのミクイは優輝を肩に担いだままで、崩落するダンジョンの石などを巧みに回避しながら無事に外まで走り着いた



【地下通路】
「コレは…相当ヤバいね、サーシャ脱出しよう!」

「で、でも…落ちてきたから、出口へのルートが分かりませんの…」

「あのサラマンダーに襲われた場所、小さな川が流れてたよね。アレは外へと続いてる感じだった、ソレを使おう!」

「分かりましたの!」

それぞれに全員が、一目散(イチモクサン)に外へと向かった。崩れ行く神殿、巨大な井戸からとてつもない存在感を放つ何かが現れようとしていた



続く
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